春休み、お屋敷の応接間で 第3話




 書斎では、主人と使用人がTVモニターを見ながらブランデーグラスを傾けている。
「いよいよクライマックスや。今日はほんまにええ感じや。さて、お嬢さん、どうなりますかなあ」
 モニターの中の亜矢子は、さっきからミニスカートの股間をおさえながら、応接間の中を、股をきつく閉ざして四つん這いで行ったり来たりしている。
 2台のカメラのどちらかが、屈みこんだ後方からのぞく彼女の白いパンティーを写し出している。なんともエロティックな構図である。
「いやいや、わしは今までにこうやって、いろんなお嬢さんが粗相をするところを眺めて楽しませてもらっておるが、今日のお客さんは今までで最高や。こんなに可愛いお嬢さんが来てくれはるなんて、めったにありませんわ。なあ」
「はい。そう言われれば、可愛さでは一昨年の春にみえられたT女学院の真紀さん以来かもしれません」
「おお、そうや。あの時もえらい別嬪だったのう」

 真紀はその当時高校2年生だった。
 やはり春休みのアルバイトでこの邸を訪れたのだった。茶髪で派手な外見のわりにはしっかりしていて、頭もよく、とても礼儀正しかったのでよく記憶に残っている。
 特に印象的だったのは、今日の亜矢子と同じように応接間に閉じ込められて尿意の限界に達した彼女は、こともあろうか何とバッグの中からコンドームを取り出して、その中に放尿したのであった。
 限界まで溜められた尿はコンドームをみるみる膨らませ、大きな水風船を作った。真紀はなんとかコンドームの口を結ぶと、たぷたぷとしたその風船を、とりあえず屑篭のなかに隠した。
 そのすぐ後、時間に遅れて恐縮しながら現れた主人に「大変申し訳ございませんでした。今日はもう遅くなってしまったから、アルバイトの件はまた日を改めてお願いします」と言われて約束の2倍近い金額のバイト代を貰って、この邸をあとにしたのであった。

 真紀は部屋を出る時に屑篭の中身のことを言おうかと迷ったのか、なにか言いたそうにもじもじしていたが、結局恥ずかしくて言い出せなかったようだった。
 もちろん彼女からは、それ以来連絡がない。一度年始の挨拶を兼ねて、またアルバイトに来て下さいとの旨の葉書を送ったが、さすがに返事は来なかった。
 書斎の中の二人は、その時のことを懐かしそうに話しながらモニターを眺めている。

 一方、応接間の亜矢子は必死で何かを探している。何か、水を溜めることが出来る容器である。
 とにかく一刻でも早くなんとかしなくては、大変な事になってしまう。
 部屋の壁の陳列棚に、洋酒のボトルが何本か飾ってある。そのすぐ下の棚にアフリカかどこかの民芸品らしい木の彫り物が置いてある。その棚のいちばん下が観音開きの物入れになっている。
 亜矢子は左手で強く股間を押さえながら、右手でその扉を開けてみた。そこには、何本かの洋酒のボトルが入っていた。よく見ると、1本だけ中身の入っていないカラのボトルがあった。有名なスコッチウイスキーの12年物の透明なガラスのボトルである。
 「あっ」と小さな声で言ったと同時に亜矢子はそのボトルを手にとった。これにするしかない。
 と、その瞬間、限界まで亜矢子の膀胱を押し広げていた尿が、ジュッと少しだけあふれてしまった。
 とっさに全神経を尿道口に集中してなんとか決壊を防ぐことはできたが、もう我慢の限界であった。
「ああっ、もうだめだー、おしっこ出ちゃうー」

「おっ、お嬢さんついに宝物を発見しましたな。さあ、問題はその宝物をどうやって使うかや」
「はい、どのようになさいますかねえ。あのボトルの小さい口の中に直接小水を入れるとゆうのは女性にはまず不可能でしょうから」
 書斎の二人は実に楽しそうである。

 少しだけ漏れてしまって濡れた下着を慌てて脱ぎ捨てると、亜矢子はテーブルの上のコーヒーカップをつかんで股間にあてた。とにかくもう我慢の限界に達してあふれ出てきた尿と、洋酒のボトルの小さな口では絶対無理だとの瞬間的な判断が、亜矢子にそうさせたのだった。
 ひざまずいた格好で股間にコーヒーカップをあてた亜矢子は、前かがみになって自分の股間を覗き込むようにカップの位置を確認すると同時に尿道の筋肉を緩めた。あまりに我慢をしていたせいか、尿道口を緩めたつもりだがオシッコがすぐには出てこない。3秒ほどたってからやっと出てきた。
 ジョロジョロっとオシッコが出て、亜矢子は長い苦痛からやっと解放されたと思ったのも束の間、2秒後にはコーヒーカップがいっぱいになってしまった。
「いやーん」
 亜矢子は必死に尿道の筋肉を締めたが、尿道口からしたたる尿はすぐには止まらず、カップからは少量の尿が絨毯の上にこぼれ落ちる。
 とりあえず一旦オシッコを止めるには止めたが、このまま止めておくのはもう不可能だった。
 ひとたび堰を切ってしまった尿意は、以前にもまして亜矢子の膀胱のなかで出口を攻め続ける。
「ああ、おねがい、なんとかして」
 左手で股間を思いっきり押さえてなんとか尿意に耐えている亜矢子。
 亜矢子は、さっきのウイスキーのボトルをつかむと栓をはずして、コーヒーカップいっぱいにたまったレモン色の液体をその中に注ごうとした。案の定、コーヒーカップから口のせまいボトルへ上手く注げるわけもなく、また亜矢子が相当アセッテいたせいもあって、カップの中の1/4くらいのオシッコがこぼれてしまった。
「いやっ、こぼれちゃったー」
 左手が自分のオシッコでビチョビチョになってしまったが、今はそれどころではない。次のダムの決壊が、もうそこまでやって来ているのだ。
 再びカップを股間にあてると同時にシュッとオシッコがほとばしった。一瞬の解放感であったが、1秒後にはまたカップがいっぱいになってしまった。無理やり止められたオシッコは、ものすごい勢いで亜矢子の膀胱の中を暴れまくっている。今度はこぼさないようにカップからボトルにオシッコを注いだが、やはり少しこぼれて絨毯をよごしてしまった。

 結局、亜矢子はカップ6杯分のオシッコをして、そのうち5杯分がボトルの中に収まって(随分絨毯にこぼれたが)ボトルに収まりきれなかった分が、テーブルの上のコーヒーカップの中に入っている。奇麗なレモン色だ。

 尿意の苦痛からやっと解放された亜矢子は、大きな安堵のため息をついた。
 バッグからポケットティッシュを取り出すと、びしょびしょになった自分の左手や、股間、ボトル、そして汚してしまった絨毯を丁寧に拭いた。その後、床に放り投げられている白いパンティーを摘みあげた。さっき少し漏らしてしまった尿でやはりびしょびしょである。再び身に付けることをあきらめて、そっと屑篭の中に入れた。その上に今オシッコを拭いたティッシュをのせて自分の下着が隠れるようにした。
 亜矢子は、自分のオシッコでいっぱいになったボトルを手にとってながめる。とても奇麗な黄色の液体だ。瓶はあたたかい。
 オシッコの入ったボトルに蓋をして元の棚に戻して扉を閉めると、ドアをノックする音がして使用人が入ってきた。

「失礼します。大変お待たせしてしまい、誠に申し訳ございません」

-おしまい-

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