二人の軌跡 3(ひとりエッチ)




《〜翔太〜》
 あの日を境にミカは「おしがま」とか「お漏らし」というようなキーワードが、何かとてもエッチで秘密めいたものに感じられるようになっていったようだ。
エッチをしている時に感じた尿意に困惑していた事が、オレの告白で現実のものとなり、自分自信も「それもいいかも!!」と、それらを実体験したことで、特別な快感があることを知ったようだ。
 ただ普段の女の子同士の会話の中で、初体験やエッチの内容を報告しあうことはあっても、おしっこや一人エッチについては誰もが話題にしないから、ミカもおそらくはひとりで思いめぐらしていたのでは思う。
あるいはオレとのおしがまエッチが気持ちいいという事、それ自体が正常なのか異常なのかと、内心悩んでいたかも知れない。
 オレもそれは同じで、男同士のエロ話は日常茶飯事であっても、情報と言うのはせいぜいエロ小説なんかの描写で見た程度で、まだパソコンでググったりすることをしていなかった。
 ただ、ヌード写真を眺めている所を友達に見つかっても「へへ・・」で済まされるが、おしっこ関係の方は、出来れば見られたくない分野であった。
またアダルトビデオなんかでたまに見かけるおしっこの場面も、衝撃的ではあったがオレの好みからは遠くかけ離れたものであり、ミカとのおしがまエッチのような、甘く切ない感覚からは違和感を感じてしまうものだった。
 そんなある日・・
「ねえ、翔ちゃん。私とエッチしてる時のあれだけどぉ〜」
 と、ミカが突然話しかけてきた。
「え、あれって何だよ〜?」
「う〜ん、意地悪!決まってるじゃない〜」
「ああ、うん、あれね。・・・そんで、あれがどうかした?」
 ミカはおしがまエッチのことを聞きたがっていると思ったが
「あのさぁ・・翔ちゃんは前に付き合った女の子とも・・あんなことしてたの?」
 オレには衝撃的な質問だった。
「よせよ!ミカだけだよ!いや、実際ミカにだって切り出しにくかったんだぜ!」
 オレは少し焦ったが、実際にミカ以外の女性とあんな事はしていない。
自信を持ってそう答えると
「ふ〜ん、ま、じゃあ一応は信じるとして・・・」
 ミカは半信半疑のようだ。
「でもさ・・あれって他の子もそうなのかなぁ・・?って言うかね、普通みんなあんなことするのかなぁ〜って思ったの・・。」
 ミカが疑問に思うのも無理は無い。オレだって実態など知らないのだから。
「男の人同士っでさ、そんな話は出ないの?」
「いやぁ〜実はさぁ〜、そっち系はホント話に出ないんだよね〜。意外とタブーなことかもしれないって思うし、俺自身も自分が異常とは言わないけど、特殊なのかな?って心配な気もするんだよ。モチロン恥ずかしくて言えないってのが本音だけどな・・」
 ミカに核心を突かれたオレはそう答えるしかなかった。
「ふ〜ん。私もあんなこと誰にも言えないし・・聞けないじゃん。だからほかの子でもそういうの・・経験してるのかなってさ・・、自分を特殊って思うのも心配って言うかさ・・・」
「そうだよな。オレだってミカに「変態!!」とか言われたらどうしよう?って思ったものな・・。誰かに打ち明けるわけにもいかないしさ・・」
「あ〜!まさか誰かに言ってないでしょうねぇ!?もしそんなことしたら、死んじゃうんだからね〜わたし!!」
 ミカはまるでオレがもう誰かに言いふらしてしまったのではと言わんばかりに責め立ててきた。
オレは誰にも言ってないし言えるわけないと、何度もそう言ってミカをなだめていた。
 すったもんだのやりとりが落ち着いたとき、オレは思い切ってミカに聞いた。
「あのさぁ〜、ミカって・・一人エッチするの?」
 ふたりしておしがまエッチの秘密を約束したついでに、ここまで話したんだから聞いても良いかな?と思い、ある思惑も兼ねて聞いてみたのだが
「え〜?するわけ無いじゃん!」
 およその女の子がそう応えるであろう返事が返ってきた。
「ホントにぃ?だいたい女の子はしててもしないって言うんだって聞いたぞ。」
「あ〜!失礼なあ!!私は本当にしたこと無いよ。そりゃオッパイがムズムズしてちょこっと触ったとか、ん〜、中学の頃そう言うのあるって友達に教えられてさ、ちょっと触って見ようかなって思ったことはあったけどさ・・何か違うのかなぁ〜って思ってたし・・・」
「そうなんだ!まあ・・男は100パーセントしてるけどな!」
「へえ、翔ちゃんもしてる?」
「え?俺はしない・・・ウソウソ!毎晩ミカを思い出してしてるよ!」
「あ!それこそウソだあ!?私じゃなくてエッチなビデオとかでしょ?!」
「ははは前まではね。でも今は・・ミカのお漏らしを思い出してさ、それをオカズにしてるんだなぁ〜これが!」
「ばぁ〜か!変なこと思い出しちゃやだぁ〜」
 オレの直接的な表現に、ミカは少し顔を赤くして恥ずかしそうにオレの肩をつついた。
「でもさミカ、女の子も一人エッチした方が良いみたいだよ。」
 オレは想いを込めてそう言ってやると
「え〜?何でぇ?私は翔ちゃんとのエッチでいいも〜ん!!」
 と、かわいいことを言ってくれる。
「でもね、一人エッチするとイキ方とか感じ方がよくなるって言うぜ。」
「いいよぉそんなの。そんなことしなくてもさ、翔ちゃんで十分感じてるもん!」
 ミカはほんとにかわいい!
なんだかんだとそんな事を繰り返し、やがてこの話題は終わらせたが、オレはミカに一つだけ聞かずにいたことがあった。
それはミカだってエッチしたくなることがあるだろうという事だ。
特にデートできない日が続いたり、オレのバイク趣味のせいで独りぼっちにさせられた週末などは、逢いたくて、抱きしめてほしくて、ムズムズすることがあるだろう。
そのことについて、オレはあえてミカに聞かずにいた。
いや、あえて口にしないことで、オレはある種の期待に賭けたといえる。

 山に雪の便りが届けられる季節になると、オレは一段と忙しくなる。
モーグルスキーの大会に備えて、休みの日は殆どスキーに行ってしまうからだ。
ミカミカを連れて行けることはめったにない。
 12月の第1週、今年は雪が早く降り、オレは早くも仲間と一緒に山へ行きはじめ、ミカを置いてきぼりにしていた。

《〜ミカ〜》
 翔ちゃんがスキーに行っちゃって、私はまたひとりぼっち・・。
本当はクリスマスのプレゼントとか、一緒に探したりしたいのに・・
 この日も深夜テレビはつまらない番組ばかりだったので、わたしは読みかけの小説を読んで寝ることにしました。
今読んでいる小説はチョット大人向けの恋愛小説で、そこに出てくる男女の機微や会話が何故か今は羨ましく感じていた私でした。
おまけにちょっとエッチシーンも出てくるからなおさら・・。
(翔ちゃんの意地悪!今度は私が置いてきぼりにしてやるんだから〜!!)
 私は何となくイライラしてそんなことを思っていました。
しばらく本を読んでいたら、私、トイレに行きたくなってきたんです。
食後のコーヒーを飲んで部屋に上がってから、一度もトイレに行ってなかった私。
でもお布団から出るのが寒くて面倒なので、しばらく我慢していました。
小説が一段落するまでは読み続けたかった事もあって・・・。
それで足を交差させたりして、ちょっとモゾモゾしながら読む進んでいくと、ちょうどエッチシーンの描写にさしかかって、おしっこしたい気持ちとエッチな感覚が入り混じってきて・・、私の脳裏に翔ちゃんの
「ミカって一人エッチするの?」
 っていう問いかけがフラッシュバックしてきたんです。
(あ〜、こんな時になんてこと思い出すのぉ〜私のバカバカ!!)
 私はそれを振り払おうとしましたけど、なんとなくモヤモヤした気持ちが振り払えなくて、本を読みながら・・いつの間にか右手がパジャマのズボンの中に伸びていって、無意識のうちにパンツの上からワレメをなぞっていたんです。
本のエッチシーンに触発されてしまったのか、なんかそこが熱く感じられました。
そっとパンツに手を入れてみると
(あ!濡れてる。もうおぉ、小説のせいだよぉ・・)
 指を下の方へずらしていくと、まるでおしっこを漏らしてしまったような感じになっていました。
(私・・、一人エッチなんて絶対にしないんだからぁ〜!!)
 そう思って手を引いたんですけど、・・なぜか自分の意志に反して・・私、またそっとパンツの上からクリちゃんに触れていたんです。(恥)
そこはもう敏感になっていて、戻るに戻れない・・・。
(あふぅ・・翔ちゃんに触ってもらうのとは違うけど、なんかビンビンするぅ!)
 ついついそこをなぞってしまうと、もう止めようがなくなってきて、パンツの上からなのにビリビリと電流が走るよな感じが広がってきます。
ひとりエッチなんかしたくないのに、手が・・指が・・もう止められなくなってしまったんです。
(ひとりエッチしちゃってる〜。あ、あ、あ、翔ちゃ〜ん!翔ちゃ〜んん!!)
 私、頭の中でしきりに翔ちゃんを呼んでいました。
何度やめようと思っても、指が勝手に動いてしまいます。
爪を立てるようにクリちゃんを触ると、パンツの上からなのにすごい刺激になって、その衝撃でおしっこが出そうになって、それをグッと堪えようとすると大きな波が私を包み出していって・・
(あっあっおしっこ漏れそ・・あ・・けど何かヘン!!あっなんか来るぅっ!!)
 おしっこの感覚と、体を走りまわる電流のような刺激が一気に高まってきて、私は高いところから落ちるような錯覚を覚えた瞬間、
(あ、あ、あ〜っおしっこぉ〜っ!)
 パンツ越しの手に暖かいおしっこの感触が広がってきて、私は思わず手を挟んだまま両足に力を込めて、なんとかそれ以上おしっこが出てしまわないようにがんばりました。
「あ〜、やっちゃったぁ〜・・」
 お漏らしした現実が気持ちよさを上回って、私はすぐに我に返っていました。
(あ〜あ、どうしよう・・ママにパンツ見つけられたら・・恥ずかしいよぉ・・)
 いつも洗濯はお母さん任せにしていたので、私はこのとき本当に困っていました。
(あ、そうだ!もう一回お風呂に入ってこっそり洗ちゃおっ!)
 私はそう思って、おしっこで濡れて冷たくなったパンツを穿いたまま、音を立てないようにそ〜っと階段を降りてバスルームに向かいました。
「美香ぁ〜どうしたの?こんな時間に?」
 リビングからまだ起きていたママの声がしてドッキリっ!
私は体が冷えらからもう一度お風呂で温まるんだと言って、そそくさと脱衣室のドアを開け、パジャマを脱いでパンツは穿いたままバスルームの扉を開けました。
母親が使ったすぐ後だったようで、お風呂はまだ少し温かかったんですけど、足下は冷たく湿っていて、私は思わずブルブルっとふるえてしまいました。
そしたらまたおしっこがしたくてたまらなくなります。
さっきお漏らししたおしっこはわずかだから、まだおなかの中には相当残っていたんだと思います。
それを意識してしまうと、もうすぐにでも漏れそうになってしまって・・。
(あ〜やばいよぉ!おしっこ・・またおしっこ出ちゃう〜!)
 私は浴室の中で突っ立ったまま、両手をおまたの中に入れていました。
その時、なぜか翔ちゃんの顔が目の前に浮かんできたんです。
(もうおっ翔ちゃんのバカッ!ひとりエッチなんかしないんだからぁ!!)
 頭の中ではそう思っているのに、手で押さえている部分はまた熱くなってきています。
私はバススツールに腰掛けて壁に背中を預けると、無意識のうちにパンツの中に指を入れて、直接ワレメを触っていました。
(ああ、私、変になってる・・さっきしたのに・・またしたくなってるよぉ!!)
 翔ちゃんに ひとりエッチなんてしないと断言したのに、すごくおしっこがしたい感覚に襲われて、ムズムズしている部分をどうしても触りたくなってしまっていました。
クリちゃんの辺りがジンジンしているんです。
 もう私はひとりで暴走しています。
私の右手はパンツの中でクリちゃんをさぐり当て、直接触っていました。
「あうっ!」
 思わず声が出てしまい、あわてて左手で口を覆う私・・。
(ああ〜〜なんか凄い!一人エッチってこれなの?あ〜おしっこもしたいぃっ!)
 私はもう夢中になっていました。
翔ちゃんにされているのとはちがって、今は自分でコントロールしながら触っています。
それが気持ちよくて、指の動きを止められません。
おしっこがすぐにでも吹き出しそうになっていても、それをグッと堪えて気持ちを高ぶらせている私・・。
(あふぅ漏れそう・・いいよぅ翔ちゃ〜ん、ミカ・・もうおしっこしていいっ?)
 頭の中で翔ちゃんに呼びかけ、それが声になって出そうになるのを必死で堪えながら、私はだんだんと昇りつめていきました。
指を動かすたびに、チョロ・・チョロ・・と、熱いおしっこがこぼれていきます。
(あん、うん、もうおしっこ出ちゃう〜っ・・翔ちゃ〜ん、イッちゃうよぉっ!)
 少し声になりかかったその瞬間、私の手にジュバ〜とおしっこが染み出してきて、それはすぐに凄い勢いであふれ出して、私の指にまとわりつきながらパンツの生地を突き抜けて、お風呂の床にビチャビチャと音を立ててこぼれ落ちていきました。
(あ〜あやっちゃったぁ・・あたたか〜い!!)
 私は放心状態になっていて、体が冷え切って寒気が襲ってくるまでの間、かなりの時間そのままの恰好でボ〜ッとしていました。
(あ〜あ、一人エッチだけじゃなくて、一人お漏らしまでしちゃったぁ〜・・)
 そう思うと恥ずかしくて翔ちゃんには言えないなって思っていた私。
だって言ってしまったら、きっと翔ちゃんは
「ひとりエッチしてるとこ見せて!!」
 なんて・・絶対にそう言うと思います。
(でも・・おしっこ我慢しながらすると・・あんなになっちゃうんだぁ・・・)
 手洗いしたパンツをお部屋のハンガーにつるした後、お布団に潜り込んだ私は、またあの感触を思い出してしまいます。
(凄かったぁ。翔ちゃんにしてもらうのもいいけど・・、おしっこ我慢しながらだと、自分でしてもあんなになっちゃうんだぁ・・・。なんかヤバいかなぁ〜〜?翔ちゃんに会えないときは・・またやっちゃうのかなぁ〜?・・でも、しかたないよね!!だって私を置いてきぼりにする翔ちゃんが悪いんだもん!!)
 初めて体験した衝撃的な出来事の余韻から、私は覚めていなかったんだと思います。
お布団の中で目をつぶっても、すぐにまた頭の中はさっきのことで一杯になっていました。
(でも・・何だか癖になっちゃうような・・・だってさ・・私だってエッチしたいなって思う時があるんだもん!!翔太のばかやろ〜っ!)
会えない寂しさもあって、私はそんなことを考えていました。



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