二人の軌跡 1(カミングアウト)




《〜ミカ〜》
 私、大石美香といいます。
国立の実家から働きに行っている甘えん坊・・です。
 私が短大2年の時、学際の実行委員から突然頼まれて、飛び入りで当時人気があったモーニング娘。のユニットのミニモニ。を演ってくれって頼まれたことがありました。
他のメンバーはご存じの由衣ちゃん、真理ちゃん、希美ちゃん。
彼女たちは身長が145センチほどで、私はちょっと大きめの153だったんですけど、きっと学内では最も小さい4人だったんでしょうね。
 私は彼女たちとはクラスが違っていたので、ほとんど話をしたこともなかったんですけど、なぜか男勝りな真理ちゃんのペースに乗せられて、断り切れずに実行することになってしまいまい、恥ずかしかったけどけっこう反響がありました。
 それをきっかけに私は由衣ちゃんたちと親しくなっていったんですけど、履修コースが違っていたので、いつもすれ違い。
卒業して国立の実家に帰ってからはまったく会う機会がなくなって、甲府にいる真理っぺと時々メールするぐらいになっていました。
 22歳の夏、私は希美ちゃんの結婚披露パーティーの招待状を受け取ってビックリしました。
だって一番幼く見えていたのんちゃんが結婚なんて!!
 披露宴は都合で出られなかったけど、二次会には参加しました。
そこで由衣ちゃんまで入籍してるって聞かされてまたビックリ!!
「幼い順に結婚なのっ!?」
 って私が驚いていると、
「そのセリフ、オイラがもう何度も言ってるよ。」
 と、真理っぺが得意げな顔で言ってみんなを笑わせていました。
のんちゃんはもちろん、久しぶりに会った由衣も真理も香織も、そして当時の仲間たちも、みんなずいぶん大人になっているんだなって思い、少し寂しいような、そして励まされるような、そんな時間を過ごしていました。
(それぞれの出航1、参照)
 その帰り、私は新宿駅の中央線階段で転びました。
少しアルコールが残っていたのか、慣れないヒールが階段の滑り止めに引っかかって、前を降りていた男の人を突き飛ばすようにして転げ落ちたんです。
その男の人がクッションになってくれて、私は全くの無傷。
でも彼は数カ所にすり傷を作ってしまいました。
一生懸命謝っている私に、
「気にしなくていいから!」
 彼はそう言い残して、ちょっと足を引きずりながら去ってしまいました。
私は申し訳なくて、その場所にヒザ立ちしたままの恰好で、ずっと後ろ姿を見送っていました。
 年が明けた2月、新宿駅で電車を待っていた私の前を、見覚えがある男の人が横切りました。
そう、あのときの階段の彼でした。
「あ、あのっ!」
 追いかけるようにしてその人の前に立ちはだかる私。
キョトンとした坊ちゃん顔のその人に、私は夏の階段での出来事を告げると、彼はすぐに思い出してくれて、細い目を更に細くしながら笑ってくれました。
 その男の人が遠藤翔太さん。通称「翔ちゃん!」
私よりも6歳年上の人でした。
そうなんです。
この出会いをきっかけに、私、この翔ちゃんにのめり込んでいったんです。

《〜翔太〜》
 おかしな出会いで知り合ったミカは、歳よりも幼く見える甘えん坊だ。
つきあいだして5ヶ月が過ぎようとしていた梅雨明けのある日、ミカはオレの肘を両手でつかんで、前後に大きく揺すりながらいつものように甘えた声でおねだりしてきた。
「ねえ、今度の休みはドライブに連れてってよ〜!」
 バイク乗りのオレは、5月の連休もミカを残して西へ走っていた。
疲れ切って帰ってきたために、ミカのことなどお構いなしになっていたのは事実であったが、バイクは男のロマンだから一人旅をするものだと心に決めていたので、これまでからミカを誘ったことはなかった。
「翔ちゃんいつもバイクで出掛けちゃうし、私一人ぼっちだったんだぞ〜!」
 口をとがらせて言うミカが愛おしい。
「そうだなぁ〜、いっちょう山形まで遠出してサクランボ狩りにでも行くか!」
 確かにオレはこれまでミカに優しくなかったかも知れない。
そう思って、バイクではなくて四輪ドライブする事を言ってやると
「やったぁ〜!佐藤錦が美味しいもんねぇ〜!でさ、泊まり?日帰り?あ〜ん私は泊まりがいいなぁ〜」
 ミカはもう明日にでも出発するかのように喜んでいる。
「そうだな。じゃ温泉にでも泊まるか?」
 そう言って頭を撫でてあげると、ミカはすぐにゴロニャンとオレの胸に頭をもたせかけてきた。
その嬉しそうな顔を見ながら、オレはこのとき頭の中である重大な決心と言うか計画を立てていた。

 翌週の土曜日、前の夜からオレのアパートに泊まり込んでいたミカを乗せ、オレたちは朝早くに出発した。
あいにくの蒸し暑い曇り空ではあったが、エアコンを効かせた車内は快適な温度で、流れるBGMが二人の会話を邪魔することは無かった。
 東北道〜一般国道を走り、かなりの時間を費やして山形県に入り、無事にサクランボも食べ、まだ午後3時過ぎではあったが温泉街に移動し、今日の宿を探そうと言ったオレに
「え〜!!予約してないのぉ?大丈夫なのぉ?」
 と心配するミカ。
「大丈夫だと思うよ。こんな中途半端な季節ならたいてい空きはあるものさ。」
 オレはバイクのひとり旅で、飛び入り客の方が価格交渉もしやすいことを重々知っていた。
「部屋食で一杯やりながらゆっくりしたい気分だから、旅館でいいよな?」
 オレはそう言って1軒の大きな門構えの旅館を指差した。
「うん!それ賛成!♪浴衣の君〜は〜、色っぽいね♪って感じいいねぇ〜!」
 ミカはご機嫌な顔をして、後は任せた!みたいなことを言っていた。
そのまま車を門前に停めて、オレは一人で旅館に入り交渉すると、思ったとおり良い条件で部屋を取ることが出来た。
ミカに1割引でいい部屋が取れたと伝えたオレ。
本当は料金表を見ていないから何とも言えないのだが、ここは男の面子である。
「わ〜い!これこれ!翔ちゃんさすがぁ〜良い仕事しますねぇ!」
 個室露天風呂付きの離れ部屋に通されたミカは、飛び上がるようにして喜んでいる。
オレは少々財布の中が気になったが、こんなに喜ぶ顔を見てしまうと、いざとなったらカード払いでもいっか〜、と腹をくくっていた。
 さっそく露天風呂に入ってみる。
二人で入っても余裕な湯船に浸かると、ミカは運転で凝ったオレの肩をもんでくれた。
お返しにオレもミカの足をマッサージしていると、ついつい手が余計な所にまで伸びてしまう。
「あ〜ん、声でちゃうよ〜」
 ミカがトロンとした目でオレを見上げた。
「大丈夫だよ、ここは離れだし、それにまだ夜じゃないし。」
 夜じゃないって全然理由になっていないが、何故か説得感だけはあったようで、ミカは完全にオレのなすがままになっていた。
お湯の中でミカの一番敏感な部分をスリスリし、完全に脱力させてしまってから、オレはおもむろに湯から上がると、濡れたままの体で部屋に入り、冷蔵庫から冷えた缶ビールを2本取り出して、
「ねえ、夕食までかなり時間あるからさ、ここでのんびりやろうよ!」
 そう言って、缶ビールのタブをプシュっと開けてミカに手渡した。
「そだね、それもいいかも〜!」
 まだ脱力したままのミカだが、この雰囲気に呑まれているからか、普段はそんなに飲めないのに、おいしそうに口をつけていた。  そうしてお湯に浸かったり、湯船の縁に腰掛けたりしながらゆっくりビールを飲み、他愛も無い話を続けて30分ほどが過ぎた頃 「ねえ、ちょっと待ってて!」
 突然ミカがそう言って露天風呂を出ようとした。
「え?せっかくいい気分なのに、どうしたんだよ?」
 オレはミカをなじるような口調でそう言った。
「あ、あのね、私ちょっと・・おトイレ行きたいのぉ!」
「えー、今からトイレェ!?」
「だって翔ちゃんは途中で行ったけど、私、朝からおトイレ行ってないのよ〜」
 ミカはそう言ってお湯の中で立ったままモジモジしだした。
確かにオレはミカが一度もトイレに行っていない事を認識していた。
「わかった。じゃぁさ、俺・・ミカにお願いがあるんだ!」
「え〜、何?何?早く言ってよ。私おトイレ行きたい〜!」
「うん、絶対に聞いてくれる?」
「え〜、絶対にってどう言うこと?変なこと?」
「うん、変と言えば変かも・・、だけど変じゃないと思うんだ!」
「だから〜、何?よっぽどじゃなきゃ聞いてあげるから、早く言ってよ!」
 かなり我慢の限界に近いのか、ミカは哀願しだした。
「うん、じゃあ言うね。あのね。そのね。え〜と・・・」
「ああん!もう早くぅ〜」
 ミカが足踏みをし出したので、バシャバシャとお湯が跳ねる。
「うん、実は・・・ミカがおしっこしてる所・・見たいな〜なんて・・」
 これだけ言うのに、オレはああでもないこうでもないと、話を遠回しにして5分以上経ったように思う。
「え〜〜???おしっこ〜〜〜?見たい〜〜いっ????」
「わわわ、大きな声出すなよ!」
「え〜、だってさっきは声だしても聞こえないとか言ってたじゃん!」
「そ、そ、そうだけどぉ・・」
 つじつまが合わなくなったオレは少し焦った。
「何でそんなの見たいのぉ?」
 モジモジしながらもミカは聞いてくる。
それは頭ごなしに嫌がっているようには感じられなかった。
「う〜ん話せば長いんだけど、簡単に言えばその・・興味と好きなのと両方!!」
 訳の分からない事を口走るオレ。
「え〜、恥ずかしいよぉ。だって見せるものじゃないしぃぃ!」
「ね、ね、お願い!」
 すったもんだの挙句、ミカはもう限界だからと言って、渋々見せてくれる気になってくれた。
「じゃ、おトイレまで抱っこして連れてって!私もう動けないよ〜!」
 確かにミカはもう我慢の限界なのかも知れない。
オレの前に立っているのに、両手はしっかりとおまたの間に入れられていた。
「え〜?抱っこ?体も拭いてないし 畳を濡らしちゃうよ。」
 さっきオレは濡れた体のまま缶ビールを取りに行っていたが・・。
「え〜、だってぇ・・」
 ミカは甘えたような声でオレを見上げる。
「そうだ!お風呂だからここでしちゃえば!?」
 オレは期待で心臓がバクバクしていたが、必死に冷静さを装った口調でミカにそう言った。
「え〜、ここで〜?無理無理!そんなことぜった〜い・・あ、でも・あ、あっ」
 体をゆすって嫌がっていたミカの言葉が、なにかうわごとのようになったかと思うと、突然湯船から飛び出して石を敷き詰めた洗い場にしゃがみこんだ。
「あ〜っだめえっ!!」
 そう言ったとたん、シューと音を響かせるミカ。
俺は思わずミカの前に回り込んで腰を落としていた。
「あん!そんなに近寄るなぁ〜!」
片手でオレの顔をさえぎろうとするミカ。
「だって、近寄らなきゃ見えないじゃん!」
 その手を払いのけるようにして覗き込むオレ・・。
「やだもうおぉ・・ああん、止まらないよぉ・・」
 ずっと我慢していたうえにビールの利尿作用が加わったからなのか、それは長い長いおしっこだった。
 やがてそのおしっこが終わると、風呂桶に湯をすくい何度も何度も流しながら
「これでいいんだよね?これで終わりでいいんだよね?」
 恥ずかしいところを見られたと言うことに興奮したのか、それとも自分自身で気付かない何かに目覚めたせいなのか、ミカは元気いっぱいに上を向いているオレの分身を見つめながら、なんというか・・トロンとしたような目を見せた。
 オレは思わずミカのワレメに手を伸ばす。
そこはおしっことは違う濡れ方をしている・・とオレは確信した。
「変なの、おしっこ見たいなんて・・」
 ミカはオレの手を押さえながらそうつぶやく。それは決して嫌がっている様子ではなかった。
「え〜、そうかなぁ・・?」
 オレはあえてとぼけたような口調でさらに言った。
「女は男の立ちション見れるけど、男は女の子のこと見れないじゃん?」
 ミカはそんなの知らないよと言いながら、それでも動こうとはしない。
「ああん、汚いよぉ〜そこ・・あ〜、指を舐めちゃダメェ!!」
 ミカを触っていた指を口に持って行くと、彼女はあわてていた。
「大丈夫、ミカのなら汚くなんてないよ。ちょっとしょっぱいけど・・」
「ああん、ばかぁ・・そんなこと言うなぁ・・あ、あ、あ、また・・」
 再び指をはわせていったことで、ミカはお風呂の淵で雲の上を歩くような感覚に墜ちていったようだ。
(もう2度目じゃん!!)
 オレはミカのおしっこ姿を拝ませてもらった事で大満足していた。

《〜ミカ〜》
 翔ちゃんが「おしっこしてるとこ見せて!!」って言ったとき、私はほんとにビックリしました。
だって、女の子同士でも見られたことなんかないのに、それを大好きな翔ちゃんに見せるなんて・・。
 私、普段はそんなに恥ずかしがり屋ではないつもりでしたけど、翔ちゃんといる時はなぜか恥ずかしがりになっていました。
 この日も朝早くから出かけていて、お昼に寄ったドライブインではトイレに行く雰囲気になれなくて、サクランボ狩りをした農園のトイレは古くて狭くて使いづらそうで、翔ちゃんは行ったけど、私は行きにくくてずっと我慢してました。
だから泊まるところが決まってないって言われたときは、すごく不安になっていたんです。
 お部屋に通されたとき、ほんとはすぐにトイレに行きたかったんですけど、翔ちゃんが得意げな顔してたので行きそびれていました。
そのまま露天風呂に入っちゃって、いたずらされてると、もう少しでお湯の中でお漏らししてしまいそうで・・、でも気持ちよかったです。
 ビールを飲んでおなかが少し冷えてきたからでしょうけど、もう我慢が出来なくなった私はおトイレに行こうと思ったんです。 そしたら翔ちゃんがあんな事を・・・。
恥ずかしくて困りましたけど、もうおしっこがしたくてたまらなくなっていたので、恥ずかしいけど了解しちゃったんです。
けど・・その時にはもう動けないくらいにまでなっていて、だけどお風呂でするのはどうしてもイヤだって押し問答していたらチョロって出てきちゃって・・もう無我夢中で洗い場にしゃがんでしまったんです。
まさか・・翔ちゃんが真正面から見るなんて・・ずっと我慢してたから、おしっこはなかなか止まらなくて・・もう顔から火が出るぐらい恥ずかしかったです。
 けど・・なんていうのかな・・、恥ずかしくてたまらないはずなのに、なぜか翔ちゃんに見られたことが・・その・・、うれしかったような、そんな気持ちもあった事は確かです。
おしっこが終わって、おなかはスッキリしたのに体は熱くなっていく・・。
私のおしっこは汚くなんかない!って翔ちゃんが言ってくれたとき、私、そのことがとてもうれしく感じました。
私ってひょっとたら・・翔ちゃんに調教されてる・・?

《〜翔太〜》
 露天風呂から上がると、オレは帳場に電話して夕食時にワインを頼んだ。
さきの部屋交渉の時に、食事内容は美味しものだけを厳選して欲しいと伝えてあったので、量より質の豪華版。
やがて二人きりの静かな食事の時間が始まった。
ミカはオレのうまい交渉ぶりが好きだと言う。
オレはそれほどでもないと返しながら、内心ほくそ笑んでいた。
 ワインを開け、米沢牛の炙り焼きに火を通す頃になると、ミカが聞いてきた。
「ねえ、あのね、さっきおしっこ見せてくれっていったじゃない・・」
 オレは何を聞かれるのかと一瞬たじろいだが、平静を装う。
「その・・私も見せちゃったけど、なんでそんなのに・・興味あるの?」
 やはり予想通りの質問をしてきたミカ。
「う〜ん、自分でも説明が難しいんだよ。SMの世界でもないし・・」
「ぎゃ〜SMって・・私そんなのいやだよぉ〜っ!!」
「いやいや、だからそんなのじゃないって!!」
「・・ならいいんだけどさぁ・・」
 オレはミカに対して、ありったけの表現を使って説明した。
ミカのすべてが好きで、すべてを愛したくて、ミカの気持ちを大事にしながら自分自身も高めていきたい・・と。
「ふ〜ん、翔ちゃんに言われるとエッチも高尚なものに聞こえちゃうね〜」
 やっとミカが笑いながらそう言った。
「いやあ、理解と合意、それにお互いの気持ちが無い愛なんてダメだしさ。」
「あ、それ判る〜。心が満たされないとただの獣だもんね!」
「ん!?俺の本性は獣ですけど!!」
 オレはそう言いながらミカの浴衣の袂へ手を入れる真似をした。
「あれ〜、お殿様ぁ〜そんなご無体を・・・・」
 ミカはおどけるマネをしながら体をゆらしていた。
2本目のワインを注ぐと話は再びおしっこの話題になった。
オレは何故興味があるのか、好きなのかを、いろいろな例を挙げて説明した。
すると、ミカもポツリポツリと話し始めた。
「あのね、実は私も翔ちゃんにエッチされてる時にね・・」
 なんだ!なにを言おうとしてるんだ!?
オレの期待感が一気に爆発しそうになった。
「あの・・気持よくておしっこ出そうになる時あるの・・。」
「え!!」
「それは・・おしっこが溜まってないときでも・・だよ。」
「うん。うん。」
「クリちゃん長くされるとホントに出ちゃいそうな時があるんだよ。」
「そういうときは出しちゃっていいんだよ!」
「やだあ、漏れちゃった困るじゃん。恥ずかしいし・・でもね・・」
「ん・・」
「我慢してるとさ・・それがチョット気持ちいい時も・・あるの、キャッ!」
 ミカはそう言って恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
「え、マジにぃ!それって俺が大好きなシチュエーションなんっすけどぉ〜!」
 俺は思わずテーブルに身を乗り出すようにしてミカに言った。
「そ・・そうなの?・・でもさ、翔ちゃんがおしっこ好きなんて知らなかったしさ、その・・いま説明を受けてさ、おしっこと気持ちいいのが同時進行してもいいんだってこと分かったけどさ、おしっこしたくなるのがいつもってわけでも無かったからさ、それにそうなったのはごく最近からだし・・・」
 ミカは思い詰めていたモノをはき出すかのように、一気にしゃべり続けた。
「それならその時、おしっこ出そうって言ってくれたら良かったのに!」
 オレがそう振ると
「言える訳ないじゃん!女の子にはマジ恥ずかし事なんだぞ〜!」
 ミカは笑いながらそう言ってワインを口に運んだ。
「そりゃまあそうだよね。う〜ん、もっと早く気づく方法は無かったかなあ?」
 残念そうに俺が言うとミカはさらに続けた。
「だからね、さっきおしっこ見せてって言われて・・しちゃったじゃない?あの時ほんとにもう我慢が限界でさ、どうしようもなくってしちゃったけど・・あのね・・出てる時に何だか感じちゃた・・・きゃはっ!!」
 ミカはうつむき加減ではにかんでいた。
「おおお!それは素晴らしい!貴方は女神様だぁ〜!!」
「なにをバカなこと言ってんの!もう!真面目に聞きなさい!!でね、聞きたいんだけどさあ、やっぱ気持ちいいのと・・おしっこ出ちゃうのが両立するのは変なんじゃないの?」
「んなぁこたぁないよ。ミカがその気持ちいい結果として出ちゃったのならさ、それはそれですごく素敵なことだと思うよ!」  オレは自信を持ってそう言ったが、自制心が働くから出ないんじゃないかなとミカは言う。
オレは受け止めてあげるから自分を解放しろと、説得するかのように言うと、ミカは布団を汚すからイヤだとか、横になったままでは出ないとか言ってた。
「じゃあ俺がその自制心を解いて進ぜよう・・・早速今晩お手合わせをっ!」
 少しふざけたように言うとミカは
「ばぁ〜か!ここは旅館でしょ!お布団汚したら最悪じゃん!!」
 と、意気込んでいるオレをたしなめるように言ってのけた。
そのままおしっこ談義は続き、勢いで追加したワインを飲み過ぎて、オレは運転疲れも加わってか、いつの間にか睡魔に引きずり込まれていってしまった。

《〜ミカ〜》
 翔ちゃんから延々とおしっこ講釈を聞かされて、私、なんとなく理解できるようになった・・つもりです。
これまでにも何度かおしっこしたい時にエッチになった事があって、もちろんその時は必死に我慢してたけれど、トイレに行ったあとのエッチでも何度かおしっこが漏れそうに感じたことがあって、どうしようかって悩んでいた矢先の事だったんです。
(ふ〜ん、おしっことエッチなことの同時進行かあ・・・)
 私の膝枕でグッスリ眠っている翔ちゃんをそっと移動させ、軽くお布団を掛けてあげてから、わたしはひとりで縁側に出ました。
  山間のひんやりとした空気が、お酒でほてったほほに気持ちよくて、私は浴衣のひもをほどくと全裸になり、そっと露天風呂に体を沈めていきました。
 じつは・・食事の途中からおしっこしたいって思っていたんですけど、話に花が咲いていたのでずっと我慢していたんです。
そのままトイレに行けばいいんですけど、私、ちょっといけない事を思い浮かべていて、そのままお湯に浸かっちゃいました。
 お湯の水圧に耐えながらギリギリまでおしっこを我慢して、そしてお湯から出ると、石畳の脇にあるスノコの上にそっと寝そべって、ゆっくりと下腹部を解放してみようと思いました。
翔ちゃんが言っていたように、横になった状態でおしっこしようと・・。
でも・・やっぱりおしっこは出ません。
力を入れると、おしっこしたいのに出せない・・何かで栓をされたような感じがして苦しいだけでした。
(やっぱり横になってたら出ないよぉ・・)
 そんなことを思いながら、訳もなくきれいな星空を見上げていた私。
梅雨明けの季節でも夜の風は寒いぐらいに涼しくて、お湯から出た体はすぐに冷えてきました。
我慢していたおしっこはもう限界。
少し体を温めようと、私はそばにあった風呂桶にお湯を汲んでそっと下腹部あたりにかけていきました。
(え、あっや〜ん、で出ちゃうぅ!!!)
 その時です。あんなに出るのを拒んでいたおしっこが、急に飛び出そうとしたんです。
お湯の温度に触発されたんでしょうか・・・。
あっと思った瞬間に、おしっこはチョロチョロとあふれ出してきて、おしりの方に伝いだすと、すぐに勢いがついてきて、開いていた足の間からすごい勢いで噴水のように吹き上がり出しました。
シュ〜ってかすれたような音と、石畳に跳ねるビチャビチャっていう音が庭先の垣根あたりまで響き渡って、それがすごく恥ずかしいのに、私、なぜか気持ちよさが押し寄せてきていました。
(え・・、あ・・なにこれ〜ぇ!?)
 おしっこがこんなに気持ちいいなんて・・このとき初めて知ってしまった私がそこにいたんです。



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