華穂 2(ホテルで野ション !!??)




 常に男性からかわいい子、カッコいい子と思われるように振る舞ってきた華穂。
そんな華穂が初めてのエッチで醜態をさらしてしまった事は、彼女にとって大きなリスクになっていたが、それでもやはり男性たちにチヤホヤされるような行動や言動は収まることを知らず、常に目立つ存在になっていた。
 ただあれ以降、男性の前でトイレに行く事への警戒感はこれまで以上に強くなって、相当な苦労も何度か経験しているし、やはりその警戒心が邪魔をしてか、深いおつきあいになる事を避けるようにもなっていた。
 そんな華穂も大学2年生になり、間もなく暑い夏が訪れる頃になって、久しぶりに心惹かれる男性が現れて意気投合した。 何度かデートを繰り返して1ヶ月ほど過ぎたある夜、自然の成り行きでふたりは寄り添うようにしてホテルの門をくぐっていた。
当然そのときも華穂の膀胱はパンパンになっていたが、以前のようにシャワーに紛れておしっこをしてしまう事ができ、ふたりの幸せな時間は過ぎていったが、泊まっていこうと彼に言われた時、朝に起こったのあのトラウマが瞬時に甦って来てしまい、華穂はどうしてもそれには同意出来なくて、親がうるさいと言うことを理由にその場は帰宅していた。
 そんな事を何度か繰り返していると、朝まで一緒にいられないことに彼は不満を募らせていたようで、ある夜、ホテルに入るやいなや彼は華穂を強く抱き寄せてそのままベッドになだれ込んでいった。
その日はビアホールからの流れであったので、華穂はいつもよりも激しい尿意を抱いていて、とても彼を受け入れることなど出来るはずもなく、それとともに、汗をかいている身体に触れられる事も耐えがたい感じがしていた。
 先にシャワーしたいと訴えるが、彼は
「そんなの気にしなくていい。そのままの君でイイから!!」
 と、やや白々しくも聞こえるセリフを吐きながら、荒々しく華穂の身体をまさぐりながら、弾みでめくれあがったワンピースの裾を更に大きくめくりあげ、パンツを脱がそうと手をかけてきた。
 華穂はこの日、パンツラインギリギリのかなりきわどいミニワンピを着ていて。
飲んでいる時に何度も足を組み替えたりして、彼を挑発するような行動を取っていたので、それが彼のこの行動につながったのかも知れないが、たらふくビールを飲んでいて、すでに膀胱がはち切れそうになっている華穂は、またあの時のトラウマが甦ってきて半狂乱のようになり、無意識のうちにありったけの力で彼を突き放し、自分もその勢いでベッドから転げ落ちてしまった。
幸いあのときのようにおしっこは漏れ出してこない。
「わぁ…わたしっ、そういう不潔な事はイヤなのっ!!」
 華穂は急いで立ち上がると息を切らしながらそう叫び、四つんばいになってうろたえている彼の横をすり抜けて部屋を飛び出していった。
おそらく……この彼ともこれっきりになってしまうかもと思われたが、今さら華穂に後戻りは出来ない。

 実は華穂、彼のことを思ってこの日は泊まりでもいいかなと考えていた。
トラウマをぬぐい去っている訳ではないが、うまく振る舞えばそれなりにトイレのことは何とかなるのではと思っていたのだ。
その手始めとして、まずデート中にトイレに立てるかどうかを自分で試してみようと思い、あえてビアホールで飲むことを選んでいた。
 むし暑い外と対照的にほどよく冷房が効いたビアホールは快適で、楽しいおしゃべりとともにビールがすすむ。
当然のようにやがて激しい尿意に襲われ出すが、やはりなかなかトイレに行く事が出来ない華穂。
彼は途中何度かトイレに行っていたが、どうしても「私も!!」の一言が言えないでいた。
しかし時間的にまだホテルに移動するには早すぎて、どう考えてもそれまで我慢出来るはずもない。
自分で自分に課した試練とはいえ、華穂はかなり困惑していた。
 思いついたのが「トイレに行く」でなければいいのだ。
華穂はわざと串カツをだらしなく口にほおばり、唇の周りをソースだらけにして彼にそれを指摘させ、ナプキンで強引に拭き取って
「や〜ん、リップまではがれちゃったぁ。ちょっとお化粧直してくるね!!」
 そう言ってそそくさと席を立つ事が出来たのだ。
結果トイレに行く事に代わりはないが、あくまでもお化粧を直すのが目的だと自分に言い訳が出来る。
 こうして華穂はやや見え透いた形ではあるが彼の前でトイレに行くことが出来た。
それで少し安心してしまったのか、華穂はそれ以後もかなり飲んでいた。
そこを出て、酔い覚ましだとブラブラ歩いている内に、それなりに汗はかいているものの、また次の尿意が襲ってきて、ホテルに着いた頃には膀胱はパンパン状態になっていた。
そんなときに彼が襲いかかってきたのだ。

 彼を突き飛ばしてその勢いで飛び出したまではいいものの、華穂のおしっこはすでに限界を超えてしまっていたので、ひとりホテルの玄関を出たところで激しい排尿感の波に包まれて、思わずその場に立ちすくんでしまう。
そしてそれは自分の意思に関係なく少しパンツの中にジュワ〜っと広がり始めた。
強引な彼から逃れる事が出来て、少し気が緩んでしまったのかも知れない。
 本能的に華穂は身を隠す動作になり、少しずつおしっこを垂らしながら、ホテルの玄関先から壁伝いに脇に入って、敷地境界に隙間なく並べられた背丈ほどの高さの植え込みと、わずか30センチほどの空間しかない壁との間に入り込んで、玄関の方に身体の向きを変えながらその場にしゃがみ込んでいった。
それと同時にシュワシュワシュワと、おしっこがあふれ出してきたが、実はパンツを脱いでいない。
 そこは玄関からわずか2メートルちょっとしか離れていないが、もうそれ以上奥まで移動する余裕はなかった。
幸いなことに茶系統のミニワンピ姿の華穂は、照明が届いていない暗闇にうまく同化し、なおかつしゃがんでいる頭の高さあたりまでは、ブロックが積み上げられているので、身を隠すにはもってこいの状態だったと言える。
 とはいえその植え込みの外側、華穂からわずか数十センチ先は一般道路なので、華穂はできるだけおしっこの出口に力を込めて勢いをセーブしようとした。
そうしなければ音でそれだと丸わかりになってしまう、そんな緊張を強いられる状況下であった。
 それでもビールを飲んで我慢し続けていたおしっこは、いくら華穂が必死で力を込めようとしても、それをあざ笑うかのようにジュイ〜とパンツの中で複雑な音を響かせ、その生地を突き抜けてバシャバシャと土の地面に激しくしぶいてしまって、華穂は生きた心地がしなかった。
(あああ早くおわってぇっ!!)
 それを願うしかない。
そんなとき、少し先の通りから男女の話し声と足音が近づいて来るのを感じた。
とっさに渾身の力を振り絞っておしっこの出口を閉めた華穂。
言いようのない痛みを伴う不快感が下腹部に襲いかかる。
「っ……」
 おもわずそんな声が漏れてしまって、慌てて息を潜めると、その男女は華穂の存在に気づくことなく楽しそうにホテルの玄関に入っていった。
「は……」
 何事もなかったかのように、すぐに周りは静かになる。
そのまま残っているおしっこをしてしまいたいが、今のようにまた人が通りかかって。もし見つかってしまったらと考えると。それ以上そこにいることが恐怖でならなくなり、よろめきながら壁に手をついて立ち上がると、びしょ濡れになったパンツをササッと両足から抜き取って、ティッシュを使う余裕もなしにその場を離れようとした。
 ちょうどその時ホテルの玄関先に人の気配を感じて立ちすくむ華穂。
先ほど部屋で突き飛ばした彼が、慌てたようにして飛び出して来たのだ。
(やばっ!!)
 とっさにまたしゃがみ込む華穂。
きっと支払いなどでモタモタしていて今になったのであろうが、逆に考えると、もし彼がすぐにでも後を追って飛び出していたら、おしっこの真っ最中の華穂に気づいてしまったかも知れない。
そうならなかった事は幸いであるが、ここで彼と顔を合わせる事ができない状況に変わりはなく、
(ぇ……どうしよぉ……)
 息を凝らして様子をうかがうと、彼はホテルを出たところでしばらく行ったり来たりを繰り返している。
おそらくこれからどうしたものかと思案しているのであろう。
(もうぉ…早く…どこかに行ってよぉっ!!)
 恐怖にも似た感覚と気まずさに包まれてしまって、華穂は身を固くしていた。
やがて彼は意を決したかのように、表通りの方へと走り出した。
その遠ざかっていく足音に安堵する華穂。
(ぁ…ゃ……)
 それで気が緩んでしまったのか、先ほど途中で無理に止めていたおしっこがまたチョロロロとあふれだし、それはすぐに勢いを増してジャバババ…と激しい音を立て始める。
今度はパンツという邪魔をするものがなくなっているで、それは玄関にほど近いあたりまで飛んでしまった。
突然のことで華穂にはもう力を込めてセーブする気力もない。
 そこへ通り後方から1台の車がさしかかり、そのヘッドライトが植え込みの葉の隙間をぬって華穂の姿を浮かび上がらせ、複雑な影を壁一面に映し出した。
「ひっ!!」
 悲鳴にも似た声を挙げた華穂。
そのショックでまたおしっこはピタッと止まってしまった。
何事もなくその車は走り去っていく。
また恐怖に襲われた華穂はそこにいたたまれなくなって、スックと立ち上がると、誰かと出くわすことも顧みずにその場を飛び出して行った。
 幸い通りに出ても人影はない。
おしっこのしずくが垂れてきて、太ももの内側からふくらはぎに伝っていくが、今はそれどころではない。
パンツを穿いておらず、しかもかなりきわどいミニのワンピ姿。
そんな格好で夜遅い時間にホテル街の細い道を一人で歩くのは、恐怖以外の何ものでもなく、裾を押さえながら逃げるようにして大通りの方へとかけて行ったが、あまり急ぐと先ほどの彼と遭遇しかねない。
それでも一刻も早くその場を離れたかった華穂である。
 おそるおそる大通りの角へ出ると、時間的にほとんど人影はなく彼の姿もないようだ。
(よかった!!)
 ホッとして華穂は、連らなって走ってくる空のタクシーの1台を止め、大急ぎでそれに乗り込んだ。
かなり短いワンピなので深く座ると、表からは全くわからないが、おしりの大半はもうスカートの外に出てしまうような感じになって、パンツを穿いていない女の子の部分が直にシートに触れてしまう。
その感触は決していいものではないし不潔な感じもするが、今更ジタバタ出来ない華穂である。
 行き先を告げて走り出しホッと一息つくと、あれほどたくさん出したと思われるのにまた尿意が甦ってくる。
(えええぇなんでぇっ!?)
 それはその時点では我慢出来ないほどではなかったが、5分10分と時間が経つに従って存在を強調し始め、早くトイレに行きたいとせき立てられる思いにもなっていた。
精神的な作用がかなり効いているのであろうが、かなりの量のビールを飲んでいたので当然のことであった。
(これって…ひょっとしたらエッチしてなくて正解だったっ!?)
 そう自分に聞き返す。
たしかにこれほどのスピードでおしっこが生成されていくと、エッチしている最中にすぐ次の尿意が来てしまうことは容易に想像出来た。
 そのまま更に10分ほど走り自宅の数軒手前でタクシーを止めると、華穂は短いスカートの裾を引っ張ってズリ挙がらないように気をつけながら、少しずつおしりをズラしてタクシーを降りた。
ふと座席を見るではなしに見ると、車内灯を消して暗くなったそこに、明らかに華穂のおしっこの跡と思われる痕跡が座っていたあたりに見て取れた。
それは単に女の子の部分に付着していたおしっこだけの痕跡なのか、それとも知らず知らずに少し漏らしてしまっていたのか、あるいは……?
 実は少しシートを濡らしている事に華穂は気づいていた。
おしっこをした後始末もせず、しかもパンツを穿いていないのだからそれは当然の事だった。
それがわかっていたので、運転手に自宅を知られないように少し手前で降りていたのであった。
(さ、早く帰っておしっこしよ!!)
 走り去ったタクシーが角を曲がるのを見送って、華穂は急いで自宅へと足を向け、ポーチを開いて中に入ろうとしたその時、先ほどのタクシーと思われるヘッドライトの光が華穂を照らしだした。
「ひっ!!」
 もしかしてシートを汚したのがばれてしまったのではないかと、華穂は恐怖に似た感覚を覚えてその場に固まってしまった。
近づいてきたタクシーは確かに先ほど華穂が乗っていたそれに間違いない。
(やばっどうしよぉ!?)
 思わず顔を伏せてしまった華穂であるが、そのタクシーは何事もなかったかのように華穂の後ろを通り過ぎていった。
おそらく先の方でUターンして戻ってきただけであったのだろう。
(は……よかったぁ……)
 胸をなで下ろして門塀を閉めようとした華穂であるが、その瞬間またチョロロロとおしっこがあふれ出してきてしまった。
タクシーの中からずっと我慢していた事に加え、今また恐怖から解放された気の緩みで、尿道口が無意識に開いてしまったのであろう。
(ぁぁぁぁ…)
 もう華穂にはどうすることも出来ない。
せめて出来る事といえば、少しでも通りから身を隠そうと門柱の影に移動した事と、それ以上ソックスや靴を濡らさないようにその場にしゃがむ事だけであった。
おかしな表現になるが、パンツを穿いていないとおしっこは素早く楽に出来る。
 こうして華穂は自宅玄関先でもまた野ションをしてしまったのだ。
深夜で人通りがなく、家人もみな寝ている様であったので、おそらく誰にも気づかれてはいないであろうが……。

 彼はその翌日に詫びの電話をしてきて、またしばらく交際が続いていたが、諸々の出来事が重なってだんだん会える回数が減っていき、やがて自然消滅していく。



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