おしがま優里亜 10 (新居でGO!!)




 梅雨のまっただ中だったけど、運良く晴れていたある土曜日、ケンちゃんがおうちを出てマンションに引っ越しました。
会社と私のうちとのちょうど中間あたりで、ケンちゃんの実家からもそんなに遠くない所です。
お兄さん夫婦に二人目のお子さんが出来たことから、それを機会に引っ越すことになったんです。
 私は当然そのお手伝いに行きました。
お昼すぎに荷物が運び込まれて、さあいよいよ環境を整えていきます。
1LDKではあるけれど、LDは12畳もあるからかなり広く感じます。
でもケンちゃんの好きなAV機器なんかをセッティングしてソファーを置くと、ダイニングテーブルも置くとすごく狭くなるので、それはあきらめようと言うことになりました。
 7畳ほどの洋間もまずまずの広さなんだけど、こちらもケンちゃんの持ち込んだベッドを入れると、それだけで部屋の半分を占めるような感じになりました。
でも贅沢は言えません。
こうしていつでもふたりでイチャイチャ出来るお城が手に入ったんですもんね。

 私は彼と結婚したいと思っています。
ケンちゃんもそれは同じ気持ちです。
でも……私はひとりっこで、父は私がよそに嫁ぐ事を望んではいません。
そう、養子に来てくれる人を望んでいるんです。
そのことがどうしても気がかりになって、ケンちゃんとはそれ以上のつっこんだ話が出来ていないんです。
というか、私がそんな重要な事をまだ話していないんです。
そのうちはっきりとさせなければいけない事なんですけど……。

 そんな少し暗い気持ちを抱えながらですけど、私はお部屋の片付けを進めていきました。
事前に何度かやってきて部屋を掃除しておいたし、カーテンもつるしておいたことは大正解でした。
エアコンは備え付けになっていたので大助かりです。
ただガスの開栓だけがまだだったので、お湯は沸かせません。
片付けをしながらガス会社の人が来るのを今か今かと待っていました。
 大きい家具類はそれなりに収まったけど、小物類は箱から出すたびに辺り一面に散らばってしまい、こちらはなかなか思うように片付かないものです。
とりあえず寝るスペースを先に確保して、それから生活スペースへと移行していった夕方近くに、やっとガス会社の人が来て開栓してくれました。
これで今夜はゆっくりお風呂に入れます。
そう、今夜は私、ケンちゃんとここで一緒に寝るんです。
けど、おつきあいしていることは親に伝えてあるけれど、彼の所に泊まるとはまだ言えない私なので、いつものように由衣ちゃんちに泊まると嘘をついて来ています。
もうこれも卒業しないといけませんね。

 かなり薄暗くなってきて、7時少し前になっていました。
まだ細かいモノがかなり残っていますけど、今日はここで切り上げて食事に行こうと言うことになりました。
 その前にトイレです。
お昼からずっとトイレに行っていなかったので、ちょっとおしがま気味だった私は、そっと廊下に出てトイレに入りました。
仕方のないことですけど、トイレはかなり狭いです。
ちょうど入り口の方を向いて腰掛ける形です。
もしケンちゃんがドアを開けたらおしっこしているところを真っ正面から見られてしまう、そんな格好です。
でもなんか鍵をかけるのがわざとらしいような気がしたので、私はドアを閉めただけでおしっこしました。
それと、やっぱり水を流さないと、かなりジョロジョロっていう音が響きます。
それはやっぱりまだ恥ずかしいので、後ろに手を回してコックをひねります。
けど最近の水洗は、以前のようにゴ〜って感じの音はしないみたいで、思ったよりも静かな感じで水が流れました。
これではジョロジョロ音は完全にはごまかせていないかもしれません。
 ここは阪急西院駅に近いので、少し行けばすぐに賑やかな場所にたどりつけて、かなりたくさんの飲食店も並んでいます。
私たちはホテルの地下にある焼肉店に入りました。
ケンちゃんはほんとに焼肉が好きな人です。
でもちまたで問題になっているユッケは販売中止になっていたので、かなり悔しがっていました。
 ビールで引越祝いの乾杯をして、それなりにお腹いっぱいになってそこを出た後、コンビニで缶ビールとかおつまみなんかを買い込んで、熱帯夜の中をブラブラ歩いて帰りました。
門限とかを気にせずに歩いているなんて、なんかすごく幸せな気持ちになれます。

 疲れているから残りの片付けは明日にしようと言って、シャワーを浴びることにしました。
まずケンちゃんが先に入ります。
お風呂は洗面の奥にあるんですけど、こちらもかなり狭いです。
もちろんふたりで湯船に浸かることなんか絶対に出来ない狭さです。
ケンちゃんは通年シャワーだけでよい人なのでこれで十分だと言っていました。
でも私は…ゆったりとお湯に浸かりたいタイプです。
 彼があがって、今度は私がシャワーです。
着替え用のTシャツとか下着を用意したんですけど、それらを置いておく場所がありません。
脱衣カゴも買わないといけないなと思いました。
 私がシャワーから出てくると、ケンちゃんはいつの間にどこで買ったのか知らないけれど、スマイレージのあやちょ(和田彩花)の大きなポスターをかざしてリビングをウロウロしてました。
どこに貼ろうかと悩んでいるそうです。
なんか…気分わる〜い!!
由衣ちゃんが吹き込んでから、ケンちゃんはほんとにスマイレージばっかです。
この人がこんなヲタクだとは知りませんでした。
こればっかりは何度でも由衣ちゃんに文句を言いたい私です。
けど由衣ちゃんもすごいかにょん(福田花音)ヲタだから、きっと聞き入れてはくれないでしょうね。はぁ……。

 ケンちゃんの甚兵衛姿もけっこう様になっています。
私はロングTシャツに短パン姿。
ふたり並んでソファーにもたれかかって、缶ビールを口にしながらお話してました。
ケンちゃんの肩に頭をもたげかけて、ずっとこうしていたいなぁなんて言うと、彼は抱き寄せながらずっとこうしているよって言いました。
今このときに、あの大事な話が出来たらいいんですけど、やっぱり少し怖くて、どうしてもそのことは言い出せませんでした。
 少し動くたびに乳首がTシャツにこすれて変な感じです。
そんな敏感になっている胸にケンちゃんの手が触れてきました。
Tシャツの上からだったけれど、すごく感じてしまいます。
それはすぐにシャツの中に潜り込んできて、キスされて……そして手が短パンの中に潜り込んできました。
 私はかなり充分になっていたけれど、今夜はゆっくりとその時間を楽しみたいと思っていたので、ベッドに行く事を希望しました。
由衣ちゃんのようにお姫様抱っこはしてもらえなかったけれど、手を引かれてベッドに行きます。
そして短パンとパンツをすぐにはぎ取られて、あとはケンちゃんの思うように展開していきます。
時間を気にしなくてもいいから、私はすごくゆったりとした気持ちでいられます。
彼も環境が変わった刺激からかすごく力強く動き回って、ふたりして天国に昇り詰めていきました。
 終わった後、私はぐったりしてしまって動けませんでした。
後始末を全部彼にしてもらって、心地よく襲ってくる睡魔に逆らうことなく、裸の身体にタオルケットだけ軽く巻いて、私はそのまま眠ってしまったんです。
きっと疲れと開放感と安心感が一気に押し寄せてきたんでしょうね。

 ダウンライトの薄明かりの中で私は目が覚めました。
手元に時計を置いていなかったので、真夜中だと言うことだけで何時なのか分かりません。
目が覚めた理由は、
1、ビールを飲んでいた後だからものすごくのどが渇いていたんです。
2、ビールを飲んでいた後だからものすごくおしっこがしたくなっていたんです。
エアコンが効いていたから、裸にタオルケットだけの身体は少し冷え気味だったみたいです。
モゾモゾとしていたら横で寝ていたケンちゃんも目を覚ましてしまいました。
「どうした。目が覚めたのか?」
「うん…なんかのどが渇いた感じ…」
「オレもだよ。冷たいウーロン茶持ってきてやるから待ってろ!」
 ケンちゃんはそう言ってベッドから出て行きました。
タオルケットを身にまとって起き上がる私。
彼はすぐに冷えたウーロン茶のグラスを持って戻ってきました。
かなりのどが渇いていたので、それはすごく心地よく入っていきます。
 おしっこがしたい私だけど、トイレは廊下を挟んだこの部屋の真ん前にあって、ちょっと今のこの格好では行きにくい気分です。そんな躊躇をしている私の身にまとっていたタオルケットが、スルッとはぎ取られてしまいました。
手に持っていた空のグラスをサイドテーブルに置くと、ケンちゃんはまた私にキスしてきて胸なんかを触り出します。
第2回戦の開始です。
でも、かなりおしっこが溜まっているので私は少し焦りました。
焦りましたけど、何の抵抗もしていません。
第2回戦、そう、おしがまエッチの開始です。
 とは思ったけれど、おしっこは想像していた以上に溜まっていました。
上向きにされて足を伸ばすだけで尿意はグンと増します。
膀胱がポッカリとお腹から浮かび上がるぐらいです。
そんなだから、足を開かれてクリちゃんを触られると飛び出しそうになります。
それをグッと我慢していると、なんかすごく身体が熱くなってきて、あっという間にトロトロになってしまって、彼はそれにすごく気をよくしたみたいで、今度はお口で攻めてこようとしました。
「あ、ちょちょっと……」
 と言いかけたけど、次の言葉が見つかりません。
両足を大きく曲げられて開かれて、ケンちゃんのお顔が私のおまたの間に埋まってきました。
その体制だけでもうおしっこが出てしまいそうになっている私なのに、敏感な部分を舌で刺激されたら、もう耐えられる自信はありませんでした。
けどそんなことを考えている間にケンちゃんの舌は動き出したんです。
上下に動き回るから、おしっこの出口とクリちゃんを同時刺激されてしまって、もうたまりません。
「やっやめてっおしっこ…おしっこが出ちゃうっ!!」
 とうとう私はそう叫んでしまいました。
彼は聞こえなかったのか、それでもまだやめてくれません。
私は身体をよじりながらもう一度
「おしっこしたいっ、おしっこぉっ!!」
 と叫ぶと、ようやく彼は舌を離して顔をあげてくれました。
「ご…ごめん…おしっこがしたいの…」
 もう今にも出てしまいそうになっている私に余裕は有りません。
だけどケンちゃんにはそれがまっすぐに伝わっていなかったようで、
「そうか。出そうになったら出してもいいから!」
 なんて言いながら入ってこようとするんです。
きっと気持ちよくておしっこしたくなったんだろうと思ったんだと思います。
「あ。いやん、ほんとに出ちゃう!!」
 私はもう必死です。
そして…ケンちゃんが2〜3回動いたその時に、とうとうジュブジュブって少し漏らしてしまいました。
「バカァっ出ちゃたじゃ〜ん!!」
 って私が叫ぶと、ようやくケンちゃんも事の重大さを理解してくれたようで、でも身体は離してくれません。
確かに今離れられたら思い切りおしっこが出てしまいそうなので、それはそれでよかったんですけれど、このあとどうすればいいのか分かりません。
私はおしっこが我慢できないし、ケンちゃんももう我慢できないんでしょう。
でもだからといってもうこれ以上は絶対に無理。
「ね、おしっこ行かせて!」
 私はそう言って、そ〜っと身体を離してもらいました。
と同時に指でグイッと持ち上げるようにフタをして、急いで起き上がるとトイレ目指して…ヨタヨタと、そう、裸のままで歩き出しました。
けれどそれも膀胱にはすごい刺激になったみたいで、足をツ〜っとおしっこが伝い落ちて来ます。
もう押さえている手はずぶ濡れ状態……。
 それでも私はなんとか廊下向かいのトイレたどり着いて、ドアを勢いよく手前に引くと中に飛び込みました。
飛び込んで向きを変えて腰を落とすまで、きっと1秒もかかっていない、それぐらいの早業です。
そしてほぼ同時におしっこはジャバジャバって感じで私から飛び出してきました。
シュ〜って音までがすごくてとても恥ずかしいです。
それ以上に……、私はドアを閉める余裕を持っていませんでした。
といか、ドアは外開きなので、おしっこをしている私には閉められないんです。
だからベッドに座っているケンちゃんとおしっこ真っ最中の私と、ほぼ2.5メートルを介して向き合っているんです。
こんな恥ずかしいことはありません。
なのにケンちゃんはずっと私を見続けていました。
「見るなぁバカッ!」
 照れ隠しにそう言うしかありません。
そしたらケンちゃんがゆっくりと立ち上がって近づいて来ました。
「ビールのあとだからすごいなぁ!」
 なんかすごくうれしそうに私の前まで来てそう言います。
まだまだ終わらないおしっこをし続ける私の前に、オ○ン○ンをピンと上に向けたケンちゃんが突っ立ていました。

 そんなことがあった私はかなり気持ちがほぐれてしまったこともあって、その夜、もう一度ケンちゃんに抱かれながら、実はおしがまが好きな子であることをカミングアウトしました。
ケンちゃんはさほど驚いた様子を見せずにいました。
おしがま好きということは知らなかったけれど、けっこうおしっこを我慢していることが多い子だと、やっぱりすでに気づいていたみたいです。
そりゃぁけっこういろんな事あったから、気づかれていても当たり前でしょうね。
でも、どの時が故意のおしがまか必然のおしがまだったのかは言いませんでした。
これでケンちゃんも由衣ちゃんのご主人のように、いい理解者になってくれたら最高に幸せなんですけど……。

 ひとつ大きなカミングアウトが出来た私。
次はもっと大きな事を彼に伝えなければならない日が来ます。

この原稿を由衣ちゃんに送ったら
「これじゃぁ新居でGO!!ではなくて、新居でJO〜!!じゃん!!」
 ってつっこまれました。
先輩だけどあやつ、なかなか冴えてるなぁっ!!



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