さくらい・あやか 5




 高校1年3学期のある土曜日の午後、例の秘密基地に向かっていた彩香は尼崎駅で拓の兄の彼女,加納愛海(かのうまなみ)と偶然出会った。
愛海は彩香があの部屋に行くのだと知ると、途中まで一緒に行こうと言って彩香の手を引いて歩き出し、拓との関係についていろいろと聞いてきた。
恥ずかしさもあって、初めは適当に返事を返していた彩香であったが、冷やかしではなくて真剣に聞いてくれている事に気がついて、徐々に本当の事を伝えだした。
そうして誰にも言えなかった事を伝えたことで、胸の奥にしまい込んでいた重荷が少し晴れたような気になって、秘密を共有してくれる事になった愛海に対して急に親近感が沸いてきた彩香であった。
それでもやはり[おしっこを我慢しながらのエッチが好き!!]とは、どうしても言えなかった。
 その日をきっかけに、彩香は愛海とよく会うようになった。
拓と会えない日曜日などは愛海が家に来てくれる事もあり、勉強を見てもらったりするようになって、一人っ子の彩香はいつしか愛海のことを実の姉のように慕うようになっていった。
 彩香の両親はK大に通う愛海のことを歓迎し、拓の兄とつきあっていると聞かされて驚きを隠せずにいたようだ。
ふたりが親しくなったと知った拓の兄は、それならばと、夏休みに入ったら4人で日本海の方へ泳ぎに行こうと提案した。
彩香はその計画が嬉しくてたまらなかったが、そのためには両親を説得しなければならない。
その役は愛海が快く引き受けてくれ、行き先はもちろん2泊3日の行程や泊まる施設などをしっかり説明し、きちんと監督するから心配ありませんと説得してくれた。
いきさつを聞いた彩香の両親は目を細め、愛海さんが一緒なら安心だと、あっさりそれを認めてくれて、彩香は世間知らずの娘だからよろしく頼むと、お願いまでしていた。
 母親は彩香の水着選びにつきあってくれ、ピンク地にバラの花をあしらったセミビキニの、スカートがセットになっているものを選んでくれた。
ブラの胸元とパンツの両サイドの大きなフリルリボンがかわいくて、彩香はそれをとても気に入ったが、その反面、スクール水着しか着たことがないために少し恥ずかしいように思ってとまどっていた。
そんな彩香を勇気づけるように、
「これ着て拓くんを驚かせちゃえ!!」
 と、母親はいたずらっぽく楽しそうにそう言って、しばらく間を開けた後、今度はかみしめるような口調で
「でも‥体は大事にするのよ!!」
 と、彩香を諭すように言った。
おそらく母親は母性本能的に、ある程度のことを察知してそう言ったのではないかと思われる。
彩香は少し後ろめたさを感じたが、拓も兄も紳士だから心配いらないと胸を張って言い切った。
 彩香は母親に、拓とは土曜日の午後に尼崎の駅で待ち合わせて、近くのファーストフード店でお茶したり勉強したりしていると説明していた。
もちろんあの秘密基地の部屋の事は知らせていない。
週に1度しか会えないことで、ふたりはそれを勉強の糧(かて)にしているのだと母親は理解して、暖かく見守ろうと思っていたようである。

 雲ひとつない晴れ渡った暑いその日、朝早くに拓たち3人を乗せた車が彩香を迎えに来た。
運転は拓の兄で助手席に拓。彩香は愛海と一緒に後部座席に座る。
「責任を持ってお預かりします。」
 愛海が歯切れ良くそう言って、彩香の両親に見送られながら宝塚インターへと向かい、中国道を西に走って播但自動車道に入り、日本海の香住海岸を目指した。
途中休憩で立ち寄ったSAで、愛海は「あやちゃんトイレ行こうか!」と気軽に声を掛けてくれ、彩香は拓を気にする事なくトイレに行けた。
 正午過ぎに香住海岸に到着し、予約してあるペンションに車を着けると、まだ部屋が使えないので風呂場を借りて水着に着替えることになった。
親しくなったとはいえ、彩香はやはり着替えを見られるのが恥ずかしくて、バスタオルを体に巻こうとしたが、
「もう拓くんに裸を見られてるんでしょ。何を今さら恥ずかしがってんの!?」
 と、愛海はそれを勢いよく引っぺがしてしまった。
悲鳴を上げてその場にうずくまる彩香をからかいながら、愛海はその前で堂々と裸になって、彩香から見てもかなりきわどいと思われる、ひもタイプの黒いビキニへと着替えていった。
均整が取れたその体にしばらく見とれてしまう彩香。
「どうしたの。早く着替えないとふたりが待ってるわよ。」
 愛海に促されて後ろを向き、気後れしながら渋々下着を脱いでいくと、
「わっ、これがあやちゃんの水着なの。こりゃあ拓くんメロメロになっちゃうよ!!」
 と、愛海が彩香の水着を取り上げて楽しそうにそう言った。
「ちょっとぉ、恥ずかしいんですけど‥」
 すでに裸になってしまっている彩香は、頼み込むようにしてその水着を返してもらい、自分には少し派手なのではと心配している事を告げると、愛海はそんなことはない。とても可愛くて彩香にピッタリだと言ってくれた。
 愛海が言ったとおり、恥ずかしそうに出てきた彩香の水着姿を見て、拓はしばらく目をパチクリさせて固まり、ポツリと
「あや‥かわいいなあ!!」
 と感嘆の声を上げてしまい、兄に「なにをデレデレしているんだ!!」と突っ込まれて頭をはたかれていた。
 そのまま少し歩いてビーチに着き、海の家で昼食を取って休憩してからいよいよ海に入る。
彩香が水着のスカートを取り去ると、拓はまたその姿に見入っていた。その痛いほどに感じる視線が恥ずかしく、そしてとても嬉しく感じる彩香であった。

 彩香は海が始めてであっだ。
おまけにそれほど泳ぎが得意ではなかったが、拓の兄が用意してくれた大きな浮き輪やゴムボートなどで遊ぶことが出来て、楽しいひとときを過ごしていた。
 日が西に傾き、海岸に流れるラジオ放送が午後5時を告げた頃、拓の兄がそろそろ引き上げようかと言った。
まだまだ遊び足りない気持ちの反面、内心ホッとした彩香。
11時ごろ立ち寄ったSA以後まったくトイレに行っておらず、午後からはほとんど水の中にいたために、照りつける太陽とは裏腹に体は思った以上に冷えていたようで、彩香はかなり前からおしっこがしたくて困っていた。
ここに着いてからは誰もトイレに行っていないことは彩香も知っている。
おそらくはみな海の中で済ませていたのであろうが、プール育ちの彩香にはそれが出来ず、愛海に言って海の家のトイレに着いてきてもらおうかと何度も思ったが、やはり恥ずかしくてそれも出来ずにずっと我慢していた。
 ペンションの玄関横に井戸水を利用した簡易シャワーがある。
そこで砂を落とすとき、彩香はその水の冷たさに驚いて体をこわばらせてしまい、その弾みで我慢していたおしっこを漏らしてしまった。
それはあっと思う間に勢いを増してしまって、どうすることも出来なくなった彩香は、そのままシャワーに紛れておしっこをしてしまった。
待っている拓たちに気づかれはしないかと、かなりビクビクしながらではあっらが、幸いそこは外であり、おまけに簡易囲いがあったので、だれも彩香の恥ずかしい行為に気づく者はいなかったようであった。
 彩香は拓といっしょのツインルームに通された。
両親には、部屋は男女別にすると説明していたが‥それは建前である。
2階のその部屋は海の方角に大きな窓がある以外は、ツインベッドと簡易ソファーがあるだけの質素なもので、食堂と風呂、それにトイレは1階であった。
これからここで拓と一晩、いや二晩いっしょに過ごすのだと思うと、彩香はうれしさと恥ずかしさが入り交じって、じっとしていられないようなソワソワ感に包まれていた。
 しばらくして愛海と一緒に風呂に行き、修学旅行のような気分を味わって、これも母親が選んでくれたミニのキャミワンピに着替え、火照ってホクホクした体のままで夕食を迎えて、そのあと4人でビーチを散策することになった。
すると兄が、愛海と一緒に飲みに行くから二人はゆっくりしていろと言いだして、
「明日もあるんだからな、あやちゃんを早く寝かせてあげろよ!!」
 と付け加えて、拓の頭をポンとたたいて去っていった。
置いてきぼりになった二人は、そのまましばらくビーチを歩いていたが、この夜は風もなく、かなり蒸し暑い熱帯夜だったのでペンションに戻り、階下の自販機で飲み物を買い込んで、それを飲みながら涼しい部屋でゆっくりすることになった。
 拓のヒザの上に座り、抱きかかえられながら話をする幸せをかみしめていると、やはり当然のように拓の手が伸びてきたが、日焼け跡の肌がヒリヒリして痛いと彩香が言ったので、拓はそれ以上求めてこなかった。
拓の硬くなっているモノが薄いキャミの生地ごしに感じられ、彩香は申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、無理に求めようとしない拓の優しい思いやりがうれしかった。
 時間を気にすることなく話し込んでいると、いつしか午前2時を回ってしまい、さすがにもう寝なければと言うことになった。
涼しい部屋で飲み物をたくさん飲んでいたために、彩香はかなり強い尿意を感じていたが、1階のトイレに行くのが怖くてイヤだった。
しかし行かずに寝ることなど出来るわけもなく、渋々拓と一緒に階下に降りていく。
女子トイレの前まで来ると、
「ど、どこにも行かないでよ!!、ずっとここにいてよ!!」
 と、まるで幼児が母親にすがるような感じで彩香は言った。
それは、真夜中であることと、知らない人がいるかも知れないという恐怖心と、慣れない場所での共同トイレという不安から出た言葉であった。
 トイレは男女別になっているものの廊下に扉はなく、3コある個室のドアは外から丸見えであった。
彩香は初めてこのトイレを使う事になる。
中は簡易水洗式の和式で、個室の中に入った彩香は音消し用の水を流せないことを知って、拓におしっこの音を聞かれてしまうと言う恥ずかしさがわき起こり、便器をまたいだままでしばらく固まってしまっていた。
しかし今さら溢れ出しかけているおしっこをどうすることも出来ず、下着を汚してしまう直前にやっとしゃがみこんで、その恥ずかしい音を響かせてしまった。

 翌日も快晴で朝から暑い日差しがさしていた。
彩香たちは朝食もそこそこにビーチへと繰り出して、泳いだりボートに乗ったり、他のグループとビーチバレーを楽しんだり、アマチュアバンドの演奏を冷やかしたりして楽しんでいだ。
 水の中でおしっこをしてしまうコツを身につけた彩香は、その時に感じる不思議な感覚がおもしろくてたまらなく、何度もそれを楽しむことが出来た。
 午後3時を過ぎると雲が太陽を遮りだし、風も出てきて気温が少し下がってきた。
その頃になるとさすがに少し疲れてしまい、彩香は砂浜に戻ると水着の上にロングTシャツを着て、パラソルの下で休んでいた。
 夕べはあれからまた拓とおしゃべりしてしまい、かなり寝不足気味になっていた。
それは拓も同じで、しばらく彩香の横で休んでいたが、夕食まで少し寝ようかと言うことになって、ふたりは兄たちにそう断ってペンションに戻り、足の砂だけを流すと着替えることもせずにベッドへ倒れ込んでしまった。
 食事だと言って起こされたのはそれから3時間後のことであった。
連泊の泊まり客の夕食は砂浜でバーベキューだという。
着替えてないのならそのままでいいからと言われ、ふたりは水着の上にTシャツだけの恰好で部屋を出ることにした。
ロングTシャツであるために、彩香のそれはミニのワンピにも見える。
拓もトランクスタイプの水着なので、短パンを穿いているようにも見えていた。
グッスリ眠ったことで気分爽快になっていた彩香は、初めて体験するバーベキューが嬉しくたまらない。
ビーチはバーベキューや花火が禁止されているので、そこはペンションが所有しているビーチそばの砂浜であった。
 熱帯夜だった昨夜とは違ってさわやかな潮風が吹いており、寝起きの彩香は少し肌寒く感じてコンロの火が心地よかった。
アミにいっぱい並べられたエビやイカ、それに大きな牛肉や鶏肉を口いっぱいにほおばり、彩香はごく自然に自分からおしゃべりしていた。
 兄がクーラーボックスからよく冷えた缶ビールを取り出し、それを紙コップに注ぎながら彩香にも差し出した。
もう明日は帰るのだから今夜は飲んじゃおうと拓が言うので、彩香は躊躇することなくそれを飲んでいったが、何度か口にした事がある缶酎ハイと違って、それはかなり苦くて強い刺激が感じられ、決しておいしいとは思えなかった。
それでも口に残る甘辛いタレの感触が、心地よい冷たさと苦みとで中和されていくと、それによってまた食が進む事を感じて
(へえぇ、だから大人ってビールを飲むんだぁ!!)
 と、妙に納得し、注がれるままにまた口に運んでいた。
周りには他にもいくつかのグループがバーベキューを楽しんでいたが、お互いに干渉しない適当な距離があり、雲間からたまに顔を出す月明かりと、点在する建物の明かりと、コンロの炎が作り出す幻想的な雰囲気が彩香を包み込んでいて、1時間も過ぎた頃になると彩香はホロ酔い状態になっていた。
あるいは拓よりも彩香の方が多く飲んでいたかも知れない。
(‥おしっこしたくなってきた‥‥)
 当然のように尿意を感じ出してきた彩香。
ここはビーチのすぐそばで近くにトイレなどない。
ペンションまで戻ればいいが、それは少し距離があってその道は暗い。
急速に高まってきた尿意にとまどい、彩香は愛海にそう伝えようかと何度も思ったが、場の雰囲気を壊してしまうのではと気後れしてしまい、仕方なくずっと我慢していた。
 それから15分ほどが過ぎて食事が終わりに近づいてくると、彩香はパンパンに張ってしまったお腹をどうすることも出来なくなってソワソワしだした。
「あ〜あ、飲み過ぎちゃったぁ。あやちゃんトイレ行こうか!?」
 ちょうどそんな時、タイミング良く愛海が彩香にトイレを誘ってくれた。
渡りに船の彩香は即答し、愛海に手をつないでもらってペンションへと向かう。
酔った彩香の足下はフラつき、体もフワフワとした感じになっていたが、それは彩香の気分をハイにさせていて、
「や〜ん、もう漏れそぉ!!」
 などと、普段なら絶対に口にしないような言葉を発して、さっきからずっと我慢していた事などを愛海に告げて高笑いしていた。
 用を済ませてまた愛海と手をつないでビーチに戻ってくると、建物の脇から出てくる拓の兄と出くわした。
「立ちションしてたんでしょう!?」
 愛海が笑いながらそう聞くと、兄は「おう!!」と勢いよく答えてその先を歩きだした。
「いいよねえ男は。どこででも立ちション出来るし‥」
 愛海がつぶやくようにそう言ったが、彩香はなんと答えていいかわからない。
「チン○ン振り回してさ、しずく切るだけでいいんだもんね!」
 なおもそう言われて、彩香は思わず
「うん、それはうらやましぃ‥」
 と口走っていた。
そして、
(拓もきっと立ちションしたんだろうなぁ‥)
 と、普段は気にしたことがない情景をなにげに思い浮かべてしまい、ひとりで恥ずかしがっていた彩香であった。

 他の泊まり客やペンションの関係者たちで花火が始まった。
彩香もその輪に入って楽しくはしゃいでいたが、しばらくすると拓が
「酔い覚ましに少し歩こうか?」
 と言ってクーラーボックスから缶コーヒーを2本取り出すと、彩香の手を引いてビーチに向かって歩きだした。
酔って火照った体に当たる潮風が心地よい。
雲間からの月明かりだけを頼りに歩いていくと、花火に興じる人たちの歓声がだんだんと遠くなり、静かに打ち寄せる波音だけが二人を包みだし、ただ手をつないで歩くだけで彩香は満ち足りた気持ちになっていた。
 しかしそれからほんの少し過ぎたころ、彩香はまた尿意を感じだした。
(あれぇ‥さっきトイレ行ったばかりなのにぃ‥‥?)
 あれからまだ15分ほどしか経っておらず、いくらなんでも早すぎる。
きっと気にしすぎなんだと思って、彩香はそれを忘れようと拓の腕に手を回し、わざと胸を押しつけてみたり、拓の背中に飛び乗ったりしてはしゃいでいた。
 所々の砂浜にボートが引き上げられている。
「ちょっと座って休もうか。」
 拓はその中の一番小さなボートに乗り込んで彩香と並んで座り、
「オレ、さっきからけっこう喉が渇いていてさ‥」
 と言って缶コーヒーを開けて手渡してくれた。
拓の言うとおり、甘辛かったタレのせいか、あるいはアルコールのせいか、確かに彩香も喉が渇いていた。
冷たくて甘い缶コーヒーは心地よかったが、やはり尿意が気になってしまう。
(気にしちゃダメ!!、せっかく拓と二人きりでいるんだからぁ!!)
 彩香は自分自信にそう言い聞かせ、拓にもたれかかるようにしてその肩に自分の頭を預けていった。
 拓に肩を抱き寄せられ、暗い海を見つめたまま何もしゃべらず、静かに打ち寄せる波の音だけを体で感じるロマンチックなムードがしばらく続くと、彩香はそれに感動して涙が出そうになっていた。
しかしその感動をぶち壊すかのように、やはり彩香の尿意は急速に高まってきて、
(もうおぉっ、なんでこんな時におしっこしたくなるのよぉっ!?)
 下腹部が落ち着かない現実に引き戻されて、少し体を起こしかけた。
ちょうどそのタイミングに合わせるかのようにして、拓が彩香を抱き寄せてヒザの上に座らせ、いつもしているようにキスをしながら静かに右手で胸を触り出した。
やがてその手はロングTシャツをめくり上げ、水着のブラの上で円を描き出す。
 ふたりが座っているボートの両脇には背の高いボートが何隻か並んでおり、それらが盾になってはいるが、そこは誰が通ってもおかしくないビーチである。
彩香はそのことと尿意が気になって、
「たく‥ダメだよ‥こんなところで‥‥」

 と、少し体をよじるようにしてその手から逃れようとしたが、それでも拓はその手を離そうとはせず、時には強く揉んでみたり、時には指先で軽く転がしたりを繰り返していた。
 硬くなっている拓の存在が水着越しに痛いほど伝わって来る。
夕べは日焼け跡が痛いからと中断させてしまった事を思い出し、我慢してくれた拓がかわいそうに思えてならない彩香、拓は性格上、手を洗ってからでないと彩香の大事なところは触ってこない。
だからこの場でエッチまでいかない事は分かっていた。
そのことが分かっているだけに、今は我慢して拓の気が済むようにしてあげようと思った彩香であった。
(でも‥やっぱりおしっこ‥したい‥‥)
 ますます強くなってきた尿意が完全に幅を利かせてしまって、その気持ちはすぐに覚めてしまう。
(なんでよぉっ、さっきあんなにおしっこしたのにぃっ!!)
 急激に高まってきたその尿意はみるみるうちに膨れあがって、すでにバーベキューの時の我慢に勝るとも劣らないほどになってきていた。
(どうしよう‥ほんとにおしっこしたい‥‥)
 困惑している彩香をよそに、拓の右手は胸からおなかへと降りてきて、彩香のワレメへと潜り込んできた。
(やんっ!おしっこ漏れそうだからそこはだめぇっ!!)
 そう叫びたいが声に出せない彩香。
足を少し開かされ、水着ごしにワレメを刺激されてしまうと、彩香はもうどうすることも出来なくなってしまった。
(ハァ‥‥おしっこしたい‥けど‥気持ちいい‥‥)
 ふたりだけの月明かりの浜辺というシチュエーションがそうさせるのか、あるいはアルコールによる作用がそうさせるのか、彩香の感情は一気に高ぶってしまった。
 さらに足を開かれ、水着越しにク○トリスをとらえられると、その刺激でおしっこが吹き出しそうになるが、それを堪えて体をよじる彩香。
そしてついに「ハァァ‥」と声を出してしまった。
それに気をよくしたのか、拓の指はますます激しく動き回り、それに伴って彩香の尿道口は開きかかってしまった。
(ハァ‥ハァ‥おしっこ‥おしっこ‥このまましちゃいたい‥‥)
 これまで何度かおしがまエッチを経験しているが、そのまま漏らしてしまいたいという衝動に駆られたのは初めてであった。
ワレメはさらに熱くなり、おそらく拓の指先にもそれは伝わっていることであろう。
 ふたたびク○トリスに戻った指が、それを押さえつけたり左右に揺するような動きを繰り返しだした。
ジュワ‥‥
破裂しそうなほどに膨れあがっている膀胱は、その刺激に耐えるほど強固ではない。
彩香の意思に関係なく、それは刺激に順応するかのようにおしっこを押し出し始め、陶酔していた彩香を現実に引き戻した。
「ぁったくっ待って待ってぇっ!!」
 あわてて足を閉じ合わせ、身震いする彩香。
しかし漏れ出したおしっこはもう止めることが出来なくて、必死で閉じている尿道口をこじ開けてジワジワとあふれ出していた。
拓は不思議そうな顔をして彩香をのぞき込んでいる。
「ぁ‥ぉし‥っこ‥出ちゃぅ‥」
 波の音にかき消されるほどの小さな声で彩香は言った。
しかしそれは拓の耳に届かなかったようで、震えている彩香が感じていると思ったのか、拓は更にいたずっらっぽくク○トリスを強く押し込んでしまった。
「や〜ぁダメェェェ!!」
 彩香がそう叫ぶと同時に、堪えていたおしっこがついに堰を切ってしまい、一気にジュゥイィ‥というような音を出しながら水着からあふれ出してしまった。
それは当然のように拓の太ももにも広がって、ビチャビチャとボートの底に散らばり落ちていった。
「いゃ〜ん‥ご‥ごめんなさぃ‥や〜ん‥‥」
 彩香はなすすべがなくて、そう叫びながら拓にしがみつく。
拓は状況を理解したのか、何も言わずにそんな彩香を抱き留めていた。
(や〜ん、もう止まってよぉっ、恥ずかしいよぉっ!!)
 彩香はそう念じて、震えながらも必死に力を込めたが、静かに打ち寄せる潮騒の音の中に、その不自然な音は浮き立つようにして続いていた。

 どれほどの時間が過ぎたであろう、彩香にしてみれば永遠に近い時間であったかもしれないが、何度もおなかに力を入れた甲斐があって、漏れ出したおしっこがようやく止まると、
「ちょっと強すぎた?、ごめん‥」
 拓が彩香を抱き寄せたままそう言った。
「・・‥ん、ごめんね‥汚しちゃった‥‥」
「あは‥そんなのいいよ。それよかさ、暖かかったなぁ、あやのおしっ‥」
「もうぉお恥ずかしいよぉっ!!」
 彩香はあえてずっと我慢していたことは口にしなかった。
そう言ってしまうと拓に申し訳ないように思えたからだ。
「お風呂‥入りたい‥」
 拓の胸に顔を埋めたまま、彩香はつぶやくようにそう言った。
「そうだね。」
 拓はそう言って彩香を抱いている手を離し、そっと立ち上がらせた。
ふらつきながら立ち上がると、まだ水着の中に残っていたおしっこがこぼれ、彩香の足を伝う。
「あやもおしっこしちゃったことだし、オレもここでしちゃおっかな!!」
 拓はそう言って立ち上がるとサッとボートから飛び降りて、すぐ横の大きなボートに向かって立った。
そしてすぐに、ジョ〜ビチャビチャ‥と、彩香のそれと似たような音を出しながら
「う〜、外でするのは開放感があって気持ちいいなあ!!」
 と、わざと大きな声で拓は言った。
おそらく彩香ひとりに恥ずかしい思いをさせないようにと、拓はわざとそこで立ちションしているのに違いない。
彩香はそういう拓の心遣いが嬉しくてたまらなくなり、その後ろ姿に抱きついてしまった。
「わおっ、よせよぉ、止まっちゃうじゃんかっ!!」
 拓が笑いながらそう言って体を揺する。
「たくっ、だ〜い好きっ!!」
 彩香はまだおしっこを続けている拓にしがみついて離れなかった。

 バーベキューをしていた所まで戻ってくると、すでにそこには人影がなく、拓の兄や愛海の姿も消えていて、またどこかへ出かけたようであった。
ロングTシャツで隠れているとは言っても、彩香の両足にはおしっこの伝った跡が残っており、それを誰にも見られずに済んだことで彩香はホッとしながらペンションに戻ることが出来た。
 拓は管理人に「空いてますか?」と何かを聞きだして、バスタオルなどを取ってくるから脱衣場で待っているようにと彩香に言った。
水着からはまだおしっこが垂れているので、彩香は部屋に行くことを断念して、拓が言うようにそのままお風呂に入ることにしたが、導かれて行ったそこは貸し切り風呂であった。
「え?」と彩香がとまどっていると、拓はここの方が誰も来ないからいいよと教えてくれ、彩香は妙にそれに納得していた。
そして部屋に戻ろうとしている拓に、
「あ、たくぅ‥タオルと短パンだけでいいよ。部屋に戻ってから着替えるからね!」
 下着まで拓に持ってこられては恥ずかしいと、彩香はそう思って念を押した。
拓はニッコリと微笑みながらうなずいて走って行き、彩香はそのまま脱衣室で拓が来るのを待つことにしが、
(‥おしっこしたいなぁ‥)
 先ほど途中で止めてしまったためか、それともまだビールの作用が残っていたのか、彩香はつい先ほどからまた尿意を感じだしていた。
(いいや。悪いけどお風呂の中でしちゃお。貸し切りだから誰もいないもんね!!)
 彩香は勝手にそう思ってTシャツを脱ぎ、水着だけの姿になって姿見を見つめていた。
彩香は中学生の頃から身長が伸びておらず155センチのままであった。
せめてあと5センチほど身長があればなぁと、愛海の容姿を思い浮かべて溜息をついていると、そこへ拓がバスタオルなどを持って現れ、
「あや、いっしょに入ろう!!」
 と嬉しそうな顔でそう言った。
「ええっ、やだよぉ、恥ずかしいじゃん!!」
 突然の言葉に、彩香は尻込みしてしまう。
たしかにもう拓には裸を見られているが、お風呂となるとそれはまた別である。
それに拓がいたのではお風呂でおしっこができない。
拓はいいじゃんと言いながらサッサと服を脱ぎだして、前をタオルで隠しながらスキップするような足取りで浴室へと入っていった。 あまりにも唐突すぎて彩香はポカンとしていたが、この状態で共同風呂に行くことも出来ないと思い、もういいやっとばかりに決心してそっと水着を脱ぐと、小さなタオルを体の前に垂らして拓の後を追った。
(けど‥おしっこ我慢できるかなぁ‥?)
 一抹の不安を抱きながら湯気で曇った薄暗い浴室に入っていった。
そこは2人がやっと浸かれる程度の浴槽と、2基のシャワーがあるだけで、家庭用の風呂を少しばかり大きくした程度の小さな空間であった。
拓はすでに洗い場に座ってシャワーを浴びている。
彩香もその横に座って、そっとタオルを外すと頭からシャワーを浴びだした。
しばらくすると拓が、
「あや、背中を流してあげるね!」
 と言いながら後ろに回ってきた。
「やだよぉ、恥ずかしいじゃん!」
 彩香は本当に恥ずかしくてそう言ったが、拓はいいからいいからと彩香を無視して、ボディーソープを含ませたタオルで背中をさすりだした。
「‥‥」
 仕方なく彩香は身を丸めてそれを受けていたが、やがて拓の手はタオル越しに胸を触り出す。
「ちょっとぉっ、前は自分で洗うからぁっ!!」
 彩香は必死になってその手からタオルをもぎ取った。
「じゃあ先にオレの背中を流してよ。」
 拓はそう言いながら彩香に背を向けた。
そうしてお互いの背中を洗いっこし、お互いに邪魔をしながら前も洗って、お湯を掛け合ったりしてしばらくはしゃぎ、少しぬるい感じの浴槽に浸かると、拓が彩香の後ろに入ってきた。
(わっ‥すごくおしっこした〜いっ!!)
 水圧がそうさせるのか、彩香の尿意は一気に高まった。
(早く上がってトイレ行きたいっ!!)
 彩香は真剣にそう思ったが、そんなときに拓の手が後ろから伸びてきて彩香のおなかに回すと、そのまま広げた両足の間に体を引き寄せて抱き込んでしまった。
彩香のおしりに拓のカチンカチンになっているモノが触れている。
そのまま両手で彩香の胸をわしづかみにするようにして触りだし、やがて右手がまたワレメへと滑っていった。
その手首が彩香のおなかを圧迫するような感じになって、膀胱が膨らんでいる彩香はたまらない。
 兄に注がれるままにビールを飲んでいた彩香であったが、はっきりと記憶にあるだけでもそれは紙コップ5杯以上であった。
1杯が180ccとしても1リットル近く飲んだことになる。
それだけの量を飲んでいのであれば、頻繁に尿意を催すのはごく自然な事であり、出し切っていないとなればすぐに満タンになるのも当然であるが、それに加えて今は、先ほど思い切り我慢していたことが災いして括約筋の働きが弱くなっていたようである。
体全体に受ける水圧と、拓の手首による圧迫。そして弱くなっている括約筋。
お湯の中で触られるという初めての刺激よりも、それらの作用の方が遙かに大きく彩香にのしかかってきていた。
(ぁあぁ‥おしっこしたいっおしっこしたいぃいっ!!)
 彩香はもう耐えられないと思った。
ワレメをなぞる拓の手が時々尿道口に触れると、もうすぐにでも漏れ出しそうになってしまっていた。
(だめぇっもう出ちゃうっ!!)
 どうしようもなくなって
「たく‥ねえ、やめて‥またおしっこしたいの‥」
 彩香は消え入りそうな声でそう言った。
「え、さっきしたばかりじゃん!?」
 拓は少し笑いながら、それでも指の動きを止めずに言った。
「ち、ちがうの。さっきは‥その‥途中で‥‥」
 彩香は説明するのが恥ずかしくてたまらない。
そうしている間にも漏れそうな衝動に駆られ、彩香は拓の手をふりほどくようにして浴槽の中で立ち上がった。
そのままなんとかトイレに駆け込もうと思った彩香であるが、生ぬるいお湯から上がったことで体が一瞬ブルッと震え、それに伴って膀胱が収縮してしまった。
「やぁっもう我慢できないっ!!」
 とてつもなく恥ずかしい言葉を出してしまった彩香。
浴槽から飛び出すと、そのまま洗い場にしゃがみ込んでしまった。
シュィ〜〜〜‥‥
それと同時にあふれ出す彩香のおしっこ。
拓の目の前でしてしまっている恥ずかしさに、彩香は何とかそれを止めようとしてみたが、すべての機能は彩香の意に反して働いてくれなかった。
それどころか、しゃがんだことによる膀胱への圧迫が作用して、それは更に勢いを増していき、5〜60センチ前方にまで飛び散っていった。
「見ないでっ見ないでっ!!」
 彩香は下を向いたまま必死にそう叫んでいた。
シィィ〜〜・・
それから20数秒、彩香のおしっこは出続けた。
「へえぇ、あやのおしっこって勢いがいいんだなあ!」
 拓が笑いながらそう言う。
「もうおぉっ、見ないでって言ったのにぃっ、たくなんてキライっ!!」
 彩香は顔を埋めたままそう叫んでいたが、内心、拓が笑いながら言ってくれたことで救われた気持ちになっていた。
ヘンに慰められる方がかえって辛い。
 ふと顔を上げると目の前に拓が立っていた。
カチンカチンになっているものを隠そうともしていない。
彩香は驚いて声を上げそうになったが、次の瞬間
(うっそぉ、こんな大きなのが私に入って来るのぉっ!!)
 と、目を丸くしてしまった。
父親のそれしか見たことがなく、それももう何年も前のことである。
彩香は改めて拓の元気なそれを見つめ直し、恥ずかしくはあったが触ってみたい衝動に駆られていたのも事実であった。
「わ、私のおしっこ見て‥コーフンしてるのぉっ!?」
 彩香は自分が妄想してしまった事が恥ずかしくなり、それを隠そうと吐き捨てるような口調でそう言うと、
「うん!」
 拓は勝ち誇ったような口調でそう言い返してきた。
「もうおスケベッ!!キライッ!!」
 そんな彩香に対して拓は、
「オレ、あやのことが大好き!!」
 と言い返し、ゆっくりと彩香を立たせてその体にシャワーを当てていった。

 その夜、当然のように二人は激しくもつれ合った。
拓に初めて舌を使われ、そこを見られている恥ずかしさと、指では感じられない新たな刺激に飲み込まれて、彩香は早い段階で昇り詰めてしまった。
 そのまま裸で抱き合って眠りについたふたり。
翌朝彩香が目を覚ますと、そこには元気に朝○ちしている拓のものがあった。
恐る恐るそれに手を伸ばした彩香は、その硬さと大きさに改めて感動していた。
そしてモーニングエッチまで体験してしまった彩香であった。
おしっこがパンパンに張りつめていただけに、もしバスタオルを敷いていなければ、布団を汚してしまっていたことであろう。

 月日は流れ、やがて拓はK大に、彩香はそのまま内申で進学して大学生となり、紆余曲折は何度かあったものの、ふたりは拓の大学卒業後も交際を続けていった。
下柳典子の報告によると、まもなく橘拓は桜井拓になるそうで、彩香のお腹には新しい命が宿っていると言う。



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