二人の軌跡 10(おしがまエッチ2)




 ミカと翔太が楽しんでいた翌日の苗場スキー場は、午後になって急速に天気が荒れ模様に変わっていき、風はそれほど強くは無いものの、湿気を含まないサラサラの雪が強く降りだしていた。
「なあミカ。この雪はヤバいよ。道路は凍るだろうし、積もりそうだぜ・・」
 遅い昼食を終えてゲレンデを見つめていた翔太が、早目の切り上げを提案した。
「え〜?もう帰っちゃうのぉ。まだお昼だよぉ〜」
 ミカは名残惜しそうだ。
「俺もまだ楽しんでいたいけど、帰りは相当な渋滞になると思うし、こんな状態だと下手すりゃ東京へ着くのは深夜になっちゃいそうだよ。」
 これは事実で、苗場からの帰りはまずこのホテルの駐車場を出る第一関門の渋滞から始まり、次が三国峠を水上方面へ下る時の渋滞、さらには高速道路の渋滞も深刻なものと考えなければならない。
翔太は来た時と同じく湯沢方面に逆走して、渋滞を少しでも避けるつもりでいた。
「そうなんだぁ〜、深夜になると翔ちゃん、明日お仕事だから困るよねぇ。」
「うん、まあそれもあるけど、東京まで8時間かかるなんてザラだからさ、そっちがきついんだよ。」
「うん判った。残念だけど帰り支度しようか?」
「ああ、そうだな。じゃあ着替えてフロント玄関に集合な!」
 ミカは帰ることに納得はしたものの、両親へのおみやげなどを買いたいから少し時間をほしいと言った。
翔太はそれを承諾し、ウェアーを着替え終わると手っ取り早く二人の板などを車に積み込んで、途中の渋滞を予想してペットボトルの飲み物や缶コーヒー、スナック菓子などを仕入れ、エンジンをかけて車を暖めながらミカを待った。
翔太はこう言う段取りは早い。
 しかしそれから15分ほどが過ぎてもミカは現れなかった。
(ミカのやつ何してんだ・・、あれほど時間かけ過ぎるなって言ったのにっ!)
 翔太はややイラだっていた。
ちょうどそこへ、降りしきる雪に似合わないミニスカート姿のミカが、大きなバッグを引きずりながらやって来るのが見えた。
その顔はニコニコしている。
翔太は運転席から飛び出すようにしてミカを迎えると
「あのなぁ〜、遅いよぉもぉ〜。お土産なんて適当なものでいいんじゃないの?」
 と、ややきつい口調で言った。
「う〜んもぉ!そういうこと言わないの!翔ちゃんのも買ってきたからぁ〜」
 お気楽なミカは翔太が何をいらだっているのか知る由もなく、お土産袋に入った地酒セットを取り出して翔太に渡した。
「お家で飲むも良し、先輩にあげるも良し。へへぇ〜私って気が効くでしょ〜!!」
「ああ、うん、ありがとな・・・こう言う変なとこは気が効くんだなぁ・・」
「あっ何よぉその言い方ぁ〜、いらないのなら返してよぉ!」
「あ、いやいや有り難く頂戴いたします。ミカ様〜」
 さきほどからひっきりなしに出発する関東ナンバーの車を見て、気を揉んでいた翔太であったが、ミカの天然を考えると怒る気にもなれず
「よし!じゃあ出発するか!!」
 そう言ってミカからバッグを受け取ると、車のトランクに積み込もうとした。
「あ、翔ちゃん、ちょっと待って!」
 ミカがややはにかんだような顔で翔太を見つめた。そして翔太の耳元に唇を寄せると
「あのさ、おしっこしてくるの忘れたぁ!」
 と、まるで子供のようにささやいた。
「も〜、これだもん!さっさと行っておいで!」
「はぁ〜い」
 ペロンと舌を出して駆けだすミカに
「先は長いからいっぱい出してくるんだぞ〜!」
 と叫ぶと、
「きゃ〜!エッチィ〜」
 ミカはそう言って両手で耳を塞ぎ、聞きたくないと言う仕草をしながら、ミニスカートヒラつかせながらをホテルに走り込んでいった。

 帰る決断をしてから1時間遅れの午後3時近くに二人は出発した。
第一関門の駐車場渋滞はあったが、それは20分ほどで回避することでき、逆送の湯沢方面への車の流れは少なくて、かなりスムーズな走行で湯沢ICから高速に乗ることができた。

「ミカ、ミカ、起きろよ!」
 翔太が軽く肩を揺すりながら声をかける。
「え・・あ、ごめん。私・・眠ってた?・・ここどこ?」
 エアコンの快適さと単調な高速道路の走行で、ミカはいつしか眠りの世界に入り込んでいたようだ。
「ああ、赤城高原のSAだよ。起こして悪いけさ、どちょっと休憩して何かお腹に入れとかないか。この先もけっこうあるから・・。」
「ん〜・・私、まだお腹空いてないよぉ。翔ちゃんだけ食べておいでよ。」
「そうかぁ?じゃあパンか何か買ってこようか?」
「ううん要らない。翔ちゃんが買ってくれたポテチとかチョコがあるもん。」
「判った、じゃあオレだけ行ってくるけど、ミカ、トイレだけは行っておいでよ。
車の合鍵は持ってるだろ?」
 翔太そう念を押すと車を降り、とりあえずうどんかそばでも食べておこうと、粉雪が舞う中を店に急いだ。
 一方お気楽なミカは、
(寒いし出たくないなぁ・・。おしっこも全然したくないし・・)
 出発前にトイレを済ませてミカであったので、この時点で尿意はまったく感じていなかった。
(でも・・チョット心配だし・・やっぱり行っておいたほうがいいかなあ・・。)
 万が一のことを考え、ダウンジャケットを羽織って渋々車から降りるミカ。
「ひぇ〜寒いぃ〜〜いっ」
 寒さに身を縮めながら車をロックし、小走りでトイレに向かった。
「え゛!!」
 が、ミカが目にした女子用のそこは人で溢れており、中に入りきれない人だけでも30人を超えるのではと思われるほどの長蛇の列が出来ていた。
その最後部は建物の屋根から外れかかっており、寒いのか、あるいは尿意を堪えるためか、しきりに体を揺すったり足踏みを繰り返している人も目に入った。
(ひえぇ・・これじゃあ何分かかるかわかんな〜い。どうしようかなぁ・・?)
 その光景を遠目に見ながら、ミカはちょっと下腹部に力を入れておなかをへこませたり、手でおへその下あたりを押さえてみたりしてみたが、おしっこの気配は全く感じられない。
苗場を出てから摂った水分は缶コーヒー1本だけで、いざとなってもこの先にPAはいくらでもあるし、埼玉に入って3車線になれば渋滞も解消するだろう。
だったらあんな寒そうな所に並ばなくてもいいのでは・・?
ミカはそう思ってそそくさと車に戻ってしまった。
大変な目にあった昨日のトイレスルー事件の教訓が、お気楽なミカには生かされていないようであった。
暖かい車に戻ると、ミカはさっそくポテトチップスチの袋を開け、カップにペットボトルからウーロン茶を注ぎながら
「チョットずつだよ!」
 と、一応自分に言い聞かせながら飲んでいだ。

 15分くらい経つと、翔太が肩をすくめながら戻ってきた。
「ひぇ〜寒いな〜。いやぁ〜参ったよ。たかが立ち食いそばに長蛇の列だぜ。おまけにトイレも・・あっ、ミカは行ってきた?、携帯トイレはもう無いよ。」
「うん、大丈夫!」
 ミカが言った言葉はウソでは無い。
「大丈夫」とは言ったが「行ってきた」とは言っていない。
翔太は一抹の不安を感じながらも、先を急ごうとすぐに車を走られていった。

 どの位眠ったのであろうか、ミニスカートの足もとが冷えて目を覚ましたミカ。
もともと運転する人と助手席に座っているだけの人では、体感温度が1度は違うと言われているが、翔太は温まった体温に合わせて、先ほどからエアコンの温度を少し下げていたのだ。
「あ、ごめ〜ん。私また眠っちゃった・・・へへ・・」
「いいよ。俺は大丈夫だから・・、何ならシート倒して寝ちゃう?」
「うん、ありがと・・・でも、ちょっと寒いかな〜」
「ああごめん。俺エアコンの温度下げちゃったんだ。」
「あ、気にしないでいいよ。運転する人が第一だもん。でも足元が冷えるから翔ちゃんのジャケットか何か貸してもらえる?」
 ミカはこのとき、軽い尿意を感じだしていた。
「ああ、それなら後ろにベンチコート積んであるから、それ使いなよ。」
 後部座席には翔太がもしものためにと積んでおいた、ひざ丈まである綿入りのベンチコートがあった。
それを胸のあたりから掛けて足先までスッポリと包み込むと、
「へへ、これ暖かいね。なんだか翔ちゃんの匂いもするし・・」
 足元が少し暖かくなった事で気をよくし、ミカは翔太の横顔に微笑んでいたが、
(飲んだのは缶コーヒー1本と・・ウーロン茶もちょっとだけだしぃ・・)
 内心は尿意を感じだした不安が拭いきれず、改めて摂った水分を思い返していた。
確かにホテルを出てから口にした水分はそれだけであったが、寝起きに飲んだ部屋のお茶、朝食バイキングで調子に乗って飲んだ2杯の紅茶、遅い昼食でも同じように水やコーヒーを飲んでいた事を計算に入れていなかった。
ゲレンデで汗をかき、出発前にトイレを済ませたとは言っても、ミニスカートにナマ足ではやはり体が冷えてもおかしくない。
(やだな〜、おしっこ我慢できるなかぁ・・?)

   速度は遅いものの、順調に流れている走行車線をキープしながら、二人は苗場での場面を思い出しながらあれこれ話しに華を咲かせ、気がつくともう花園IC近くまで走ってきていた。
 翔太との楽しい時間を過ごしていたミカであるが、その頃になると尿意はなかりハッキリとした存在になって、意識の片隅から中央へと幅を利かせ始めていた。
しかし先ほど寄った赤城高原SAで、実はトイレに行っていない事をごまかしていたために、そのことをなかなか切り出す事ができないでいた。
(どうしよ〜・・、おしっこしたい・・翔ちゃん怒るかなぁ・・?)
 そんなときに翔太の話がちょっとエッチな方向へと向き始めた。
(ああん、こんな時にあんましエッチな気持にさせないでよぉ〜)
 翔太の話術にはまりこんでしまったミカは、おしがまの刺激も加わって徐々にワレメあたりがムズムズして来るのを感じていた。
「ねえ翔ちゃん、少し横になっていいかなぁ?ちょっと腰が疲れちゃった。」
 シートを倒して少しでもお腹に負担をかけない姿勢を取りたかったミカ。
「うん?そうかぁ〜、まだ先はあるからな。眠たかったら眠っていいんだよ。」
 まさかミカがかなりのおしがま状態になっている事など知らない翔太は、優しくそう言って、片手でベンチコートをかけ直してやったりしていた。
 トイレに行きたい事を告げられない以上、眠ってしまえば少しはおしっこを忘れられると思ったミカであったが、翔太のエッチな話に体が反応してしまい、そこに高まってきたおしがま感覚が重なって、どうしてもモヤモヤとした気分をぬぐいきれなくて、眠ろうとすればするほど頭の中をエッチな妄想が駆け巡って、逆に目が冴えてしまっていた。
(んと・・今は7時前でしょ・・、帰りに翔ちゃんはきっとラブホに行こうって言うだろうなあ・・。ん〜、それとも家の近くまで送ってくれて、近くの公園で車を停めて・・そこでエッチなことするのかなあ・・?)
 そんなことばかりが頭を巡り、体の奥の方がジュンっと熱くなって来たのを感じてしまうミカ。
少しも眠ることが出来ないまま、いたずらに時間だけが過ぎていき、そうこうしているうちにミカの尿意はますます高まって、落ち着かなくなってしまった。
翔太の手前、あまりモゾモゾと体を動かすことが出来ず、なんとか尿意を押さえられないかと、翔太の大きなベンチコートの下であるのをいいことに、ミニスカートの中にそっと手を入れた。
ワレメのあたり押さえようと思ったのだ。
しかしこれが間違いの元であった。
(あっ!)
 そっと押さえたつもりの指が、なぜか敏感になっている部分に当たってしまって、思わぬ快感が走って声が出そうになり、ミカは慌てて口をつぐんで「ん!」と言う声に変えた。
(あぶなかったあっ、翔ちゃんに気づかれちゃう・・)
 寝息のような「ん!」という発声に変えたことで、おそらく翔太は何も気づいていないであろうとミカは思った。
しかしそんなことよりも、ミカはたった今感じてしまった快感の波からはい上がることが出来なくなってしまっていた。
(どうしよう・・変な気持ちになっちゃう・・けど・・こんな所でダメだよ!バカじゃない!!ん〜・・ちょっと触る位ならいいかなぁ・・激しくするわけじゃないし・・でも声が出ちゃったらどうしよう?・・でも・・ちょっと感じるだけなら大丈夫だよね・・?)
 半分夢うつつのようなボ〜っとした思考回路の中で自問自答し、ミカはパンツの上からクリト○スをさすり始めてしまった。
それはまるで誰かに操られているかのような、そんな自然な動きであった。
(私・・すごくバカなことしてる!・・でも・・ちょっとだけ、ちょとだけだからいいよね!コート掛けてるから翔ちゃんに分かりっこないし・・あはぁ〜、凄い!
変な気持ぃ〜フワフワしてるぅ〜・・・あ、あ、おしっこ漏れそう・・あ・・なんか・・あ・・いきそう・・・)
 おしっこがしたくて湧きだした快感と、こんな所で危ないことを始めてしまった自分の背徳感に我を失い、かすかではあるが「くぅん!」と、くぐもった声を漏らしながら、あっけないほど短時間でミカはイッてしまった。
それは軽い絶頂であったが、ビクンッと両足を突っ張ってしまい、体が硬直しておしっこを少しだけチビってしまっていたミカ。
(やだ・・私ったら・・こんなところでぇ・・)
 翔太に悟られないように、そ〜っと呼吸を整えながら、それでもミカはまだその余韻に浸っていた。
 流れるロックの歌詞に合わせて鼻歌を歌っていた翔太であるが、めざとい彼がミカの異変を見逃すはずはない。
ミカの呼吸が整って、次第に落ち着いてきた頃合いを見計らって、
「ミカ、ミカ、どうした!?」
 と、あとから思えば少しわざとらしい声をかけてきた。
ミカは「気付かれた!?」と、一瞬心臓が止まる思いをしたが、
「え、え、何?・・私・・あ・・なんか変な夢見てたぁ〜」
 あえてびっくりしたような顔を作り、あたりをキョロキョロと見回して、なんとかその場をごまかそうとした。
「そっかぁ、ならいいんだけど、なんかうなされてたみたいだし・・」
 ハンドルを握ったまま、翔太はなおも言葉を続けた。
「汗かいてるようだからコート外したら?」
 そう言ってベンチコートに左手をかけようとする。
「あ、いいのぉ!汗なんてかいてないから!」
 ミカはその手から逃れようとあわてて身をよじった。
実際は興奮の汗と冷や汗で、背中やお尻の辺りはジットリしていたが、今コートをとり外されると、めくれあがったスカートや、シミができたパンツまでもがあらわになってしまい、恥ずかしい行為をしていた事が全部バレてしまうようで、ミカは内側からしっかりとコートをつかみ、体を丸くしていた。
(あ〜ぁ、ひょっとしてバレちゃったかな・・もう私ってバカなんだからぁっ!)
 後悔と自責の念にさいなまれたミカであるが、今さらどうしようもない。
自分で場の空気を壊してしまったために、まともに翔太の顔を見ることが出来なくなっていた身をすくめていたが、気持ちが徐々に落ち着いてくると、今度は強い尿意の波が襲いかかってきた。
少し漏らしてしまったおしっこがパンツの中で冷え、それが呼び水になったのか、もうさほど余裕がない事をミカは悟り、早いうちに翔太にそのことを告げなければ大変なことになってしまうと思った。
しかしそうは思っても、SAでトイレに行ったフリをしたことと、いけないことをしてしまった後ろめたい気持ちで気後れしてしまって、いざ言おうとしては口をつぐんでしまう。
(ああんもうぉお・・早く言わないとまた怒られちゃうのにぃ〜・・)
 翔太の顔色をうかがうようにして、ミカはそのタイミングをねらっていたが、なぜか口数が少なくなった颯太に対し、そのチャンスはなかなか訪れなかった。
 ちょうどそんな時、道路情報の掲示板に練馬出口渋滞というアナウンスが見えてきた。
「ああ〜練馬渋滞かぁ〜、なあミカ、まだ時間も早いしさ、所沢で降りて飯でも食おうか?さっきの立ち食いそばだけじゃちょっと物足りないしさ。」
「うんいいよ。私もおなかすいてきたぁ〜!」
 ミカはホッとして、これまでの事をを取り繕うように、ことのほか明るく言った。
もうおしっこ我慢が限界に近づきつつあったので、トイレに行けるなら食事でもお茶でも、とにかく車から降りられるのなら何でもいいと、そんな風に思っていたミカであった。

 所沢ICで高速を降りると、大宮バイパス方面には行かず、翔太は一般道を郊外方面に向けて走り出した。
「あれ?翔ちゃんこっちの道でいいの?」
 少し不安げに聞くミカに、
「うん、いいの!」
 翔太はそれだけを答えた。
何となくそれ以上聞きにくいミカは、迫ってきたおしっこの不安も混ざって落ち着くことが出来ない。
(はやくぅ・・早くおしっこぉ・・)
 焦るミカの事など気にしていないのかのように、翔太はまっすぐ前を向いたままハンドルを握っていた。
 それから5分ほどが過ぎ、信号待ちで停まった交差点の少し先に、ライトアップされた白い建物が見えてきた。
信号が変わるやいなや、翔太は躊躇することなくその建物に向かってスルスルと車を走らせる。
「えっ、ご飯じゃないの?」
 そう聞くミカに
「うん、へへっ、先にミカって言うごちそうを食べたくなっちゃったよっ!」
 何となくいつもの翔太と違い、目つきが怪しい。
「もうおぉ!エッチなんだからぁ〜!ご飯はどうするのよぉ?」
「うん、ご飯は後でいいじゃん! ん、ミカはいやなのかなあ・・?」
 イヤもなにも、すでに車は建物の駐車スペースに滑り込んでいた。
ミカは無言でいたが、先ほどイケナイことをした体はまだ少し火照りが残っており、加えて限界近くまで溜まってきたおしっこの疼きも加わって、その体はもう出来上がっていると言ってもいいほどになっていた。
 車を停めると翔太は助手席のドアを開けてくれ、ミカを抱きかかえるようにして部屋に向かった。
「翔ちゃ〜ん・・あのね・・あのねぇ・・」
 ミカはトイレに行きたいことを告げたかったが、無言のままで部屋選びの動作をしている翔太に対し、どうしてもその先の言葉が出ない。
そのまま部屋に入るや否や、翔太はミカに抱きついてキスをしてきた。
「あん!翔ちゃん待ってぇ!そんなに急がないでぇっ!」
 重力の関係もあるのか、立っているとおしっこが漏れそうでじっとしていられないミカは、そう言って翔太から逃げようとしたが言うことを聞いてくれない。
そのまま足をモジつかせながらキスを受けていた。
そうこうしているうちに、翔太はいつもの器用さであっという間にミカの服を脱がせて、パンツだけの姿にしてしまった。
ミカはお漏らしして濡れてしまっているパンツを気にしたが、それよりも
(・・おしっこしたいぃ・・漏れちゃうよぉ!!)
 という焦りと、
(でも・・このまま感じちゃいたい・・ん・・いいんだよね!!)
 という大きな期待感に包まれてしまっていた。
強く抱きしめられながら荒々しいキスを受け、体の力が抜けてしまうと、ますますおしっこしたいとは言い出せなくなって身を任せてしまうミカ。
いや、あえておしっこのことは言わずにいたとも言えるミカであった。
背徳感が体を包み、それによって思考回路は乱され、キスだけでミカは少し声を荒げてしまっていた。
そのまま抱き上げられてベッドに寝かされると、翔太はいつもより慌ただしくパンツの上からクリト○スに手を伸ばしてきた。
(やんっ!お漏らししたのがバレちゃうっ!!)
 一瞬体を硬くしたミカ。
普段なら間違いなくそれを指摘してミカを困らせるのに、このときの翔太はそのことを全く口にせず、荒々しく指を動かしていた。
いつもの優しい翔太も好きだが、この荒々しさもミカにとっては大きな刺激となる。
「あぐ・・翔ちゃん・・待って・・あのね・・あん・・おしっこしたいのぉっ!」
 ミカはたまらなくなって、先ほどから我慢していることを告げた。
翔太はその言葉を聞いても指を止めない。
「ぐ・・イっちゃぅよぉ・・」
 その強い刺激であっと言う間に昇りつめそうになってミカである。
その時、急に翔太の手が止まった。
「ああぁん、意地悪ぅ〜〜、何でやめちゃうのぉ〜」
 ミカがだだをこねるように言うと、翔太の指はパンツの隙間に入り込み、じかにクリト○スを攻め出した。
そこはすでにとろとろ状態になっており、そのことを指摘されると思って力を入れたミカであったが、翔太はやはり何も言わずに指を動かした。
「あっくぅ……ぅ〜ん、あはぁ〜、イッちゃいそぉなのぉ〜」
 そう言って翔太にしがみつくと、また翔太は手を止めた。
「あはぁ〜ん、もぉ〜またぁ〜意地悪ぅ〜、ねえ翔ちゃぁ〜ん!!」
 ミカは腰を振りおねだりする。
何度もそうされると、敏感になりすぎた体がうずいて、ミカはたまらなくなる。
4度目か5度目の時だった。
「あ、あ、あ、ダメ、ダメ、イク、イク、イッちゃうぅぅぅ……」
 ほんの少し翔太の指が円を描いただけで、ミカは身震いしながら昇り詰めてしまい、ジュワ〜ッとパンツ越しにおしっこを広げてしまった。
「やぁあ〜ん・・」
 あわてておしりに力を込め、それ以上漏らさないようにとミカが踏ん張ると、翔太はまたクリト○スを触り出した。
「ああん〜、今はダメェッ・・まだビンビンするのぉっ!!」
 泣き叫ぶようにそう言っても、翔太はクリト○スを触ることを止めようとはぜず、さらに唇まで重ねてきた。
「ああん、翔ちゃんってばぁ〜…あ、あ、でもヘン…何かまた来てるぅ」
 いつもと違う荒々しさと、おしっこが混じったワレメの感覚が妙にいやらしく感じられ、ミカは大きく反応してしまい、
「翔ちゃん…おしっこ…おしっこ出ちゃっても…いい…?」
 すべてを翔太にゆだねようとしたとき、またもや翔太が動きを中断した。
「あ〜、もぉ〜、何で今日はそんなに意地悪するのぉ〜」
 狂ったようにミカが言うと、翔太はやっと口を開いて
「ミカ、さっき車の中で何してたの?」
「!!」
(あ!やっぱりバレてたぁっ!)
 心臓が止まるかとまで思ったミカであった。
「さっき、ベンチコートの下でミカのお手ては何をしてたの?」
 そう言いながら、翔太はミカのクリト○スをまた優しく転がした。
「あ、あん、な…何って別にぃ……」
 何とかごまかそうとするミカに対して、クリト○スを転がす動きが速くなる。
「あん…ダメ、それ…おしっこ漏れちゃうぅ……」
「別にぃ〜って、変だったよねぇ?」
 ミカの顔をのぞき込むようにして、翔太は動きを止めた。
「変って……何がぁ……そんなこと…ないもん……」
「そうかなぁ〜?正直に言わないと・・」
 翔太は親指と中指でつまみ上げるようにして、その指をすりあわせるようにして動かした。
「言わないとイかせないよ。おしっこもさせてあげない!」
「あうぅいやぁ〜ん…あああ凄いよぉ!」
 これ以上繰り返されたらたまらない。
ミカはそう思って重い口を開いた。
「あのね…恥ずかしいけどぉ、おしっこしたくなって…手で押さえてたのぉ!」
「本当に押さえてたの?それだけ?変なことしてない?」
 優しい言い回しであったが、翔太の言葉は重かった。
黙っているミカに対してまた指の回転運動が始まる。
「やんやん…ダメェ、イッちゃう!おしっこ漏れちゃうぅ!」
「本当に押さえてたの?それだけ?変なことしてない?」
 ミカにとってはまるで拷問だ。
お互いにSM趣味はないが、今の言葉のせめぎ合いは心のSMと言っても過言ではない。
「素直に、言ったらイカせてあげるよ。」
 そう言って翔太は強弱をつけたり、中断したりしながらミカを促した。
「ああん、意地悪〜、変なことしてないもん……押さえてただけよぉ〜」
「おしっこしたくなって触ってたら気持ち良くなったんでしょ?」
「うん…あ、違うぅ!おしっこしたくなって押さえてただけぇっ!」
 誘導尋問に乗せられてしまったミカ。
「そしたら、チョット気持ち良くなってきたんだ!?」
「うん…押さえてたら……あ、あ、あ、翔ちゃん意地悪しないでぇ〜」
「で、気持ちいいから、サワサワしちゃったんだ!」
「ん、ん、触っちゃったぁ〜ん、ん…そう、触ってたのぉっ!」
「で、イッちゃったの?」
「触ってたのぉ〜」
「だから、触ってイッちゃったの?」
 ここまで来るともう限界だ。
ミカはイカせてほしさと恥ずかしさと、そしてパンパンに張り詰めているおしっこのうずきがすべて交叉し、頭の中が真っ白になりかけていた。
「うん…うんそう…イッちゃった…自分でイッちゃったのぉっ!」
 そう告白してしまうと、自分の恥ずかしい行為を知られた興奮、そしてそれを自ら口にした興奮が入り混じり、ミカは背中をブリッジのようにのけ反らせ、翔太につかまりながら
「翔ちゃんもうだめぇっ、イカせて〜、あ、イッちゃう〜、あ〜出ちゃうぅう〜!」
 これまでにない大きな声あげた。
それと同時に、ミカのワレメからシュワシュワシュワと複雑な音を出しながら熱いものが吹き出し、それは堰を切ったような勢いで翔太の手を濡らし、パンツから溢れてみるみるうちにベッドに広がっていった。
「あああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜翔ちゃ〜〜ん!!」
 顔をくしゃくしゃにして、ミカは翔太にしがみついている。
その間もミカのおしっこは後から後から溢れ出ていた。

「あぁん、うぅ〜ん、はぁ〜ぁ……」
 ミカはゆっくり過ぎていく快感に身をゆだねながら、なおもまだピクピク感じているようであった。
「やっぱりそうだったんだね。変だと思ってたんだ。チビっちゃったんだね?」
 翔太にそう言われてしまうと、ミカは全てを打ち明けるしかない。
ずっと前に翔太から一人エッチするのかと聞かれ、翔太に置いてきぼりにされたあの夜にそれを覚えてしまったこと。
それ以来我慢することと快感が交差しだしたこと。
それを続ければ続けるほど、エッチな気持が高まること。
さっきは本当にそんなこと始めるつもりは無かったが、赤城高原のSAでトイレに行かずにいたために、おしっこの事が言いづらくて我慢していたら変になって、夢うつつのうちに少し触っただけでイッてしまったことなどを・・・。
それでも、黙っていることや伝えないことで、その背徳感が強まり、尚のこと高ぶってしまうことだけは言えなかった。
「私、凄くエッチな子になっちゃったみたい・・・」
 ミカは少し恥ずかしそうに、そしてバツ悪そうに翔太の胸に顔を埋めてきた。
「いいんだよそれで。だってオレがミカをそういう風にしてきたんだから!」
 翔太は優しくミカを抱き寄せた。
「でもぉ・・」
「ん?」
「私ばっかり恥ずかしい思いさせてぇっ!!」
 何を思ったか、ミカがいきなり態度を翻してきた。
「私に恥ずかしい事言わせたんだからぁ、翔ちゃんも責任取ってよねぇ!!!」
 ミカはそう言うと、まだ硬いままの翔太の分身を強く握りしめ、しばらく手で遊んだ後、体を起こして自分からその上に乗って、
「ね、激しくして、私・・今日はおかしいの、壊れちゃたのぉ〜」
 そう早口で言うと、ゆっくりと腰を落としてきた。
「いいよ!任せておけ!!」
 翔太はそう言うが早いか、下から思い切りミカを突き上げた。
ミカは上に覆いかぶさり、されるがままに身を任せる。
おしっこ溜まりの中で、二人は大きく体を上下させ、我を忘れたミカは声をあげて反応しながら激しく愛し合って果てていった。

   二人の嵐が治まり、冷たくなったおしっこ溜まりの中で安息が訪れるまで体を密着させて、いつまでもキスをしていた。
やがて余韻が去ると翔太は体を起こし
「ミカ、シャワーしよっか!」
 優しくそう言ってミカを抱き起こし、おしっこのしずくが垂れるのも気にせずにバスルームへと移動していった。
シャワーを浴びながらミカが言う。
「ねえ・・、おしっこしちゃったシーツ、どうしよう?」
 そういったミカの心遣いが翔太にとってはたまらない。
「いいよ。放っておこう。申し訳ないけど・・・」
「でもぉ〜・・・恥ずかしいな・・・」
「仕方ないさ、こういう所は、下にシート敷いてあるから大丈夫だよ。」
 翔太はミカに言い聞かせるようにそう言って、抱き合いながらシャワーを浴びた。
「あ〜ん、新しいパンツ、車の中だよぉっ!」
 突然思い出したようにミカが言う。
確かにすべての荷物は車に残したままであった。
「はは、しようがないなあ。じゃあノーパンで帰ろうか!」
「もうおっ翔ちゃんの意地悪!ヘンタイっ!」
 どうやらいつものミカに戻ったようだ。

 車に乗る時、ミカはトランクに置いていたバッグの中から新しいパンツを取り出し、車の影で恥ずかしそうに穿き換えた。
ミカにはああ言ってみたものの、翔太は汚してしまったベッドの事が少し気になっていて、バツが悪いのかエンジンをかけると勢いよくホテルを飛び出していった。
 二人は途中でファミレスに寄り、遅い夕食を済ませると再び首都高に乗ってミカのうちに向かった。
 結局ミカのうちに着いたのは、日付が変わってからになっていた。
道具を下ろし、抱きよせてキスすると翔太は
「前に一人エッチする?って聞いただろ?、あれ・・きっとミカは好奇心からするだろうなぁ〜と思ってチョット計画的だったんだ。」
 と、この時点になってミカに告白した。
今さらそう聞かされてもミカに返す言葉はない。
翔太は更に続けた。
「やっぱりしちゃったんだね、お漏らしまで・・。ね、今度一人エッチで漏らすの見せてよ!」
 と、耳元でささやいた。
「も〜エッチ!バカ!スケベ!変態!見せられるわけ無いじゃん!知らない!」
 深夜の自宅の門の前、声をひそめながらミカはひとしきり悪態をついた。
そう言って拒否するミカであったが、見せてと言われた時、またズキンと熱く感じるモノがあり
「そんなん絶対ダメだからね!」
 と言いつつも、心の中では
(いつか・・見られちゃうのかなあ・・?)
 などと思っていた。
翔太は車に乗り込み、ドアを閉める時にもう一度ミカを引き寄せてキスをした。
走り去る時、誰かの歌にあるのを真似してブレーキを踏み、テールライトを5回点滅させ「あ・い・し・て・る」のサインを送った。
(翔ちゃ〜ん、私もあ・い・し・て・るよぉ〜!!!)
 走り去る翔太のテールランプにずっと手を振っていたミカ。
やがて視界からそれが見えなくなると、
(ひゃ〜っ、おしっこもれちゃいそ〜〜!!)
 ミカは大急ぎで荷物を担いで玄関の鍵を開けた。
ホテルを出てから今まで、またずっとおしがましていたミカであったのだ。
(私・・やっぱりエッチな子になってるよぉ!!)



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