どれくらい我慢できるの?その2



 当研究所に、もう一つ興味深いデータがあります。

 その時のまわりの状況によって人間の脳は臨機応変な判断を下していくという事は先に述べましたが、同一人物で、しかもまわりの状況が同じであっても我慢出来る量にはバラツキがあるのです。
その原因は、その時の「おしっこが作られるスピード」です。
皆さんは、お茶やジュース等を沢山飲んだ後に、おしっこがよく出るという事を御存じかと思います。長年にわたる当研究所での実験データによりますと、利尿効果の強い飲み物(例えばコーヒーやビール等)を『短時間』に『大量』に摂取した後の我慢が一番多くの量を溜める事が出来るようです。
反対に、特に利尿効果のない物(たとえば水など)を同じ量、同じ時間で摂取した場合は、いつも以上に頑張って我慢したつもりなのに、実際の量は上で述べた場合に比べると、随分少なくなります。

●当研究所研究員A子さんに、まずトイレに行ってもらい、その後10分間で水を1リットル飲んでもらいました。その後おしっこをギリギリまで我慢してもらい量を計ります。

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●翌日、同じ時間に同じ条件で、こんどは利尿効果の高いアイスコーヒーをやはり10分間で1リットル飲んでもらって、同じようにギリギリまで我慢してもらったおしっこの量を計ります。

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 このような実験を何度も繰り返すことにより、本人はいつも同じくらいギリギリまで我慢しているつもりなのに、利尿効果の高いものを飲んだ時程、実際には我慢出来る量が多いという結果が出たのです。

 そして、上の実験でもう一つ注目すべきデータがあります。何と実際に我慢をしている『時間』は「水」を飲んだ時の方が、必ず長いのです・・・

・・・少しずつ、おしっこ我慢の仕組みがわかってきましたね。


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