由衣の独り言 13(ひとり我慢)




 前にもお話ししてたけど、あれ(由衣の独り言12)からいろいろあってさ、ついに私たちは夫婦は関西に住むことになったのだ〜!
と言ってもそう簡単に事が運んだ訳じゃなくてね、けっこういろんな事が絡んで、結局有期限の大阪本部出向・・って形になったのね。
お仕事の内容なんかは別の機会にお話しするとして、新しい住まいはね、詳しくは言えないけど、JRで京都に向かっていったある駅から徒歩5分ぐらいの、けっこういいところで分譲貸しのマンションね。
社宅として使っていたらしくて、家具なんかはけっこう揃っていたから、とりあえずの荷物だけ引越し屋さんにお願いして、あ〜ちゃんとドライブ気分で500キロ走って関西入り!!
けど・・こっちでは足立ナンバーって目立つよぉ!!
 9月28日から新しい職場で働き出したのね。
私たちが関西に引っ越すって言うので、ドタバタ仲間の希美、香織、真理の3人がね、観光をかねて同窓会をやるって言い出してさ、9月の飛び石連休を利用してわざわざ来てくれたのね。
希美は娘の芹香ちゃんを2日も放っておけないからって1泊だったけど、後の二人は2泊していったよ。
真理「おう由衣!、相変わらずちっこいなあ!」
由衣「よく言うよぉ、真理っぺが一番小さいくせにぃ!」
香織「お前ら3人とも似たようなもんだろっ!」
 お決まりの挨拶(?)から始まって、わ〜わ〜言いながらまだ片付いていない新居に案内して、その夜は和室にお布団並べて女3人でおねんね。
あ〜ちゃん、きっとおちつかなかったただろうなあ・・。
 翌日は希美がやって来るのでみんなして京都駅まで迎えに行って、そのまま東映の太秦映画村へ。
それから嵯峨嵐山駅まで行ってトロッコ列車に乗って亀岡って所まで脚を伸ばして、その夜は亀岡湯ノ花温泉に4人で泊まったのね。
家族風呂が1時間だけ使えたので、卒業旅行以来6年ぶりにみんなしてお風呂に入って騒いでいたら、1時間を超えてしまって怒られた・・・。
で、なぜか真理っぺが言い出して、みんなのおっぱい触り合いになって、大きい順に香織、真理、希美、由衣・・・(^^;;) ののたんは子供におっぱいあげてたから、いつの間にか私よりも大きくなっていたよぉ・・・。
 翌日は保津川下りって言うのに乗ったのね。
これは亀岡から京都の嵐山までの渓谷を、船頭さんの竿ひとつで下る船旅で、この川が桂川になって大阪の淀川になるんだって。
1時間弱の船旅だけど、途中でののたんがおしっこしたいって言い出して、嵐山に着く頃は泣きそうになっていたよ。
 その嵐山でお昼を食べて、タクシーで京都駅へ。
そして3人揃って、静岡に停まるひかり号で帰っていった・・・。
真理と香織がそこで降りて、真理は甲府へ、香織はこだまに乗り換えて熱海へ。
ののはそのまま東京まで・・・。
なんか・・、みんなを見送ったら寂しさがこみ上げてきてさ、おうちに帰ってからあ〜ちゃんに抱きついて泣いていた私・・・。

 そんなことがあって1ヶ月近くが過ぎたのね。
お仕事もかなり慣れてきて、親しくしゃべる人もちらほら出来てきたある日の日曜日ね、ボランティアでびわ湖に行ってほしいって言われたのよさ。
これは、本部のお金持ちとかヨットを所有しているドクター数人が、毎年ある福祉施設の人たちをクルージングに招待しているもので、そのお世話係をって言われた訳ね。
まだ不慣れな毎日だからとまどいもあったけど、ヨットにも乗ってみたいって気持ちがあったのでOKしちゃいました。
あ〜ちゃんは別の用事があってこれなかったけど、由衣ちゃん初の大冒険!!
一緒に行く男2,女1と京都駅で待ち合わせて、びわ湖の西側を走る湖西線ってのに乗って現地の駅に着いたら、本部の人が迎えに来てくれてハーバーへ。
 招待客は三十数人いて、ヨットは4隻。ボランティアは男女8人だから、ひとりで4人ほどお世話するのね。
桟橋からヨットに乗り込むときだけ手を貸す必要があったけど、後は特に何もすることが無くて、みんなと一緒にびわ湖遊覧を楽しんだんだわさ。
 私が乗ったヨットは、キャビンって言うのかな、広い空間にソファーとか冷蔵庫とかテレビとかいっぱい装備されていて、う〜んステキ!!
こういうの体感するとお金持ちっていいなあって思ってしまうね。
 この日はけっこう暖かくていいお天気だったので、救命胴衣を着けているから少し暑いぐらいに感じられたけど、沖の方に出ると風が強くなってきて、短パンにナマ足ハイソの恰好ではさすがに少し冷えてきたけど、初めてのヨットに感動しまくりでそんなの気にならなかったよ。
帆の操作はさせてもらえなかったけど、風の向きを読んで操作しているドクターがカッコよく見えたなあ・・。
 近江大橋だったかびわ湖大橋だったかのそばまで行って、そこで引き返す約2時間のクルージングだったけど、もうサイコーにいい気分だったあ!!
冷蔵庫にあった缶コーヒーとかジュースなんかをね、まるで自分の所有物みたいに
「遠慮なく飲んでくださいね!」
 なんて配っていた私がいた・・・。
はは・・、にわかセレブの気分になっていたんだろうね。
 そのあとは湖畔でバーベキュー。
このときの方が大変で、飲みのもを配ったりお肉とか野菜を焼いたり、それをみんなのテーブルに配って歩いたりして、けっこう疲れたよ〜。
ヨットで少し脚が冷えていたから、ほんとはおしっこ行きたかったんだけど、招待の人たちがレストハウスって言うのかな、そこのトイレに行く誘導なんかもしてたから、なかなか自分が行くタイミングが無かったのね。
2時間ほどが過ぎて、みんなお腹も一杯になって雑談だけになった頃、ようやく時間を見つけてトイレに行ったらね、朝から何も食べていないもんだから、急にお腹がグ〜グ〜言い出してさ、時計を見たらもう午後2時半じゃん!!
なにかたべた〜い!!なんて思いながら後片付けを手伝って、施設のマイクロバスが迎えに来て、皆さんを見送ったら気が抜けてその場にへたり込んじゃったよぉ。
 けどその後にごちそうが待っていた!!
今度は残ったオーナーとボランティアみんなでレストハウスのデッキに移動して、バーベキューの再開!!
近江牛なんかもどんどん焼いて、ビールもグビグビ飲んで、あんまりしゃべったことがなかった職員とも一気にしゃべり出して、5時過ぎまで騒いでいたのね。

 お開きになって、
「タクシーを呼ぶから準備して待ってて!」
 なんて言われて、あわててトイレに並ぶ私たち・・。
いつタクシーが来るか分からないから落ち着かなかったあ!!(笑)
で、乗り込もうとしたら本部の偉いさんが、
「タクシーチケット渡すから順番に直接家まで帰りなさい。」
 なんて言うのね。
みんな疲れているだろうから、ゆっくりタクシーで帰ったらいいよって事よ。
たしかに疲れていたし、おまけにビールを飲んで脚もだるくなっていたから、満員の電車で帰るのはちょっとイヤだなあって思っていたので大助かり!!
サブプライム問題で不況になっているのに、まだまだ太っ腹のお金持ちはいるんだなあって、妙に感心していた私だったよ。
 で、来たときの4人が同じ方角だからって1台のタクシーに乗るんだけど、まだ地理が分かっていない私がどうやら一番最後に降りるみたいなので、そのチケットを受け取って乗り込んでいったら、私の横はあんまりしゃべらなかった男の職員さん(20代後半?)だった。
で、その横が親しくなったC子ちゃんで、助手席にもうひとりの男の職員が乗り込んで出発!!
山の手の高台を走る湖西バイパス(湖西道路?)から見る夕闇のびわ湖はきれいだったよ〜って言いたいけど、私は横に座っている大きな男が邪魔になってあんまり見えなかった。
おまけにこの男、狭いのに足を広げているもんだから、小さい私はますます小さく押しやられてしまってさ、ほんと、こういう男って大嫌い!!!
 そのバイパスはスムーズに流れていたんだけど、山科っていうところで京都市内に入ってからが渋滞・・・。
そりゃあそうだよね。夕方の6時過ぎってさ、混んで当たり前の時刻だよね。
C子ちゃんを送り届けるために、四条壬生川(しじょうみぶがわ)ってところに向かうんだけど、加茂川を渡るのに何回も信号待ちがあったりしてウンザリ・・。
そこへ持ってきて・・・
(ヤバッ、おしっこしたくなってきたあ!!)
 私の膀胱にはビールの副作用がジワジワと攻め寄ってきてるんだもんなあ・・・。
その時はまあそんなに深刻な感じはしていなかったんだけど、20分ちょっとでC子ちゃんが降りて、次に5〜6分ほど走って助手席の男性が降りて、嫌いな隣の男だけになると、その頃にはおしっこが黄色信号になりかかっていたのね。
(わ〜い、ビールが効いてきたよぉ!!)
 なんてのんきなことを言っている状態じゃなくなるのは時間の問題。
なのに車は渋滞気味でほとんどの信号に引っかかってる・・・。
(ガソリンが高いのに、なんでこんなに車が多いのよ!?)
 訳もなく他の車に八つ当たりなんかして、気分を紛らわそうとしていた私であったのだ。
「松本さんて凄いですね。」
「・・・は?」
 私の横で大きく足を広げた男がなんか言い出した。
「あ、僕、松本さんと同じ部署です。」
「はぁ・・はい?」
「突然東京からやって来られて、初めは少し反発してたんですよ。」
「・・・はぁ・・?」
「けどずっと見てたら・・仕事っぷりは凄いです!」
「はぁ・・」
 どうやらこのデリカシーが少ない男、あ〜ちゃんの部下だったみたい。
それから堰を切ったようになんだかんだって話しかけてくるんだけど、この男が口を開くたびに私の膀胱へ数ccのおしっこが送り込まれていくような、そんな憎悪感まで感じてしまって、工場地帯に入ったタクシーの中で私はちょっとイライラ。
(もうお、うっとおしいから早く降りてよぉ!!)
 なんて心の中で思いっきり叫んでいたよ。
けど・・、その男はなかなか降りないのね。
もうベルトをゆるめたいぐらいにお腹が膨らんできてるのに、その男がいるからモゾモゾ出来ないし、気が散るし・・・。
(あああ、もうおしっこしたいのにぃぃぃぃ!!!)
 せまい密室にいる私はその爆発しそうな苛立ちを押さえるのに必死だったよぉ。
チラッと見た時計は6時35分・・。
このタクシーに乗ってからちょうど1時間が経っていた。
乗る前におしっこに行ったけど、ビール飲んでいるからもう次の放出準備(?)が完全にできあがってしまった私なんだよね。
(今どのあたりを走ってるんだろう・・?、あとどれくらいで着くんだろう・・?)
 そんなことばっかり繰り返し考えていたなあ・・。
「あ、次の信号を右に入ってください。」
 やっとその男の家が近づいてきたみたいで、ホッとした私の気持ちを、やっぱりこのデリカシーが欠けた男は打ち砕いたのだあ!!
狭い路地をクネクネと、ホントに自分の家に横付けするために指示を出しているんだもんなあ・・。
(もうひとり乗ってるんだから近所で降りてよぉ!!)
 もう少しでそう言いかけてしまったよ。
で、結局そいつの住むアパートに横付け・・・。はぁあ・・・(^^;;)
「さーて、残るはお嬢さんの◎○までですね。」
 嫌いな男が降りて、やっと広くなった車内で運転手さんが言ったのね。
「あ、はい。どれぐらいかかりそうですか・・?」
「うーん、とりあえず(国道)171に戻って・・そうね、15分ぐらいかな。」
「は・・ぃ、お願いします。」
「近くに来たら道を指示してくださいよ。」
「・・はぃ」
あと15分も我慢できるのかなって、自分に問い合わせをしていた私。
だって、ひとりになった途端に、もうおしっこが漏れ出しそうな、そんな状態に追い込まれていたのよさ。
きっと張り詰めていた「キライキライ!」ってのがなくなって、気が緩んだのもあるんだろうね。
それは精神的な面だけど、肉体的にはホントにもうおしっこは満タンで、これ以上膀胱が膨らむ余地が無さそうになっていて、運転手さんに悟られないようにそっとベルトをゆるめて、短パンのファスナーも少し下げてお腹に余裕を与えてあげて、
(はぁ・・、ちょっと楽になったぁ・・)
 なんて思ったのも一瞬で、やっぱりおしっこしたいのには変化なし!!
さっき嫌いな男が降りるとき、暖かかった車内に冷たい空気が入り込んできて、そのおかげで今は脚が冷えているんだもんね。
ほんとにあの男ったらもうおっ!!なんて、冷たい空気はあいつのせいじゃないけど、八つ当たりせずにいられなかったよね。
(おしっこしたい!おしっこしたい!!)
 なんか、呼吸するのも膀胱に響くような気がして、かといって静かに呼吸なんか出来なくて、息苦しくなってくるのね。
見たこともない不慣れな場所を走っていて、先の不安ばかりがよぎるから、もうおしっこが爆発しそうになってるんだよぉ!!
(はぁ・・もう漏れそう・・もう・・出したいよぉ・・)
 何かにすがりたくて、ケータイを取り出してあ〜ちゃんに掛けたら留守電・・。
あ〜ちゃんはまだ帰って来ていないんだって分かったもんだから、それがますます不安をあおってしまったんだよね。
(・・もし漏らしたら・・どうしよう・・)
 どう少なく見積もっても、今の状況では「おチビリ」程度で済むはずがなく、漏れ出したらきっと一気に出てしまう・・。
そう思うと、恥ずかしいとか言う事よりも、迷惑を掛けてしまうその先のことを考えてしまって、ますます自分を追い込んでいる私・・・。
(でもぉ・・もう漏れちゃうよぉ!)
 ギュッと脚を閉じて力を入れているもんだから、湿っているパンツが食い込んでしまって凄く不快なんだけど、そんなこと言ってられない!
(いま何時かなあ・・?)
 時計なんか見ない方がいいのに、どうしても気になって見てしまうのね。
(7時4分・・)
 タクシーに乗ったのが5時半過ぎだから、もう1時間半ほど経ってる。
おしっこしたいなって感じ出してから1時間・・・。
バーベキューで飲んだビールは中ジョッキ1杯半で、あとウーロン茶も少し飲んでいた・・あ、それだけじゃなかった、ヨットで缶コーヒー飲んだし、お世話しているときもちょっとビール飲んでたっけ・・・。
それでおしっこに行ったのが2回だけだもん、体に入った水分が全部この膀胱めがけて突進しているんだよね、いま・・。
 車の振動とかブレーキのショックがパンパンに張った膀胱を刺激する・・。
(もうおっ、もっとゆっくり走ってよぉ!)
 そう思いながら
(はやくっ!はやくぅ!!)
 なんて、全く矛盾する事を念じている私がこっけいだったなあ・・。

「とりあえずJRの◎○駅に向かいますか?」
「・・は?」
 おしっこの我慢に集中していて、半分意識が飛びかかっていた私は、このときになって気づいたんだけど、この運転手さんったら滋賀県の人じゃん!!
ひょっとしたら私以上にこの辺りの地理は分かってないじゃっ!?って・・。
そう思ったらおしっこの波がグワ〜ンって迫ってきて、私ったら左手をおまたに強く挟んで
「あ、はぃ。駅まで行ったら道は分かりますから・・」
 なんて自信なく言っちゃった。
そう言いながら、いっそのことそこで降りて駅のトイレに行こうか、いや、もし混んでいたら絶対に我慢できない!、それよりトイレって改札の外にあったっけ!?
なんて瞬時に思いめぐらしていたのね。
で、駅まで来たらもうすぐそこなんだから、やっぱり我慢するべきだって結論が出て、更に荒波に立ち向かう由衣ちゃんであったのだ。

   それから何分ぐらい過ぎたのか覚えてない。
10分以上掛かったようにも思うし、5分ぐらいだったかも知れない・・。
とにかく仮住まいのマンションが見えて、
「あ、そこで停めてください!!」
 なんて、かなり甲高い声で運転手さんに言った記憶だけがあるのよさ。
で、タクシーチケットを手渡すその手が小刻みに震えていたのも覚えてる。
んと、料金が15200円ぐらいだったのも・・。
ドアを開けてもらって出ようとするんだけど、どうにかしたらおしっこが飛び出しそうな感覚が走るもんだから、そ〜っとしか動けなくて
「大丈夫ですか?」
 運転手さんにそう言われてしまった。
きっともう限界のおしがまを気づかれていたろうね。(恥)
どうにかこうにかタクシーから降りたけど、次の一歩が踏み出せなくて、その場にしゃがみ込みそうになったけど、これ以上運転手さんに注目されたくないから、体は二つ折れになっていたけど、とにかくマンションの玄関まで駆け込んだ・・っていうか、ヨチヨチとすり足で走った訳ね。
で、お部屋の暗証番号を押すんだけど、もう気がおしっこの方にばかり行っちゃってるから思い出せなくて、ただ焦るだけで涙が出てきたのね。
ちょうどそこへマンションの住人が数人出てきたもんだからドアが開いて、天の助けってばかりに顔を合わせないようにして入り込んだら、今出てきた人たちが乗っていたはずのエレベーターがまた上の方に上がって行くじゃん!!
もうぉおっ!、神様はなんでここまで意地悪するんだよぉっ!!なんて、壁にもたれかかるようにしてそう叫びたくなってたもんね。
で、3階に止まったエレベーターはすぐに降りてきて、小学校低学年ぐらいの男の子がひとり飛び出してきた。
(ガキのくせにぃ、3階ぐらいなら階段使えっ!!)
 ええ、ええ、たしかにそう心の中で叫んでましたよ〜だ!!
まあとにかくすり足で乗り込んで、震える指で8階を押して・・・って、バカ!!
それは東京のマンションじゃん!!ここは11階っだつ〜の!!
もう気が動転して半分パニクってた私は、あわてて11階を押したけど後の祭り。
無情にも破裂寸前の膀胱を抱えた私が乗っているエレベーターは、だ〜れも頼んでいないのに8階にキチンと停止して、ス〜って扉を開けるのね。
まるで私をあざ笑うかのように・・・。
「閉」のボタンを意味なく何回もたたきつけるように押して、揺れるのを覚悟で思いっきり足ふみしてた私。
もうね、おまたに力を入れすぎていたから、ジ〜ンってしびれたようになっていて、お漏らししてるのかそうでないのか、それさえも分からなくなっていたんだけど、ただ、足には何も伝わり落ちていなかったから、きっとまだ堪えていたんだよね。
 で、やっと11階にたどり着いて、東京のマンションはエレベーターから遠かったけど、こっちはすぐそばなもんだから助かった〜・・んだけど、ここが一番の踏ん張りどころで、ここで気を抜いたら廊下が大洪水になっちゃう!
そうは分かっていても、もうすぐにおしっこが出来るって体は知っているもんだから、一気に凄い波が押し寄せて来て、私ったら手で押さえたまま思わずしゃがみ込んじゃったのね。
ギュッておまたに力を入れたら、なんかおなかにツ〜ンって痛いような鈍い感覚が走ったのを覚えてるよ。
それでもまだお漏らしはせずにいられたんだけど、こうなちゃうとあとはもう時間の問題ね。
もし誰かが通りかかって「どうしました?」なんて声を掛けられたら、それだけできっとその場でお漏らしになっていただろうなあ・・。
 やっと少し波が治まったのを見計らって、廊下の手すりにしがみつくようにして立ち上がって、お部屋のカギ・・、先に用意しておいたらいいのに、おしっこを我慢することばかりに気を取られていたもんだから、お部屋のカギを出してなかった。
むさぼるようにしてバッグの中をかき回して、いつもしまい込むポケットの存在すら忘れてしまっていた私。
それでもようやくカギを取り出してドアを開けることが出来たんだけど、次の瞬間に、やっぱりジワ〜ッてパンツの中が暖かくなる感触がぁっ!!
こうなったらもうダメね。
1,もうクツを脱いでいる余裕はない!
2,ベルトを外したりファスナーを下げる余裕もない。
3,ゆえにパンツも脱げない!
4,ならばトイレの床を汚すことになる。
5,結論、お風呂場だ〜!!!
 なんて瞬間に方程式を解いて(笑)、湖畔の砂地を歩き回ったスニーカーのまま、壁を伝って上がり込んで、急ぎたいのにソロリソロリとお風呂に向かったんだわさ。
その時はもうおまたに入れている左手に、しっかりとおしっこが伝わってきてたけど、まだ足には伝ってないから、もうちょっと!もうちょっと!って、すでにアウト状態ではあったけど、それ以上の被害を出さないようにって頑張ったんだよ!!
で、半開きになっていたお風呂のドアを開けた瞬間、なんかジュゥ〜・・って音がして、一気におまたにおしっこが広がりだした〜い!
もうね、こうなったら一歩入り込んでそこにしゃがみ込むしか方法はないのね。
両方の足におしっこが伝わってくるのを感じながら、バッてしゃがみ込んだんだけど、食い込んだパンツがおしっこの出口に栓をして邪魔してるのかな、ジワジワジワ・・ってしみ出すような出方になってなんか不快でヘンなのね。
気持ちよくジャ〜ッて出てくれないんだよ〜。
どうせもうソックスも濡れちゃったから、いっそのこと立ったままですれば良かったって思うぐらいにね。
うん、一度立ち上がってパンツを直したらいいんだろうけど、けどもうそんな気力も無くってさ、どうでもいいやってそのままず〜っとしゃがんだままでいたんだけど、ずっと立っていることが多かったからかな、左足がちょっと痛くなってきて、少し浮かすような感じで体制を変えたらさ、その拍子かどうか分からないけど、栓が外れたみたいに勢いよくジャ〜〜って、短パンの生地を通り抜けて前におしっこが出てきた〜。
シュワシュワシュワ・・なんて、表現が難しいような音を立てていたよぉ!(恥)
30秒ほどしたらそのおしっこが止まったのね。
終わったのかなってホッと溜息をついたらさ、またシュワシュワ・・って続きが出だしたあ!(笑)
いっぱい我慢した時ってさ、なんかこんな風に2回とか3回に別れて出るときって無い?・・ん〜、私だけなのかなあ・・?
オーバーな表現じゃなくて、トータルしたら1分ぐらいず〜っとおしっこが出ていたように思うよ。
 どうにか新しいおうちを汚すことは免れたんだけど、私の小振りなおしりにピッタリしてたお気に入りの短パンがさ、もう洗っても落ちないんじゃないかなってほど大きなおしっこのシミ汚れが付いちゃって、はぁあ・・
修善寺からの帰り(由衣の独り言11)と今回とでは、どっちがおしっこの量が多かっただろうね?
うん、きっと修善寺の方だと思うよ。
だってあの時はあ〜ちゃんがそばにいてくれたから、ずっとずっと我慢できたんだもんね。
うふ・・、最後にノロケをぶちまけて、本日のお話はこれにてお開き〜!!


 

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