今年のさぁ、1月終わりから2月のはじめね、日本列島はこの冬一番の寒波だったでしょ。
ほんと、すっごく寒かったよねえ。
そのときね、私はあ〜ちゃん(旦那さん)の出向先(三重県四日市)に行っていたのね。
そう、1月29日から2月2日までお休みを取っていたのよさ。
まさかこんなに寒くなるなんて思っていなかったもんね。
ん?、なにかあっただろうって?
へへ・・もう気づかれた?
んと・・そうなんだよね。あったんだよぉ。
聞いてくれる?
あ〜ちゃんはさ、31日の月曜日、どうしてもお仕事が休めなくてね、そのかわりってわけじゃないけれど、おいしいお魚を食べに行こうってさ、安乗岬というところにある民宿を予約してくれていたのね。
そこへ行ったのが2月1日なんだわさ。
朝からすごく寒い日で、みぞれみたいなのが降っていてさ、ちょっと不安な出発になったわけ。
国道1号で亀山から伊勢自動車道に入った頃にね、雪が降り出してさ、50キロ制限になったんだけど、あ〜ちゃんの車(トヨタのビスタね)はノーマルタイヤだったから、ちょっと怖かったよぉ。
三重県に雪が降るなんて、ほんとに珍しいんだって。
伊勢とか鳥羽で休憩しながら、5時間ちょっとかけて民宿に着いたのは夕方。
この安乗というところはね、六角形(柱?)の灯台があってね、昔は映画の舞台にもなったんだって言ってたよ。
その灯台まで行ってみたけど、私にはよくわからなかった。
中には入れなかったし、寒いだけだったもんね。
ウィークデイだったからかな、○長という民宿のお客さんは私たちだけだったみたいでさ、大きなお部屋ですごいごちそうを食べたよ。
伊勢エビとかウニのお造りとかが3の善出てね、それに舟盛りと焼き貝の盛り合わせ。
あ〜ちゃんはビールを2本頼んでいたけど、ほとんど飲まずに食べていたよ。
それぐらいたくさんあってね、私なんか、もう見ただけで満腹になったもんね。
太平洋に面した窓辺にね、時々小雪がチラついててさ、ロマンチックだったけど・・おなかは苦しかったよぉ。(笑)
翌2月2日、大雪であちこち交通マヒしているって聞いてさ、朝食もそこそこにして帰ることにしたの。
ほんとは賢島とか観光したかったんだけど、私はこの日のうちに東京に戻らないといけないでしょ。
8時に民宿を出て、伊勢まではスムーズに行けたんだけど、そこから先の自動車道がさ、やっぱり雪で50キロ制限。
それがだんだんノロノロになってきてね、松坂を超えたあたりで動かなくなってしまったのよさ。
雪でスリップ事故があったみたい・・・。
急いでいたからさ、ここまで休憩せずに走ってきたでしょ。
うん、私・・おしっこしたくなっていたのよさ。
朝食の赤だしがおいしかったからさ、全部飲んだし、お茶も軽く2杯飲んだかな?
あ〜ちゃんがくれた缶コーヒーも半分飲んだし・・・。
エアコンは入っていてもさ、それなりに冷えるんだよね。
スカートもマズかったなあ・・・。
普段はそんなに混まないらしいけど、完全に流れが止まってしまってさ、周りはトラックなんかでいっぱいになっちゃってる。
まだそんなにせっぱ詰まった状態じゃなかったけど、全然動かない事と、雪が積もってきたことと、周りが車でいっぱいになったことなんかが重なってさ、すごく不安になっていたのよさ。
あ〜ちゃんにそのこと言おうかと思ったけどさ、言ったところでどうにもならないし、ノーマルタイヤで神経使っているのにさ、よけいな心配かけるのもかわいそうだし・・・。
けど・・だんだんおしっこが私をいじめ出す・・・。
気になりだしたらさ、もうダメだよね。
1秒ごとに膀胱がふくらんでくる感じがして、口数が減って・・というか、無口になってしまって、落ち着きが無くなって、無意味に外の景色ばかり気にして・・・。
よせばいいのにさ、おなかを押さえてみてさ、改めて事の重大さを感じてみたりして・・・。
とにかくソワソワしだすんだよね。
けどさ、理屈抜きで・・おしっこした〜〜〜〜〜いって!!
「由衣、おしっこか?」
あ〜ちゃんは時々、デリカシーがない聞き方をする。
でも今は正直に言わないといけない状況だ。
「うん・・ちょっと・・・」
「まだ我慢できるのか?」
「うん、まだ少しなら・・」
女の子ってさ、なんでこういうときに見栄を張るのかな?
ほんとはもうあんまり我慢できない状況でもさ、「ちょっとしたい」とか「まだ我慢できる」なんて言ってしまうじゃない?
言ったあとから後悔してるんだよね。
「ほんとに大丈夫か?」
「え・・うん・・」
「まだ動かないぞ。」
「もうっ、大丈夫だって言ってるでしょ!!」
逆ギレしてしまった私。バカです。
「なに怒ってるんだよ?」
「もうおぉ、人の気も知らないでぇ!!」
「あん?」
「だって・・どうしようもないじゃない。こんなところでぇ!!」
「・・やっぱり我慢してるのか?」
「あ・・当たり前じゃん。もう3時間も・・」
そこまで言って、私・・口ごもっちゃいました。
んと、涙が出そうになってきたのよさ。
逆ギレした自分が恥ずかしくなったのもあってさ。
あ〜ちゃんにはわかっておいてもらわないとさ、一番困るのは私でしょ。
気まずいまま沈黙が続いたらさ、きっと車の中で大変なことになってしまうじゃない。
「・・・ごめんなさい・・。」
「うん・・けっこうキツイみたいだな?」
「・・・ん、かなりつらい・・・」
「そっか・・・」
「もう・・パンパン・・」
そんな会話をしている間も、車はほとんど動いていない。
普段の私ならさ、おしがましているときってさ、けっこうエッチな気分になったりしてるじゃない。
けどこのときはね、そんな気分じゃなかったよ。
なんていうのかなあ・・ちょっと恐怖・・みたいなの感じてた。
通った事がある人なら知っていると思うけど、松坂のあたりってさ、まるで地平線が見えているのかって思うほど何もなくてさ、車を降りて隠れるようなところはゼロ!!
まっすぐな道があるだけ・・・。
この前(前の章参照)みたいに路肩に寄せてもらってドア越しに・・・
って思ったけど、すぐ後ろには大きなトラックがいたし、ノロノロだけど進んでいるからさ、そういうわけにも行かなかったんだよね。
「はぁ・・」
無意識に大きなため息をついちゃった。
足下は冷えているのにね、顔は熱いの。
汗ばんできたんだよね。
脂汗・・ってわけじゃないけど、汗ばんできた。
ニットのスカートもさ、すっかりふくらみが浮かび上がってるの。
いろんな状況でおしがま経験してきたけど、ほんとにこのときほどつらかったのはないよぉ。
もし咳とかクシャミとかしたら、絶対に漏れ出す!!
そんな状況に追い込まれていたのよさ。
車が動き出すとき、雪でスリップして揺れるでしょ。
その振動だって命取り。
何度か「あっ、だめっ!!」って思ったもんね。
見たってどうしようもないのに、何度も何度も時計を見直していた。
・・・民宿を出てから3時間15分・・18分・・23分・・30分。
なんでそんな無意味なことを繰り返しているのかわからないけど、時計が気になってしようがなかったよ。
「あ〜ちゃん・・」
「ん?」
「・・・もう・・したいよ!」
「そっか・・えーと・・」
ついに由衣ちゃん、敗北宣言です。
もうね、そのあとどうなるとか、着替えをどうするとか、どうやって東京まで戻るのかとか、そんな事どうでもいい。とにかく今はおしっこ!!
もうそれだけになっていたのよさ。
足を組んで、ギュッと閉じているからさ、しびれて感覚がなくなっていてね、ひょっとして漏らしているかもしれない・・・なんて思ったりしていたよ。
んで、あ〜ちゃんには悪いけど、もう解放してほしくてさ、お漏らしすることを許してもらおうと思ったわけ。
自分でもさ、息づかいが荒くなってハァハァ言ってるのがわかるんだもんね。限界だよ。
恥ずかしいとか言ってられないもんね!
「もう・・してもいい?」
「そうだ由衣、コンビニの袋にするか!?」
「え・・あ、うん!」
さすがはあ〜ちゃん!
私が惨めな思いをしないようにって、
「ほれ、ティッシュも!」
なんて言いながら、後ろのシートからそれらを取ってくれてさ、ホイって手渡されたんだ。
けど、いざ使おうと思ってもさ、どうやって使ったらいいかわからない。
でもさ、おかしいんだよね。
頭は真っ白になりかかっているんだけど、本能的なのかな・・自然と手が動いていた。
ハァハァ言いながらね、ティッシュをいっぱいつまみ出して、軽く丸めながらコンビニの袋に入れていったの。(らしいの。)
そして・・シートを一番後ろまで移動させて、一気にパンツを膝の下までズリ降ろしてさ、軽く中腰になって・・袋の手提げ部分を前後にしてオマタに当ててさ・・そしたら・・おしっこが噴き出してきたから、あわててしゃがみながら、おしり側に回した手提げ部分を右手で持ち上げたよ。(らしいよ。)
シュイー・・ってさ、すごい音が出たよ。
けど袋の中にティッシュを丸めて入れてあったから、ジョボジョボって音はね、ほとんどしなかった。
ただ・・
おしり側に伝ったおしっこがね、手にも伝って・・床にもこぼれちゃってるみたい!
スカートをあげていないからさ、それが右手の上に落ちてくるし・・けどさあ・・もう止まらないよぉ!
助手席のわずかな空間にうずくまってさ、だんだん重くなっていく袋をさ、必死で握ってさ・・
後ろのトラックとか、すぐ横にいるワゴン車の人が見てるかもしれないから、早く終わりたいけど、止まらないよぉ・・・って。
すんごく長い時間に思えたけど・・ようやく終わってさ。
けどね、それからが大変。
「どうしよう・・・」
思わず言っちゃったよ。
「どうした?」
あ〜ちゃんも意味がわからずにいる。
だってさ、どれぐらい袋に溜まったのかわからないからさ、おしり側の手を離したらこぼれるかもしれないじゃない?
けど離さないとさ、いつまでもしゃがんだままではいられないし、車はノロノロだけど動いているから、あ〜ちゃんには何も頼めないし・・。
んでね、おしり側の右手をさ、そっと離すのと同時にさ、サッと袋を前の方に引きあげたの。
成功!!
こぼさずに取り出せた〜!(笑)
でもさ、すごかったよぉ!
もうね、袋いっぱいおしっこだらけ!
タップンタップンしてた!(笑)
1リットルぐらいはあったんじゃないかなあ?
スカートがおしりの方に下がってしまったのが気になったけど、とにかく今はこの袋をしっかりと閉じないと!
でね、濡れている右手のことはこの際後回しにして、袋をギュッと結わえてさ、もう一つ用意してあった大きめの袋に入れて、さらにギュッて結わえて、とりあえずこぼれないようにしたのよさ。
で、隅っこの方にそっと置いてさ、はじめて下を見たら、やっぱりかなりこぼしてた・・・。
そんでまずお手々とかオマタをきれいにしてさ、シートに浅く座って、前屈みになってティッシュで床をフキフキして、どうにかきれいにして、さっきの袋をまた開けて、その中にティッシュの山を詰め込んで・・。
「パンツ履いてからすればいいのに。」
あ〜ちゃんに言われて気がついた!!
私ったら足下にパンツ引っかけたままやってたあ!!
なんて間抜けな格好してたんだろうね。
たぶん・・パニックから解放されて、まだ思考能力が復帰していなかったんだろうね。
で、パンツが少し湿っていた事はさ、あ〜ちゃんにはナイショにしてるんだよ。かっこ悪いもんね。
次のインター折りるまでにね、それから40分ぐらいかかったよ。
下の道も雪のせいで混んでいてね、知らない道をさ、とにかく1号線目指してノロノロ走ってさ、途中にあったドライブインで、さっきの袋をそっと捨てたりして・・。
ノーマルタイヤだからさ、あ〜ちゃんも相当神経使っていたから、何度も休憩してさ、四日市に帰ってきたのがね、夕方の5時半過ぎになっちゃった!
車の中でしたおしっこを含めて、帰ってくるまでに4回、あ〜ちゃんは3回おしっこした。
ずっと座ったままだから、エコノミークラス症候群にならないようにってさ、適度に水分補給もしていたからさ、けっこうおしっこは近くなっていてね、軽いおしがま状態になったこともあったよ。
でさ、私は名古屋駅に7時までに着かないといけないわけ!!
あ〜ちゃんのお部屋に着いて、すぐに東京へ帰る支度をしてさ、駅に向かったんだわさ。
名古屋までは近鉄(近畿日本鉄道)の方が電車の本数が多いらしいけど、JRの往復切符を買ってあるからさ、とにかく駅に向かったらさ、ちょうど名古屋行きが入ってくるところだったのね。
あ〜ちゃんとお別れのキスもできないまま電車に乗り込んだわけ。
けどさ、この電車がすごく混んでいてね、立ちっぱなし・・・。
雪の影響でダイヤが乱れていて、普段なら1時間ほどで着くのにさ、このときは30分以上よけいにかかってさ、あ〜ちゃんと別れて寂しくなっているところにもってきて、名古屋駅で乗り換える新幹線の事が気になってさ、不安がつのってきてイライラして・・・もう泣きそうだったよぉ。
おまけにまた・・おしっこしたくなってくるし・・。
やっぱりストッキングを履いていないから冷えるんだよね。
名古屋に近づいたらね、車内アナウンスがいい加減なこと言うんだよ。
新幹線の乗り継ぎは駅の案内に注意しろだってさ。
指定席を取ってある「のぞみ62号」に乗れなかったら、どうしたらいいんだろう・・・なんて、もうほんと、不安で不安で呼吸困難になりかかっていたよ。
人に押されるような格好で新幹線ホームにあがったらね、新幹線も雪の影響で乱れていてね、私が乗る列車はまだ到着していなかったの。
ホッとしたのはいいんだけど、寒いホームに立っているとさ、おしっこがますますしたくなってきてさ・・。
コンコースに降りてトイレに行こうかと迷っていたらね、まもなくのぞみが入ってくるって言うじゃない!(←ギター侍じゃないよ!)
(乗ってからトイレに行こう!)
って、こういう考えは甘いよね。
入ってきたのぞみはさ、すごい混雑。
ダイヤが乱れていて、1時間近く遅れていたせいだって。
もうね、指定席の通路まで人で埋まっていてね、おまけに私の席には知らないおじさんが座っていて、私の席だって言うとさ、怒ったように私の事にらみつけるんだもんなあ。こわかったよ〜。
どいてもらって座った席が14号車20番E席。
トイレに行くにはさ、後ろの方の13号車か前の方の15号車まで行かないと無いでしょ。
通路側の席に座っている人にどいてもらって、立っている人をかき分けて行く勇気・・私にはなかったよ。
おまけに・・さっきまで私の席に座っていたおじさん、すぐそばに立っていてね、私のことにらんでいるんだもん・・。
このときほんとはね、もう・・おしっこしたくてたまらい・・ぐらいになっていたんだけど、「我慢するっ!」って自分に言い聞かせてさ、とにかくコート着たままシートにうずくまっていたんだよ。
あと1時間40分だって言い聞かせてね。
名古屋から先は割とスムーズに走っていたみたいでさ、まもなく新横浜に着くって言うアナウンスが流れたの。
もうね、ほとんど限界まで我慢していた私にはさ、このアナウンスが天使のアナウンスに思えたよ。
かなりの人が降りる支度をはじめてね、通路の人も出口近くへ動き出してさ、少しずつ人混みに空間が出来だしたんだよね。
それで私もさ、その隙間をかいくぐるようにして後ろの出口に向かう人たちの列に混ざったの。
うん、降りる人たちの動きに会わせてさ、デッキのトイレに飛び込む予定だったのね。
そのときの私の格好はさ、もし注目している人がいたら、おしがましてるって気づかれたかもしれない・・ね。
足はクネクネ、体はユサユサ・・。
コートのポケットに入れた手でさ、押さえていたもんね。(笑)
だってね、じっと立っていることなんて出来ないの!
気をつけ!なんてしたらさ、そのままジャー・・っていきそうなぐらいまで我慢していたからさ、もう必死で体を揺すっていたように思うよ。
たぶん顔も引きつっていたんじゃないかなあ?
で、やっと新横浜に着いて、人が降りだして・・・その流れでデッキまでたどり着いて、13号車のトイレに到着!
幸い和式の方が空いていたから飛び込んで、かぎ掛けて、パンツ降ろしながら一段あがったら出てきた〜〜!!
素早くしゃがんだけど、キチンと向いていなかったから・・ちょっと横の方にはみ出しました。(笑)
またシュイ〜・・なんて音がしてね、走っているときのような騒音が無いから、廊下を歩く人たちに音を聞かれたかもしれないね。(照)
とにかくこの日2回目のギリギリセーフおしっこ・・・。
ふう・・・
予定の時刻の40分遅れで東京について、山手線に乗り換える前にね、あ〜ちゃんの実家に電話して、●◎駅までお義父さんに迎えに来てもらうことにしたのね。
なんか脱力感があってさ、駅から歩いて帰るのが不安だったのよさ。
あんなに何度も我慢していたからさ、今度こそ膀胱炎になるかもしれないって、ちょっと不安もあったんだよね。
けど、どうやらその心配は必要なかったみたいでさ、よかったよかった!
雪が降るなんて予想していなかったから、大変な目にあったお休みのつまらないお話・・っていうわけね。
おもしろかった?
おしまい