由衣の独り言 41(愛理(えり)ちゃん)




 後輩の愛理ちゃん(22歳 仮名)が、腕の骨を折って手術したって聞いたので、優里亜と一緒にお見舞いに行ってきた。
骨折は右の手関節少し手前、橈骨(とうこつ)で、プレート固定手術をしてキャストライトという軽いギブスを巻かれていた。
おまけに左手も親指以外にけがをして包帯を巻かれていた。
そのほかは問題ないので通院だけでいい状態だけど、寮生活なので日常が不便だからと、もう少し入院しているらしい。
「両手が不自由だとトイレとか大変だね。」
 と、私の得意分野(?)の会話が始まる。
横で優里亜が「出たっ!」って顔で苦笑していた。
「そうなんですよぉ先輩、聞いてくれますっ!?」
 予想以上の反応を返す愛理に、私と優里亜の方が逆に驚いてしまった。

 そのお話は実に大変なドラマで、私にとってはすばらしいネタなんだけど、ここに至るまでに多くの人が関係しているので、あえて日時や人物、場所なんかを伏せて、おしがま優里亜風に告白型式で自分に置き換えた形で披露しようと思います。
以後に出てくる「私」はあくまでも愛理ちゃん(22歳 仮名)です。
男の人は「私」が自分の彼女だという思いで、また女の子は「私」を自分にして読んでくださいね〜。

……………

 私たち3組のカップルは、2日間の海を楽しんで帰ってきました。
みんなは明日から仕事だと言って憂鬱な顔をしていたけれど、私と彼は、実は明日もお休みを入れています。
昨日までの民宿での雑魚寝から解放されて、今夜は彼の部屋でゆっくりとラブラブするんです。
 シャワーして潮風で傷んでいた肌とか髪をケアしてから、夕飯がてら居酒屋に行こうと言うことになって、私はタンクトップにデニムの短パン、サンダル履きの軽い恰好で出かけました。
 まだ火照りが冷め切っていない身体に冷たいビールは最高です。
けっこういける方なので、私は中ジョッキ3杯ほど飲んで上機嫌でした。
 そのお店を出て階段を軽いステップで下りていると、下から男の人が3人ほど上がってきました。
そのすれ違いざま、下まであと3〜4段と言うところで、私は何かに足を取られてつんのめり、宙を飛ぶような感じでそのまま頭から落下していったんです。
けれど本能的に右腕をついて、顔をぶつけることだけはカバーしていたみたいですけど、その瞬間に「バキッ!!」という音が聞こえたのは今でも覚えています。
勢い余って私はそのまま2回ほど地面を転がり、大の字になるような感じで仰向けになりました。
 その時なにかバイクのブレーキのような音が聞こえていて、ガシャンというガラスが割れるような音がした瞬間、今度は私の左手に激痛がっ!
 転がってきた私を避けようとしたバイクが転倒して、積み荷のビール瓶が割れて散乱し、それが私の左手にザクッてっ!!
「だいじょうぶかーっ!!??」
 って叫びながら彼が駆け下りてきます。
そのうしろで男の人の
「バカヤローッなんてことするんだーっ!」
 と怒鳴り声も聞こえていました。
私には何が何だか判りません。
ただ、右手の手首がズキズキ痛むのと、左手の指先がヒリヒリ痛みます。
「だれかー救急車呼べー!!」
「ポリも呼べー!!」
 と、周りの人たちが騒いでいるのが聞こえました。
なんかすごく大変なことになりかかっているのかなと、そんな風には感じたけれど、それ以上の思考能力はありません。

 救急車がやってきて、私は2人の救急隊員に抱きかかえられながらストレッチャーに乗せられました。
なんか、いつのまにかずいぶん人が集まっていて、みんな私を見ています。
救急車に運び込まれるのって、なんかすごく恥ずかしく感じました。
 そこから数分走って、民間の救急病院に運ばれました。
一緒に乗ってきた彼が事務の男性に事情を説明しています。
私はそのまま処置室へ運ばれてまず左手の処置です。
かなり細かいガラス片が突き刺さっていたみたいで、それを丁寧に取り除いてから洗浄されました。
何度か「指を動かして!!」って指示されて、私は痛いのを我慢して動かしました。
神経は切れていないようで、キズも縫合の必要はないそうです。
 左手に清潔ガーゼが巻かれ次に右腕。
ストレッチャーのままX線撮影室に運ばれて、右腕を何度か動かしながら撮影されました。
右手関節正側両斜位4方向撮影というそうです。
その結果、右橈骨遠位端骨折および右尺骨遠位端亀裂骨折(俗に言うヒビ)と診断されました。
ほかにも膝や肘なんかに軽い打撲擦過傷があると言うことでしたけど、顔は無傷でした。
そして、今夜は骨折部位がズレないように固定しておく。明日また来院して整形外科の指示を受けるか、最寄りの病院に行くかしなさいと言われて、固定の準備をするからそのまま待つように言われました。
 骨折していることはショックだったけれど、それほどたいしたことではないと言われ、少しずつ気持ちが落ちついてくると、私はすごくトイレに行きたいと感じるようになりました。
居酒屋を出る前に行ってはいたけれど、かなりビールを飲んでいたし、それから時間も経っているからそのせいでしょう。
それと、処置台に横たわっている時、エアコンの風がまともに身体に当たっていたので、薄着の私には少し寒く感じられて、それも要因だと思います。
 右腕はシーネという、片側にクッションが着いた板状のモノを腕に当てます。
手首だけだと思っていたら、手のひらを上にして肘を90度曲げた状態で固定され、その曲げた肘の少し上から手のひらまで全体を包帯で巻きます。
 左手はもう一度洗浄された後、親指だけを残して包帯が巻かれました。
まるで指なしの手袋状態です。
 腕が固定されると、さっきまでのズキズキしていた痛みが凄く楽になりました。
でもその痛みに集中していた神経が、今度はおしっこの方に集中して来たので大変です。
 すべての処置が終わって、右腕を首から三角巾で釣られて待合室に出されました。
彼はそこで待っていてくれました。
(あ〜おしっこしたいっ、トイレ行きたいっ!)
 私の尿意はすごく高まってきて、じっとしていられないほどになっています。
トイレに行こうかと思ってキョロキョロしていたら、事務所の方へ来てくれと言われて、そこで治療費の話になります。
第三者行為の疑いがあるようでも、病院としては治療をした本人に請求するのがスジだとかなんかいっぱい言われて、よく判らないしおしっこがしたくて考えもまとまりません。
 そんな時に警察官が2入ってきました。
事故が起こった経緯の事情聴取です。
というか、これは酔っぱらった学生の一人が、いたずらで私の足を引っかけた事によって起こった「傷害事件まがい」の出来事だったそうです。
そのせいで私は骨折し、走行中のバイクまで転倒して商品が壊れ、大騒ぎになったそうです。
 加害者とされる学生は、警察に連行されてお灸を据えられているとのこと。
被害届を出すかどうか聞かれたけれど、私の頭は混乱していたのでなにも言えませんでした。
それよりも早くトイレに行きたくてたまらない、私はそればかりです。
 治療費は全面的にその学生が持つと約束したそうで、その承諾書とかにサインがいるんだけど、私のこの状況ではそれも無理。
とりあえず彼がすべてを仮代筆してくれて、20分ほどかかった聴取が終わった時、私の膀胱はもうパンパンになって短パンがきつくなっています。
そのままパトカーで彼の部屋まで送ってくれるのかと思っていたら
「では気をつけて!!」
 って、警察の人はあっさり出て行くんだもんなぁ。
その病院から彼の部屋まではそこそこあるそうなので、タクシーを呼んでもらうことになりました。
すぐに来ると言うことなのでトイレに行く時間もありません。
でも待っている間にも、1秒ごとにおしっこが貯まっていくのが、膀胱がビリッビリッと膨らんでいくのが判るぐらい、それぐらいおしっこがしたくて……。
短パンのボタンがおなかに食い込んでしまって少し痛い……。

 タクシーはすぐに来ました。
それから10分ちょっとの道のりがまた地獄です。
振動が膀胱を刺激するから何度も漏れそうになって、私は足をきつく組んで耐えていました。
でも両手が使えない状態で足を組むとバランスが悪くて、少しのカーブでも倒れそうになって漏れそうになって思わず悲鳴です。
私の様子が少し変な事に気がついて、彼が大丈夫かと小声で聞いてきました。
私はもう黙っていられなくて
「トイレ……ずっと我慢してる。もう破裂しそう!!」
 って答えました。
彼は外の景色を確認して、あと3〜4分だからがんばれと言ってくれました。
 やっと到着。
彼に支えてもらうようにしてやっと部屋にたどり着きました。
「ごめん。先に入る!!」
 鍵を開けてくれている彼を押しのけるようにして、私は玄関に飛び込み、廊下の右手、運良くドアが半開き状態のトイレに駆け込んで
「ごめん、ドア閉めてっ!」
 って言いながら短パンを脱ごうともがきました。
が……
どうしても出来ないんです。
親指以外を包帯で巻かれた左手では、おなかに食い込んだボタンは外せなくて、かといって右手は肘が90度に固定されていて、指は動かせるものの、ボタンを外す為には腕をひねらなくてはいけなくて、そうするとあの激痛がまた走ります。
 ほんとは押さえていないと漏れそうな状態なのに、それも出来ない私は足をバタバタさせながら必死になって、それでも何度かあれこれトライしてみました。
彼とはもう深い関係になっているけれど、それでもトイレに行く時はまだ少し気を遣っているぐらいだから、まさかこれを手伝ってもらうなんで出来ません。
でもあまりにバタバタしている私を心配してか、彼がドアの外から大丈夫かと声を掛けてきました。
「大丈夫じゃ…ない。ズボンがおろせないのー!!」
 私は彼の心配そうな声に釣られてそう言ってしまいました。
「手伝おうか。」
「いやよぉ…あっ…や…やっぱり来て!!」
 ほんとにもう我慢が出来ないんです。
「いいか。開けるぞ!」
 彼は恐る恐るのような感じでドアを開けて、
「どうすればいい?」
 と聞くので、とにかく早くボタンを外してほしいと頼みました。
私の前で少し前屈みになった彼は
「キツイから少しハラを引っ込めろよ。」
 って言います。
「だめっ引っ込めたら漏れちゃうっ!!」
 私ももう必死です。
そんな言葉を2回ほど繰り返したとき、なんとかそのボタンは外れました。
ファスナーを下げられると、圧迫されていた膀胱に少し余裕が出来たのか、一瞬尿意が柔らぎました。
でも次の瞬間、今度はこれまで以上の波が襲ってきます。
満タンの膀胱が短パンで支えられていたのに、それがなくなったから全部おしっこの出口に荷重をかけ出したんです。
「おっ降ろしてっ早くぅ!!」
「動くなよ。降ろしにくいじゃん。」
「だめだってば。止まったら漏れちゃうんだってばっ!!」
「こんなピチピチのを穿くからだろが!!」
「なんでもいいから早くしてぇっ!」
 二人の格闘(?)の末、短パンは膝あたりまで下げてもらうことが出来ました。
「パ…パンツもっ早くっ!」
 私はもう叫んでいます。
「え、いいのかよ?」
 彼は躊躇しているようですけど、もう私には全く余裕がありません。
「ぃ…いいのっ、早くしてぇっ!!」
 そう叫んだとき、そのパンツにはジュワ〜っとおしっこが広がりだしたんです。
「もうおぉっ早くったらっ!」
 私は更に大きく足をばたつかせながらそう言いました。
彼は恐る恐るのような感じでパンツを引き下げます。
でもその時、とうとうシュ…って音を出しながら、あんなに我慢していたおしっこが漏れ出してきました。
もうここまでです。
私はおまたの少し下までしか降ろされていないパンツのまま、便器に腰を落としました。
シュ〜シュ〜ジョ〜〜ジョボボボ……
 なんて恥ずかしくて凄い音なんでしょう。
ビールを飲んで2時間以上我慢していたおしっこだから、もうすごいんです。
勢いがよすぎて足の間でたるんでいるパンツにもおしっこが跳ねています。
気がつくと、彼はそんな私の様子をずっと見続けていました。
「もうぉ、出てってよぉっ!」
 私はそう叫ぶしかありません。
「あ…パンツ脱がそうか?」
「もうおぉ勝手にしてっ!!」
 彼は私の前にかがんで、おしっこでグシャグシャになったパンツを短パンと一緒に足首から抜き去りました。
その時チラッと私のおまたを見たこと、私は見逃しません。
「スケベッ!!」
 そう言うと、彼はスッと立ちあがって、パンツなどを持ってトイレを出て行きました。
恥ずかしい事を見られてしまった私は、情けなくて涙が出そうです。
でも早くそこから出たくて、後始末を使用としたんですけど、これも苦労……。
ペーパーホルダが左にあるから、身体を少し右に寄せながら、そんな窮屈な状態で、しかも包帯の指で引き出さなければなりません。
片手ではうまくちぎれないし……。
私は右利きだし、おまけに包帯で指の感触が全くないから、キレイに拭けたのかどうかも判らないんです。
 それでもやっとそれらが終わって、タンクトップの裾をおもいきり引き下げておまたを隠しながらトイレを出ました。
そしたら彼は濡れたタオルを用意してくれていて、それであちこちをキレイに拭いてくれ出したんです。
おしっこが伝った足なんかも拭いてくれました。
 凄く優しい彼ですけど…その流れで……やっぱりエッチに突入していきます。
私は両手が使えないから全くされるがまま……。
 その夜はまたトイレが大変だから、彼の大きなシャツを借りて、パンツは穿かずに寝ました。
寝ましたけど、やっぱり男の人はそう言う格好が好きなのか、すぐにちょっかいを出してきてそのまま2回戦……。
 彼は私がおしっこしてる所を見て興奮したって言っています。
また見せろなんて言われたらどうしよう……
あくまでもあの時は非常事態だったから、私も仕方ないと思ったけど、改めて言われたら……やっぱりイヤだなぁ……。

……………

 かわいらしい愛理ちゃんのお話でした。
ちなみに彼女、ひざ下まであるマタニティードレスのような服を着ていました。
トイレがしやすいからだそうで、ノーパンだって言っていました。
裾をめくり上げたい衝動に駆られた私(由衣)は、かなりヘンタイチックなのかもって思います。



目次へ