おしがま旅行1




 小原由衣と松本敦史は、薄曇りの中を西に向かって走る新幹線の中にいた。
夏休みに二人でどこにも行くことが出来なかったからと、敦史が計画してくれた3泊の旅行。
由衣の誕生日が近いから、そのお祝いも兼ねた旅行であった。
去年は富士サファリパークに連れて行ってもらった。
今年も行きたいと思っていた由衣であったが、大阪にいる姉から、
「和歌山にあるサファリでパンダの赤ちゃんが生まれた。」
と聞かされて、そのことを敦史に言うと、
「じゃあ南紀に行こう!」
と言ってくれ、飛び石連休をうまく使っての旅行となった。
 由衣の心は高鳴って、待ち合わせの30分も前に東京駅に着いていた。
敦史とは何度もドライブしている由衣であるが、列車に乗っての旅行は初めてで、車窓からの景色も車内で飲むビールも新鮮に感じられ、まるで小学生の遠足のようにはしゃいでいた。
 京都駅で特急「オーシャンアロー」に乗り換える。
「ねえ、名古屋からの方が近いんじゃなかったっけ?」
地理にうとい由衣でも、南紀の場所はおおよそわかっている。
ずいぶん遠回りをしているように思って聞くと、
「名古屋から白浜へは直通がないからさ。」
敦史は網棚に荷物を上げながら言った。
「ふ〜ん・・」
よくわからない由衣であった。

 京都から2時間半、午後3時過ぎに白浜駅に到着。
東京を出てから6時間である。
タクシーでホテルに着くと、10畳ほどの和室に通された。
前室があり、そのサイドにはトイレとバスがついている。
広縁からは白浜の海が一望できた。
お茶を入れている仲居が、
「このお時間なら家族風呂にゆっくり入って頂けますよ。」
と言う。
家族風呂は予約制であるが、到着が早かったために、まだ使用されていないと言うことであった。
その言葉に由衣は小躍りして、敦史を引っ張るように浴衣を抱えて飛び出していった。
 家族風呂といっても、5〜6人は楽に入れるほどの岩風呂で、大きなガラス戸の外にはベランダまであり白浜の海が一望できる。
露天風呂気分も味わえる豪華な作りであった。
あいにくの曇り空ではあったが、眼下に見下ろす白浜海岸の景色に感激し、彼に全身を見られているという恥ずかしさも忘れ、由衣は初めて経験する露天風呂のすばらしさに大喜びしていた。
 チェックインで敦史は「松本敦史・由衣」と書いていた。
それを見ていた由衣は
(新婚旅行みたい!!)
と、恥ずかしさとうれしさが入り交じってハイテンションになっていた。

「あーちゃん、これ大きすぎるよぉ!」
部屋から持ってきた浴衣が合わない。
裾を引きずりながら部屋まで戻ると、敦史はフロントに電話してくれた。
「子供用の浴衣ありますか?」
その言葉に、由衣は敦史の背中を蹴っていた。
替えの浴衣を持ってきた中年の仲居が、
「せっかくですから、特別に用意した浴衣を着てください。」
と、由衣を前室に招いて、深紅のバラが描かれたきれいな浴衣に着替えさせてくれ、帯も結わえてくれた。
由衣はノーブラであったのですごく恥ずかしかったが、仲居は手際よく着せてくれたので、直接胸を見られることもなくホッとしていた。
「さ、かわいく仕上がりましたよ。」
仲居がふすまを開けて、敦史にお披露目する。
由衣のほほは、その浴衣よりも赤く染まっていた。

 伊勢エビやアワビのお造りなど、海の幸をふんだんに盛り込んだ夕食に圧倒されながら、それでも敦史と向かい合わせで食べるうれしさで、冷たい日本酒もかなり飲んだ由衣であった。
 下膳が済むと布団が敷かれる。
由衣は恥ずかしくてどうしていいかわからず、広縁のイスに座ってうつむいているしかなかった。
二つ並んで敷れる布団に、恥ずかしさは倍増する。
敦史はたばこをくゆらせている。
(こういうとき、たばこを吸うって便利だなあ!)
由衣は早く仲居たちが出て行くことを願って外を見つめていた。
薄暗くなった海の所々に、船の明かりがきらめいていた。
「腹ごなしに少し歩こうか!」
敦史が言った。
「うん!」
丹前を羽織り、二人は手をつないで部屋を出る。
ホテル内の土産物コーナーやラウンジ、喫茶と見て回り、
「外に出てみようか!」
という敦史の言葉に、
(浴衣姿だし恥ずかしいなあ・・・)
と思ったが、それでもかわいい姿を見てほしい気持ちもあって、由衣は敦史の腕を握っていた。
 ホテルを出てみやげ物店などを覗いていると、あちこちに浴衣姿の人影が見え、温泉気分が盛り上がる。
丹前を着ていても少し肌寒い海風が吹いていた。
白良浜(しららはま)に出て砂浜を歩く二人。
「少し休もうか!」
敦史が言った。
ふたりはコンクリートで作られたベンチに腰を下ろす。
暗い海の遙か遠くに浮かぶ漁火を見る二人。
周囲のホテルから聞こえる雑音を除けば、静かに打ち寄せる波の音だけの空間であった。
しばらく無言で海を見つめていたが、やがて敦史はいつも部屋でしているように、由衣を膝の上に抱き寄せた。
初め周囲の目が気になった由衣であったが、そのロマンチックなムードに飲まれ、敦史にもたれかかるようにして背中で体温を感じていた。
が、やがて敦史の手が丹前を開き、浴衣のエリを割って由衣の胸に触れてきた。
「あ、もうお、やめてよぉっ!」
ノーブラの胸を触る敦史。
せっかくいいムードであったのにぶちこわしである。
そのことを言うと、
「こうしてじっとしていたいの!」
訳のわからない事を言って、敦史は由衣の乳房を触ったまま遠くを眺めていた。
由衣は仕方なく、丹前の上から敦史の手を押さえ、その手を動かさないように頼んで敦史にもたれかかった。
由衣のお尻に敦史の堅くなったモノを感じる。
時折そばを通る人影が気になる由衣であった。

 ホテルに着いてから、一度も時計を見ていない。
どれほどの時間が過ぎ、今が何時かもわからない。
由衣は散歩に出る頃から少し尿意を感じていた。
夕食で飲んだビールや日本酒が、それなりに膀胱に溜まってきてもおかしくない時間が経っているのであろう。
肌寒い海風も作用している。
「ねえ、ちょっと寒くなってきた。帰ろうよ!」
由衣は言った。
「トイレにも行きたいんだろ?」
敦史が見透かしたように言う。
「ん・・それもあるけど・・・」
実はそれ以外の理由など無い。
「あそこにトイレあるよ。行く?」
指さす方向を見ると公衆トイレらしき建物が見える。
「んー,やっぱりホテル帰ろ!」
由衣は答えた。
ティッシュを用意していない。仮に備え付けがあっても、それを使う気になれない由衣であった。
「そうだな、帰るか!」
敦史は由衣の左胸に入れていた手を離し、膝から降ろすと立ち上がった。
手が離れた由衣の胸は、暖かかった敦史の体温がなくなったことで、急に寒さを感じていた。

 ロビーのトイレで用を済ませ、ふたりは最上階のラウンジに入った。
カウンターに座ってカクテルを飲む。
日本酒のせいかノドが渇いていたこともあって、冷たいカクテルの口当たりの良さに、由衣はかなりお代わりをしていた。
 土曜日の夜にしてはさほど混んでおらず、静かなBGMが心地よく聞こえているラウンジであった。
「よかったらこっちで一緒に飲みませんか!?」
聞き慣れない男の声に繰り返ると、後ろのテーブル席で若いカップルが由衣たちを手招きしていた。
誘われるままに席に着き、自己紹介をすると、男は敦史と同い年の建築士で永井修。女性は由衣よりも3歳上のOLで下柳典子と言った。
大阪から車で来ているという。
徐々に意気投合し、お互いのなれそめやデートの思い出、仕事の話などで盛り上がり、明日は一緒に出かけようという流れになった。
はじめ、敦史と二人きりで行きたかった由衣であったが、それでも感じのいい典子の誘いに由衣も納得し、お開きになった頃は10時を少し回っていた。
(はぁ・・やっとおしっこできるぅ・・)
由衣は4人で飲みはじめた頃から尿意があり、カクテルを何杯も飲んでいたことが拍車をかけて、膀胱は許容量までふくらんでいた。
しかしまだ慣れていない男性がいる前ではトイレに立ちにくく、ずっと我慢していた。
(あれ、そういえば典子さんもトイレ行ってないんじゃ・・?)
男二人は何度か席を立っていた。
しかし連れの典子は一度も席を立っていなかったように思う。
(まさか典子さんもおしがましてたりして・・・)
由衣は勝手な想像をしながら部屋に戻ってきた。
 裸足にホテルのスリッパで歩いていたので、足は砂がついている。
「少し汗もかいたし、シャワー浴びようか?」
敦史がそう言ってバスルームの照明をつけた。
由衣の心に期待と不安が同時に走る。
(・・おしっこ我慢できないよぉ・・・先にしちゃおうかなあ・・・)
浴衣を脱ぎ捨てた敦史が、躊躇している由衣の丹前を脱がしにかかった。
由衣はされるままに任せていたが、パンツに手がかかったとき、
「あ、自分で脱ぐからっ!」
と言って敦史の手を払いのけ、背中を向けた。
「何を今さら恥ずかしがってんの?」
「ちがうよ、自分で脱ぎたいの!」
いたずら好きの敦史である。もしパンツを脱がせることも任せたら、きっと膨らんでいるおなかを押さえるであろうと由衣は思った。
そう想像した途端、こらえていた尿意は爆発しそうな大きな波となって押し寄せてきた。
「あ、、あーちゃん!!」
先に浴室に入った敦史の背中に声を掛ける。
「あの・・トイレ・・行っていい?」
そう切り出した由衣は、全裸で股間を押さえていた。
「あ?、あぁいいよ!」
あっさりと言われて、由衣は少し物足りなさを感じたが、それでもお酒による激しい尿意には抵抗できず、隣のトイレに飛び込んだ。
ほぼ同時ぐらいにシャワーの音と、勢いよく飛び出した由衣のおしっこの音が部屋に響いた。

 交互にボディーソープを塗りつけ、ふざけあいながらシャワーを浴び、少しほてった体で部屋に戻ると少し暑く感じられる。 広縁の窓を開けると、心地よい秋の海風が入ってきた。
浴衣だけを羽織り、敦史と由衣は部屋の明かりを落として、向かい合ったイスに腰掛けて海を見ていた。
冷蔵庫から取り出した冷たい缶コーヒーがノドを潤す。
漁火と遠くの灯台の光。
見えるのはそれだけであった。
かすかに波の音が聞こえ、無言のままの時間が流れた。
じっと海を見つめる由衣。
大好きな敦史とふたりきりでいることの幸せを感じ、いつしかその目に涙がにじんできた。
たばこをくゆらせていた敦史がそれに気づき、
「ん?泣いてるの?」
と、優しい声でのぞき込んだ。
思わず顔を伏せる由衣。
しばらく沈黙があり、
「こっちへおいで!」
敦史が由衣を促した。
待っていたように由衣は立ち上がり、敦史の膝の上に腰を下ろす。
「なんで泣いたの?」
背中越しに尋ねる敦史。
理由など何もない。
ただ、幸せな気分に感極まっただけの由衣であった。
黙って外を見ていると、背中越しにきつく抱きしめられ、少し呼吸が苦しいような感じを受けた。
しかしそれは苦痛ではなく、むしろ充実感であった。
背中で感じる敦史の体温が由衣を包み込み、この上なく幸せな空間にいることで、さらなる涙を誘うのであった。
「泣き虫だなあ・・・」
背中をふるわせて、声を殺してすすり泣く由衣。

 どれほどの時間が過ぎたことであろう。
開け放たれた窓から入る海風が心地よさを通り超え、浴衣だけの体を冷やして寒くなってきた。
鼻をすする由衣に、
「寒くなってきたな。窓を閉めよう。」
と言って、いったん立たせた。
うつむいたままの由衣。
「風邪をひくから布団に入ろう。」
敦史はそう言って片方の掛け布団をめくった。
うなだれるように布団に近づく由衣を、敦史はいきなり抱き上げた。
「!!」
お姫様だっこで宙を舞うように揺らされる由衣。
足をバタつかせたことで、下着を着けていない浴衣のすそが乱れ、下腹部があらわになっている。
「あーちゃ〜ん!!」
鼻声で由衣が叫ぶ。
すると由衣はいきなり冷たい布団の上に転がされた。
「つめた〜い!」
勢いがあったので、由衣は布団の上で1回転してしまい、浴衣は帯から下が完全にはだけてしまった。
「やんエッチーッ!」
あわててすそを直そうとした由衣だが、すぐ右に座ってきた敦史の手がそれを阻止した。
「!?」
一瞬ドキッとした由衣。
敦史はしばらく由衣を見つめた後、ゆっくりと由衣に添うように体を横たえてきた。
その首に手を回す由衣。
髪を優しく撫でられながら唇を重ねる。
呼吸が苦しくなった頃、髪を撫でていた敦史の手が耳たぶに移動し、優しく撫でられ。やがて首筋から肩へと、触れるか振れないかのような柔らかな動きで移動していった。
くすぐったいようなゾクゾク感が由衣に起こる。
やがてその手が浴衣のエリを開いて由衣の乳房に触れる。
「く・・」
かすれた声を出す由衣。
唇をふさがれたまま、由衣の体は敦史の右腕の愛撫を受けていた。
いつしか浴衣の帯はほどかれ、全裸状態の由衣。
やがて敦史の唇も、首すじ、うなじ、脇へと移動し、小さな乳首に軽く触れてきた。
「あっ!」
さらに舌先で転がされると、感電したような刺激が由衣の全身に走り、
「ん・・く・・」
鼻にかかった声を漏らしてしまう。
ふたつ並んだ布団の上を、あっちこっちと転がすように回され、両手と唇による全身の愛撫が続いた。
冷たい布団の感触と、熱い唇と手の感触が入り交じり、由衣の気分は高鳴ってくる。
少し冷えていた体は完全にほてっていた。
しかし敦史の手も唇も、いっこうに敏感な所へは来ようとしない。
そのじれったさがますます由比の気持ちを高め、あちこちでわき上がる快感で叫びそうになっていた。
体が熱い。
あまりのじれったさに、由衣はとうとう敦史の手を握り、その手を自分の部分へ導いてしまった。
「ん?、どうしてほしいの?」
敦史が意地悪そうに聞く。
「いやっ!」
由衣は顔を背けた。
しばらく何の動きもしない敦史。
じらされる由衣は大きな声を出したい衝動に駆られ、思わず口を押さえてしまった。
やがてその手が静かに動き出す。
「くぅ・・」
鼻から息が漏れ、子犬のような鳴き声を出す由衣。
「ありゃりゃっ、すごいことになってるよ。」
敦史はそう言うと、なぞっていた指を由衣の顔に持って行った。
「いやんっ!」
キラキラ光る指が目に入り、由衣に恥ずかしさがこみ上げる。
「由衣もエッチになったなあ!」
体の下の方で敦史の声が聞こえる。
「あ・・!!」
正直に言うと、待っていた快感。
敦史の柔らかな唇と舌が、由衣の一番敏感な部分を舐めている。
「あ・・あ・・」
こらえていた声が漏れる由衣。

 シャワーの後、海風に吹かれて体が冷えた由衣は、敦史に抱かれているときから尿意を感じていた。
初め軽い尿意に感じられていたそれは、敦史の舌と手の刺激で一気に高まってきてしまった。
ラウンジでは少なくとも6杯のカクテルを飲んでいる。
夕食時に飲んだ瓶ビール1本と冷酒1合も作用しているのであろう。
入浴などで汗になっているとは言っても、体に入った水分の量に比べ、出ている量は遙かに少なかった。
それが刺激と共に一気に押し寄せてきたような、そんな急激な尿意の高まりになっていた。
(あっあっ・・おしっこしたいっ!)
敦史の舌が尿道口に触れているのか、むずがゆい感覚と同時に、すさまじい排尿感に襲われる。
(いやっ、もれそうっ!!)
由衣はいつになく体を硬くしていた。
(あ・・あっ・我慢できそうにないよぉ!!)
何度もおしがま状態でのエッチは経験している由衣だが、高鳴っている心に反応してか、激しい排尿感にとらわれてしまった。
アルコールが自制を効かなくさせているのかもしれない。
(あっあっ・・おしっこ出そう!)
敦史の指がどこかでしきりに動いて、クチャクチャと音を立てている。
円を描くようなその動きが膀胱を刺激する。
「あっあっあっ!!」
どこから湧いてくるのかわからない感覚が全身に走り、由衣の目の前が白くなる。
「あっ!!」
短く叫んだ由衣の体は、敦史にきつくしがみつくようにこわばり、やがてすぐに力が抜けて、ダラリとその手を落とし、大の字のようになって横たわった。
荒い呼吸が、由衣の小さな胸を上下に揺らしている。
敦史の指の動きも止まっていたからか、由衣は漏らすことは免れていた。
 しばらくして、敦史は由衣の足を割って間に入り、
「いくよ!」
と声を掛けた。
いつの間にかお尻の下に枕があてがわれ、由衣は敦史を受け入れる体制にさせられていた。
「あっ(待ってっ!)」
小さく叫んだ由衣。
敦史の熱いものが由衣の体を押し割ってきた。
ゆっくりした動きが由衣を高めていく。
布団の上では初めてのエッチ。
敦史も燃えているのか、動きこそゆっくりではあるが、その勢いはいつもよりも力強い。
小さな由衣の体は、横向きにされたり上体を起こされたりと、敦史の思うがままに操られていく。
「いやぁっ!」
されるがままの由衣が、突然声を出した。
由衣の体はいつしか四つんばいになり、顔を布団に埋め。お尻を高く持ち上げる格好にされていた。
(いや〜ん、恥ずかしいよぉ!!)
お尻を見られている。
初めての体位に由衣は恥ずかしさと興奮が入り交じっていく。
そのまま敦史を受け入れると、これまでにない奥深い充実感が広がってきた。
「・・・・!!」
声にならない声を上げる由衣。
動く敦史に会わせて体が揺れる。
しかし、由衣の両足の付け根を持つ敦史の手は、おのずと膨らみきった膀胱を刺激してしまう。
「あっ、あっ、もれちゃうっ!!」
思わず口にする由衣。
外からの手による圧迫。
中からの、敦史の熱い動きによる刺激と圧迫。
訳のわからない快感が押し寄せると同時に、由衣の膀胱が収縮しようとし始めた。
「あっ、あーちゃん待ってっ!まって〜っ!!」
思わず大きな声を出す由衣。
その声に驚いたのか、敦史は動きを止めた。
「どうした?痛いのか?」
その声は優しい。
「ち・・ちがうの・・・ぉしっこ・・・」
「ん?」
「ぉ・・おしっこが・・出ちゃうぅ!!」
「感じてるんだね。」
「あ・・ち・違うの、ほんとに・・漏れちゃうよぉ!」
「我慢我慢!」
「あ・・いや出ちゃうぅ!」
「・・・」
「おしっこぉ!」
「・・この格好のせいか?」
「あ・・それもあるかも・・・」
息絶え絶えに答える由衣。
敦史はゆっくりと離れると、由衣を仰向けにして再び割って入ってきた。
「・・!!」
先ほどよりも少し排尿感が弱くなったものの、敦史の動きが大きくなるに従って、それは呼び戻されたように由衣に襲いかかる。
「あ・・やっぱりだめぇっ!!」
「いいよ、かまわないよ!」
敦史の動きは止まらない。いや、むしろ先ほどよりも勢いが強くなっていた。
「ダメダメダメッ!ほんとにもう漏れちゃうぅっ!」
「やっちゃいな!」
「いやぁダメェ!お布団汚しちゃうぅ!」
由衣は涙声になっていた。
その声に動きを止めた敦史は、肩で息をしている由衣をしばらく見つめ、
「それもそうだな!」
と言って、由衣の首と背中に手を回し、つながったまま起きあがらせた。
「!!?」
そのまま敦史も立ち上がり歩き出す。
(こ・・これって・・あの駅弁!!)
耳年増の由衣は知っていた。
歩く振動が膀胱に伝わり、開いている由衣の足の付け根あたりに熱いものがあふれ出しそうになった。
「あっ、あーちゃ〜んっ、で・・出ちゃうぅ!」
敦史の首にしがみつくようにして由衣が叫ぶ。
その由衣を抱きかかえたまま、敦史はバスルームに足を向けた。
先ほど使ったシャワーの熱気が残っている。
敦史は由衣を抱いたままバスタブのふちに腰を下ろした。
向かい合わせの格好になる由衣。
敦史の上に乗っていることで、目線がほぼ同じ高さになる。
大好きな敦史の目線を同じ高さで見るのは初めてだ。
何とも言えないうれしさがわき起こり、敦史にしがみつく由衣。
そのとき敦史が下から突き上げるような動きを始めた。
「いっ・・」
痛みとも何とも言えない強い刺激が走り、かすれた声を出す由衣。
頭のてっぺんまで何かが走る。
「あっ・・いっ・・」
大きく割っている由衣の足の付け根。
そこに飛び出している小さな突起を敦史の指が触った。
「あっ!!」
足を大きく開いていることで、そこに受ける刺激が膀胱に直に伝わる。
「あ・・やめ・・でっ・・で・・!」
指の刺激と、下から突き上げる刺激が重なって、やがて由衣は宇宙をさまようような無重力の世界に入り込んでいった。
「・・・・」
口だけが動いてなにか言う由衣。
やがて敦史に回していた由衣の腕に力が入り、思い切り抱きついたかと思うと、次の瞬間、
「はうぅ!」
という叫び声と同時にうしろにのけぞり、敦史の支えがなければ崩れ落ちて行くかのようにグッタリとしてしまった。
そんな由衣に満足したかのように、敦史も頂点を迎えていた。
ふたりのつながっている間から、ジワジワと熱い液体が流れ出し、敦史の太ももを濡らしていく。
うつろな目をした由衣には、何が起きているのか理解する思考能力はなく、まるで糸がゆるんだあやつり人形のように、グッタリとして敦史の腕の支えにもたれかかっていた。
その間もジワジワと流れる液体。
敦史の手が由衣の両脇に入り、体を持ち上げるようにして、まだ熱いままのものを由衣から離した。
途端に堰を切ったような激しい流れに変わる由衣のおしっこは、まだ上を向いたままの敦史の根本に当たり、跳ねてふたりの太ももを伝いながらバシャバシャとバスタブに飛び散っていった。
もうろうとした意識の中で、由衣は思っていた。
(あ〜・・死んじゃうよ〜〜〜〜!)


つづく

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